専修大学編

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留年のメカニズム

留年の実態

留年するとこうなる

留年を防ぐために

留年してしまったら


留年の実態
留年のきっかけ
おそろしい連鎖留年
留年のきっかけ

単純なようですが、きっかけが複合して要因となることが多いようです。

1.基礎経済力の欠如
豊かになった現在の我が国では考えにくいことですが、アルバイトによる生活資金・学資を当てこんで大学に進学したような場合には、往々にして発生するきっかけです。入学年度の講義には、語学や基礎科目など、学生の出欠を重視する「平常点評価」科目が多く、さらに、出席すべき講義の曜日・時限が決まっていることもあります。こうなると、入学当初にもくろんだ生活スタイルを営めず、かといって生活費は稼がざるを得ず、結果的に講義を休みがちになり、留年してしまいます。もともと無理を押して進学しているわけですから、事実上も体面上も金銭負担を親や親類にかけられない、古典的な悲劇です。

2.課外活動への傾倒
サークル活動やアルバイト先での付き合いなどに没頭して、教室から次第に足が遠のいてゆく例です。とくに地方から上京して下宿しているような場合、きちんと大学に通っているかどうかを親が監視できないため、だんだんと自堕落な生活習慣が身についてしまいます。試験前になってある程度焦り、他人を頼って講義ノートをかき集めたりしますが、結局は開き直って留年を決め込むことが多いようです。

3.大学生活への失望
高校時代に望んでいた大学生活と実際のそれが異なっていた場合、大学に対する興味は急速に失われてゆきます。原因には、講義への失望、進学コースの誤りに気づくなど、さまざまです。しかし、ひとたび失った大学への関心を取り戻すのは難しく、すっぱり休退学する決意もなければ、ずるずると留年してしまいます。

4.故意による留年
卒業年次に次年度の身の振り方が決まらなかった場合、ゼミの担当教授に相談してわずかの単位を落とすなどして、わざと留年することがあります。就職浪人と留年が、どちらが就職に不利かどうかはケースバイケースですが、少なくとも有利なことはありません。ただ、採用を新卒学生に限っている業界を受験したい場合には必要ですし、在学しているほうが就職情報を入手しやすいことも事実です。

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忍び寄る不登校の影

我が国は世界で最も大学生に甘い国とも言われ、一般の文系大学では、専修大学も含め、授業料を納め、ちゃんと講義に出席して最低限の勉強をすれば、誰でも4年で卒業できると言っても過言ではありません。しかしながら、実際には学生の数パーセントは留年すると言われています。この数字は、落第してなおかつ次年度も学生であり続けることを選んだ人たちのものです。落第が決まってから中退した人を加えると、実際には驚くべき高い数値が潜んでいるのかもしれません。

この背景には、大学生の不登校が存在していると思います。そもそも、大学は高校までの教育過程と異なり、学生の自主性が尊重されますから、講義に出席しないからといって学生が注意されたり、親が呼び出されることはありません。学生はこの特権を利用して、さまざまな活動に挑戦してきたのですが、一方でそれは近年の大学が望む律儀で従順な学生生活とは相反する行動でもあります。また、当の学生の志向も大学から疎遠になりつつあり、こうした乖離が「楽観的不登校」を生み出し、留年率を上げているものと思われます。

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おそろしい連鎖留年

留年は繰り返す、といっても過言ではありません。特に、卒業年次以外の中途年次で留年した学生の多くは、再び留年するか、休退学しています。その理由として、以下の事項が挙げられます。

・擬制の発生
数字のトリックです。もともと中途で留年する学生は持ち単位が極端に少ないうえ、何か原因があって留年しているわけですから、余程の努力をもって回復しないと、その後もスムーズに卒業できません。

・経済的困難
下宿の場合、留年すると、たいてい仕送りを停止または減額されます。仕方がないといえば仕方がないですね。また、奨学金を給付・貸与されていた場合、ほぼ間違いなく支払いを停止されます。経済的に困難になれば、正常な修学が難しくなるのは自明の理です。

・同級生の喪失
同級生が進級したり卒業してしまえば、講義に出ても友達が激減するので出席するのが億劫になりますし、ノートなどを借り受けることも困難になります。また、登校しても知り合いがいないので、どうしても足が重くなります。

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