VirtualRD

2005-02-20

DVD-RAM経由でTV録画をPCに取り込む

TV放送の録画を PC で扱いたいという要望は、PC で色々やっている人なら少なからず持っている事でしょう。 自分の場合も、そう言う要望はあります。 DVDオーサリング1を PC 上で行うためです。 HDDレコーダにもオーサリングの機能は一通り用意されていますが、何度も使おうという気にさせる物ではありません。 PC で出来るのであれば PC でやりたいものです。

そこで、現在は次の環境を作っています。

HDDレコーダ

DVD-RAM に VRフォーマットで書き出します。 もちろん、タイマー録画も。
Toshiba RD-X52 を使用。

PC用 DVD-RAMドライブ

UDF 2.0 フォーマットの DVD-RAM 媒体を読みます。 カートリッジ付きの媒体が使える事が条件。
Panasonic LF-M760JD3 を使用。

PC用ソフトウェア

VR 2.0 フォーマットを認識して、DVD-RAM に記録されているファイルの塊から個々の番組を取り出します。 また、HDDレコーダでは音声が AC-3 なので、素の Windows ではデコードできません。 音声を出すためには、AC-3 をデコードするソフトも必要です。 視聴だけなら、DVDプレーヤソフトでも大丈夫ですが、オーサリングソフトを使います。
Pegasys TMPGEnc DVD Author 1.5TMPGEnc Sound Plug-in AC-34 を使用。

この環境ですと、次の手順で TV放送を PC に取り込むことができます。

  1. HDDレコーダで普通に録画

  2. HDDレコーダで DVD-RAM にダビング

  3. PCで録画DVD-RAM を読む(複数番組がまとまったファイルが見える)

  4. TMPGEnc DVD Author で番組を切り出す

あとは TMPGEnc DVD Author でオーサリングを行い、DVD-R に DVD-Video として焼けば、DVD-RAM よりは汎用性の高い DVD への保存が完了します。 カット編集やメニュー作成(文字入力)は、HDDレコーダのリモコンでちまちま作業するよりも、PC でやった方が断然効率的です。

もちろん他にも色々とやりようは有るでしょう。 例えば、最初から PC で録画していまうとか、NAS に録画機能を乗せたものを使うとか。 自分の場合はこの環境が好みに合っているので、この様な構成になっているというだけの話です。

LAN経由でTV録画をPCに取り込む

上記の環境は、HDDレコーダと PC の間を DVD-RAM 媒体で移動しています。 ですが、RD-X5 の場合はもうひとつ、ネットワーク(LAN)で繋がっています。 古い機種(RD-2000 など)はスタンドアロンの機器でしたが、現在の RD-Style はネットワークを利用可能になっているのです。 RD Style では、「ネット de ダビング」と言う機能です。

「ネット de ダビング」対応機では、RD からのダビング先として

が選択できます。
最後のネットワークへのダビングを選ぶと、LAN上に存在する「ネット de ダビング」対応機器とそのドライブを走査して、一覧表示します。 「ネット de ダビング」対応 RD、例えば RD-XS34 が存在すれば、HDD と DVD-RAM ドライブがダビング先として使用でるのです。

ここで、VirtualRD というソフトが登場します。 竹内正生氏のフリーソフト。 このソフトは、Windows PC を「ネット de ダビング」のクライアントにする機能を持ちます。 このソフトを動かしていると、RD-X1 のネットワークダビング先として PC が見えるようになるのです。 特別な設定は、RD側/PC側ともに必要ありません。

何という事でしょう。 以前から「ネットワーク経由でダビング出来ればいいのに」と思っていました。 RD-X5 購入時NEC AX300 を候補にしていたのも、この点が魅力だったからです。 結局 RD にしたわけですが、VirtualRD の存在によって、この目的は達成されてしまいました。 なんだか凄い世界が広がっている気がします。

使ってみた

実際に使ってみました。 配布されているパッケージを適当なフォルダに解凍し、vrd.exe を起動するだけです。 保存先フォルダはテンポラリ用に使っている所を指定しました。 設定の変更はそれだけです。

この状態で RD 側でネットワークへのダビングを行うと、ネットワーク機器名として「VIRTUAL」が見えるようになります。 これが PC ですね。 ダビング先として HDD が見えます。 選択すると、ダビングを開始します。

SPモード(4.6Mbps)で録画した 30分番組の転送に要する時間は 15分程度でした。 ファイルサイズは 1GB くらい。 転送レートは、10Mbps くらいですね。 ネットワークは 100BASE-TX(100Mbps)で、他のトラフィックはありません。 転送レートが低すぎます。 RD 側がネックになっているのか、VirtualRD の問題かは分かりません。

高速化は歓迎できますが、現状ではダメかと言うとそうでもありません。 上記の DVD-RAM 媒体経由のダビングに必要な時間を見てみると、同じサイズのファイルを HDD⇒DVD-RAM にダビングするには7分弱を要します。 DVD-RAM⇒PC の取り込みも7分弱です。 当然ながら、RD-X5 や PC で DVD-RAM媒体を認識するのにも時間がかかります。 それらを合計すると、15分を超えます。

つまり、DVD-RAM にも残す目的がなければ、「ネット de ダビング」を使うのと変わらない時間がかかるわけです。 また、複数のファイルをダビングするのであれば、より有利です。 「一括ダビング」を使えば、無人で転送が可能です。 入浴中や就寝中、あるいは先に転送を終えたファイルの処理中に裏で転送できるわけです。 TMPGEnc DVD Author の操作には必ず手動操作が必要ですので、こうは行きません。

感想

初めて「ネット de ダビング」を知った時には、RD の買い増しを促進させる為のネタかと思っていました。 いっぽうで、果して2台の間でダビングする要望ってあるだろうか?とも思いました。 自分には使い道が想像できませんでした。 けど、VirtualRD を使ったり RD-H1 の発表を見ると、なるほどと思うわけです。 このための伏線だったんですね。

また、個人的には DVDドライブが不調になる問題を経験しているので、安心感も高くなります。 最悪 DVDドライブが故障しても、修理に出す間のバックアップが PC に取れるわけです。 もっとも、RD-X5 の HDD容量は 600GB。 これだけの容量を PC 側で用意するのは、それなりの投資が必要ですが…。

また、当然ながらコピー保護されたコンテンツはダビングできません。 今の所地上波アナログ放送しか受信していないので自由に遊べますが、地上波デジタル放送ではコピーワンスの保護がかかっているのでダメでしょう。 こう言った事で遊べるのは、今の内に楽しんでおくべきかも知れません。

まだ使い始めたばかりですが、早くも必須ソフトになりそうな勢いです。

  1. オーサリング
    平たく言うと、トラックの追加,CMカット編集,タイトル作成,メニュー作成のことです。 プロ用だと色々あるのでしょうけど、素人が使う分にはこんな物ではないでしょうか。 もしかすると、DVD-Video 形式のファイルを作成する所まで含むかも知れません。

  2. RD-X5
    関連記事をご紹介。

  3. LF-M760JD
    関連記事もどうぞ。

  4. TMPGEnc DVD Author
    関連記事もあります。

Copyright© 1998-2006 Hira
g