この「美津のゆく末」は「春情妓談水揚帳」同様、ほぼ原文に近い形で掲載しています。つまり現代語訳じゃないってことです。原文からの変更点は、「〜するときハ」「ヲヤ」などの片仮名は「〜するときは」「おや」のように平仮名にしたこと、旧仮名遣いを現代仮名遣いに改めたこと、そして適宜、句読点、字送り、改行を加え、宛て字の漢字はほとんどを正字に直しました。
また、「水揚帳」のように、わかりにくい用語についてはコメントタグで注を入れましたが、今回はそんなに多くはありません。というか、面倒臭いし、意味のわからないところがあっても、文意はたどれるので入れなかったというのが本当のところです。濡れ場シーンもソフトなものです。これが江戸と大坂の違いなのかもしれません。
第一話 そろそろと手折や梅の含より
第二話 髭のある虻に吸わるる藤の花
第二巻
第三話 鴬や師匠に増る声の艶
第四話 高慢に見ゆる牡丹の盛りかな
第三巻
第五話 我からや油に浸る夏の虫
第六話 投入れやおなじ桔梗と女郎花
第四巻
第七話 心まで潜る姿や秋の暮
第八話 東路やさすが桜のかへり咲
第五巻
第九話 悟ても開て覗や鰒の鍋
終 話 雪霜の清きがうへに冬の月
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