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心に残るせりふ

Dame la cuenta
天国の口、終わりの楽園。

恐ろしくねたばれな気がするので、未見の方はご注意。

ひと夏の経験を共に過ごした2人が、ひさしぶりに出会い、喫茶店で会話を交わす。かつての大親友もあの日を境にどこかぎこちなくなってしまっていた。埋められないもどかしさを感じつつ、まずひとりが店を出る。残されたひとりが意を決したように口にするのがこのせりふ。訳は「チェックしてください」、韓国語だと「ケサンヘジュセヨ」←知ったかぶり。

楽しいことしか見えない、というか楽しいことしか考えなくてもよかった思春期を卒業して大人への一歩を踏み出す青年が、無邪気な少年時代に別れを告げる覚悟を決めた瞬間を「精算してください」という言葉に込めたようだった。切ない。思い出を振り切って歩み出そうとするかつての少年の決意に、少し胸が締めつけられるような感覚を覚えた。

ところで日本語の字幕はどうなっていたのだろう。もとのせりふが短いから、5〜6文字が限度か。だとすると…「おあいそ!」か?全然切なくないし。困ったにゃ。

父さんが何か悪いことをしたのかい?
めぐり逢えたら

迷子預かり所での話。外人さんの親の場合は再会した子供をまずひしと抱きかかえ「見つかって良かった」とおおげさなくらいに喜びを表現するのだが、日本人の親はとりあえず子供を叱りつける人が多いのだそう。半泣き状態の子供にいきなりびんたする人もいるとか。子供と離れ離れになって心配する気持ちは誰でも同じだと思うが、日本人はどうしても回りの目を気にしてしまうのだろう。

父親をなんとかメグ・ライアンとくっつけようと、ひとりでNYまで来てしまったまだ小学生の息子。目的地に着いたのはいいものの、そこから計画通りにことが運ばず、日も暮れて来てはんべそをかいているところに、心配して駆けつけたトムハンクスが現われる。子供を強く抱きしめながら最初に口をついたのがこの一言。どう考えても子供が一方的に悪いと思うが、まず自分を省みようとする態度に感心。人を責める前に自分に原因がなかったのだろうかと冷静に考えられる、そういうひとに私はなりたい、と思った台詞だった。思ってるだけじゃだめか。

Coffee? Tea? Me?
ワーキング ガール

いろいろ事情があってボスになりすましてオフィスでビジネスのパートナー候補のハリソン・フォード(若い!)を迎える本当は秘書のメラニー・グリフィス。秘書仲間のジョーン・キューザックに即席で自分の部下になってもらうことに。ハリソンくんを部屋に通した後「コーヒーでもいかがですか?」とキューザックが言うのがこのセリフ。言われたハリソンくんがにこりともしないのも可笑しい。是非自分でも言って見たいと機会を伺っているのだが、まだ使えるチャンスにはめぐり合っていないのが悔しい(やめといたほうがいいかも)。

言うまでもないがこのセリフ、TeaとMeが韻を踏んでいて耳に残る。韻を踏んでいると言えば「いまを生きる」で詩を作る宿題を皆の前で発表するシーン。ある生徒が「A Cat Sat on a Mat(猫がマットに座った)」とだけ言っておしまいだったのに大笑い。訳を考えてみたけれど「犬は居ぬ。猿は去る。」程度しか思いつかなかった。才能無いわ。そういえば昔の歌に「今夜も車が来るまで毛布にくるまって…」というのもあったっけか。

Take a chair
ザ・ファーム 法律事務所

スティーブン・キングの次くらいに作品がどんどん映画化されているジョン・グリシャム原作の(多分)映画化第一作。トム・クルーズ演じる新米弁護士が、自分の勤める法律事務所の裏の顔を知ってしまい、命まで狙われる。身の危険を感じた彼が必死にオフィス内を逃げ回り、同僚の部屋に飛び込んだ時にその同僚が一言「Take a chair.(まあ座れよ)」。もちろんそんな余裕のないトム・クルーズはとっさにその椅子を抱えて窓を割り、そこから脱出したのだった。

必死の形相のトムが全然事情を知らずにぼけっとしている同僚からTake a chairと言われて文字通り椅子をTakeする駄洒落が、超緊迫感のシーンの中でやられてとても可笑しかったのを覚えている。

もしかしたら「Have a seat」だったかも。ちょっとうろ覚え。もう一度見ることがあったら確認しときます。

That's my nature
クライング・ゲーム

会社の友達に良く言えば好奇心旺盛、悪く言えば妙に詮索好きなやつがいる。人の噂話が異常に好きで日々情報のストックに余念がない。後日どこかでなんかの話題になったときに「えぇ?まだ知らなかったの?」というのが快感らしいのだ。

彼に仕事とかの愚痴をちょっというと質問攻めにあってしまう。こっちも調子に乗っていろいろ喋ってしまうが、最後に彼がいう決まり文句が「じゃあ、言えばいいじゃん」。 おいおい、っていうかさぁ、直接言えないから愚痴ってるわけでしょ?なんだか責められているみたいでやな感じ。しかも向こうは相談に乗ってあげている、と思っているから余計始末が悪い。

最近は「どうしたの?」と聞かれても適当に流すことにしている。彼の勘違いを指摘してやろうとも考えたが諦めることにした。だって言ったって直らないし、そういう質の人なんだから。

さ〜の〜ば〜び〜っち
レインマン

旅行は二人でするものではない、と思っている。なぜか。必ず喧嘩になるからである。四六時中顔をつき合わせていると言わなくてもいいことまで思わず口にしてしまうものだ。

10年ほど前の話、仲の良い友達Kと車でLA→ラスベガス→グランドキャニオンという旅行をした。ちょっとした行き違いが重なってストレスが溜まっていた僕はKが冗談めかしていう言葉にいちいちカチンとくるようになっていた。お返しに結構憎まれ口で対抗したものだからグランドキャニオンからの帰り道の車内は最悪の雰囲気の臨界状態。楽しみにしていたはずの旅行なのに、僕は悔しいやら悲しいやらで半泣き状態でラジオの電波も届かない砂漠を延々・黙々と運転する派目になってしまった。

上はトム・クルーズが砂漠の真ん中で堪えきれずに絶叫する台詞。親の遺産を全て相続した生き別れの兄を「誘拐」したまでは思惑通りだったものの、極度の自閉症の兄は飛行機恐怖症でやむを得ず車でアメリカ横断する派目になったのが運の尽き、お気に入りのクイズ番組が見たいと言っては泣き出し、下着のブランドが違うとパニックになる兄にイライラが爆発して上の絶叫に至るわけである。全く個人的な話だが、このシーンとKとの最悪のドライブの思い出がかぶってしまうのだ。僕も車から降りて絶叫でもすれば少しは気分転換ができたかもしれない。

ちなみに現在はもう少し人間が丸くなっております。

I see dead people
シックス・センス

予告編やTVコマーシャルにも使われて非常に有名な台詞。初めてこの映画を見た時は「死人が見えるという特殊能力を持った少年が、親にも言えなかったその秘密を精神科医にすがる思いで告白する」シーンだと思った人が大多数だろう。少年の恐怖の顔はその呪われた自分の能力や過去に見てきた幽霊に対する恐怖の表情なのだろうと。

しかし映画を見終わってから思い起こせば、この言葉は全く違った意味で精神科医に投げられたものだと気がつく。そしてあの恐怖の表情の意味も。2度目に見ると全く別の視点からの新たな発見が次々に出てくるこの映画を象徴するような見事な台詞だと思う。

お姐さん、ししゃも!
インサイダー

「できる国際派ビジネスマン/実業家」たるもの、日本語を話すくらいはたしなみらしい。そうか?とも思うが、どうやら記号化してしまっているようで、そういうシーンによくお目にかかる。「プリティーウーマン」のリチャード・ギアとか「サブリナ」のハリソン・フォードとか怪しげな日本語の台詞(しかもストーリー上、まったく必要がない)があったような記憶がある。日本語でひとことふたこと話すと、アメリカ人は「ををっ」と思うのかし?謎である。

さてタイトルの台詞。役作りのため、せっかくのナイスバディーを20kgは増量したかと思われるラッセル・クロウさまが、料亭とおぼしき座敷で日本酒を酌み交わしながら、追加の一品を注文するときのひとこと。さすが国際派ビジネスマンだけあって注文する料理が渋い。渋すぎる。追加で注文するのに、ししゃもだけとは実につましいではないか。「お前ほんとにししゃも食うのかよ」と突っ込みを入れたくもなる。もちろんこのししゃもはその後ストーリー上とても重要な伏線となり…ということはは当然無く、なのに妙に後を引いて困った台詞であった。

FBI! You are sefe!
羊たちの沈黙

某日某ファーストフード店にて。「〇〇バーガーとコーヒーを店内で」と注文したら、バイトのお姉ちゃんはにっこり笑ってマニュアル通り復唱してくれた。「〇〇バーガーとコーヒーを店内で...お持ち帰りですか?」...??手間を省いたつもりだったのになぁ..恐るべしは習慣(マニュアルか?)の力だったのだ。

というわけでこのセリフ。J.フォスター演じる主人公のクラリスはまだFBIの訓練生ながら特別に捜査に加わっている。単身で犯人のアジトをつきとめたまでは良かったが、油断して犯人を見失ってしまう。暗闇の中必死になって追いかけながら人質が囚われている地下室にたどり着く。人の気配に「助けて!」と泣き叫ぶ人質に冒頭のセリフが発せられる。どこから犯人が襲ってくるがわからない状況でとても「もう安全です」などと言っていられないのに..。実際クラリスは相当へっぴり腰でこんなことを言うので、全然説得力ありません。多分FBIのマニュアルにはこう書いてあるのかな..と思わせる、緊迫した中でちょっとほほえましいセリフだった。

私家版ベストへ
I hate this case.
フィラデルフィア

HIV感染を理由に不当解雇されたT.ハンクスが自分の名誉・尊厳を取り戻すため会社を訴える。会社側は保身のため彼がいかに無能であったかを証明しようとする。病気が進行し頬もこけ偏見に晒されながら証言台に立つ姿が痛々しい。

そんな彼をも会社側の女弁護士は冷徹に追い詰める。症状の現れている肌を陪審員に見せるようにさえ促す。口に出しては言わないが「ゲイでエイズの同僚がいても平気ですか?」とプレッシャーをかけているようだ。

そんな彼女がT.ハンクスへの尋問を終えて自席につくときに呟く一言がこのセリフ。ずっと「良心」を抑えていたストレスに耐えられなくなったように... なんだか見ているほうもやりきれなくなってしまって。 割り切れない気持ちのまま、何が正しいことなのかを判断することを停止していた彼女が「素」を見せた一瞬だったような気がする。

ところでこのセリフ、ビデオで見たら字幕は「いやだわ」となっていた。これではエイズ患者と接することを嫌がっているバリバリの偏見持ちのようにも聞こえないだろうか?映画館では確か「つらいわ」だった。こっちのほうがニュアンス出ているいい訳だと思う。

You make me wanna be a better man.
恋愛小説家

偏屈ものの小説家(J.ニコルソン)が恋人候補?のウェイトレス(H.ハント)と食事中に「何か褒め言葉で私の機嫌を直して」とせかされて「君に『タイプじゃない』と言われた翌朝から薬をちゃんと飲むようになった」と言う。

偏屈もので皆の嫌われ者なのを自覚しながら、精神科医に安定剤か何かを処方してもらっているこの小説家は薬が大嫌い。普段はそんな薬を飲んでみようなんて思わないのだけれど、自分の好きな人に好かれようとして、「薬を飲んだら”いい人”になれるんじゃないか」と期待して薬を飲むんだ、ということらしい。

人を好きになるってこういうことかもしれない。一方的に「こんなに好きなのにどうして分かってくれないの? 僕はこんなに尽くしているんだから、そっちも愛を返してくれなくちゃ不公平だよ。」って論理になっちゃう人もいるけど、好きな人に好かれるように自分を変えていこうとする気持ちって大切だ。

いいたい邦題へ
You complete me.
ザ エージェント

"Show me the money"をアメリカで大流行させたこの映画。僕が印象に残っているのはT.クルーズの愛の告白のこの台詞。

拙訳を試みれば、「僕に何かひとつ足りないものがあるとすれば、それは君なんだ」あるいは「おまえがおらんとわしゃあかんねん」みたいになるだろうか。日本語にするとつい説明調になってしまうけど、英語ってこういうことがさらっと言えてしまうんだな。

こんな僕でも誰かの大切な一部分になれるかもしれない、そんな誰かに愛されたいなと願うひるひるだった。

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