¡Adelante! > Diary 2003.06

Diary
junio

06/30カラー・オブ・ハート

色には「暖かい」とか「涼しげ」とかそれぞれ見て受ける印象が違うのは感覚で分かっていたが、着ている服の色で相手に対する印象だけでなく、自分自身の気力にも影響を与えることができるのだそう。→ こんな記事を見つけました。赤を着るとエネルギーがみなぎって、黄色を着ると判断力が高まり、青色だと集中力が高まるのだとか。ほんまかいな。驚いたのが「グレーを長時間身につけると、気力が低下してしまう」。部屋着や下着にグレー系って結構たくさん持ってるんですけど。これからは下着の色にも気をつけなくちゃ。

私家版ベストに「ブロードウェイと銃弾」を追加しました。


06/296月のHeavy

昨夜見た全英女子3回戦、森上xカプリアティ戦。いいゲームだったけど、要所で締めるカプリアティの方がほんのちょっとだけ上手だったか。カプリアティは試合の中での好不調の波が表情や態度にもはっきり出る。多分無意識にそうなってしまうのだろうけど、分かりやすい人だ。

アルモドバル監督の「トーク・トゥ・ハー」を見ようと銀座まで出かける。ちょっと時間ぎりぎり過ぎたようで既に立ち見だった。根性無しの僕はすぐに諦め、映画の日のリベンジを心に誓いつつその場を去る。計画変更して無印良品で夏のシャツとパンツを買ってから、エグザスでなんちゃってトレーニング。シャワーを浴びてロッカールームの大鏡に映る自分の上半身に愕然。いまさらだけどなんか肌に張りが無いわ。胸なんかカプリアティー並に垂れ始めてきているような…。「ジムの鏡は痩せて見えるように細工がしてある」と誰かに聞いたことがあったけれど、どうもデマのようだと確信する。

夕方はバスケの練習。暑さでバテないように、練習メニューの合間にこまめに休憩を入れてくれるM田キャプテンの配慮のおかげでなんとかついていってる感じ。もうちょっと動きを覚えないといけないみたい。最後は自分のディフェンスのミスで30代最後のバスケの練習終了。練習後はファミレスのドリンクバーで暴飲。腹が苦しい。


06/28雨上がる

2度寝して目が覚めたら1時を回っていた。それはないでしょうと自己嫌悪気味に起き出して外を眺めたら雨が止んでいる。げ。今日のテニスの練習は絶対中止になると思い込んでいたのでちょっと焦る。3時に有明なんて間に合わない…。一瞬迷ったけど急いで着替えて行く事にした。15分遅れてコートに到着したら今日の参加者は4人だけ。5人目の僕は余分だったかな。ゲームしていてもひとり足を引っ張っていたようで反省点多し。楽しくできるようになるにはもうちょっと頑張らないと。

全英オープンも今日で折り返し。初日に福井烈が「やはり男子はヒューイットを軸に展開するでしょうね」と言ったとたんにいきなり軸を失ってしまって混沌模様。そろそろロディックの出番かな。


06/27恋人までのディスタンス

会社の健康診断の面談。以前に受けた人間ドックで眼底圧が高いと指摘されたことを告げたら「緑内障の初期かもしれないので早くちゃんと診てもらいなさい」と言われる。飲み物を一気に飲むのも眼圧には悪いとは知らなかった。牛乳の一気飲み好きなんだけどなぁ…。

元彼氏のYKを誘って新宿で晩飯。3年前に偶然道ですれ違って以来の再会。ちゃんと話すのは5年ぶりくらいかもしれない。職場が変わって忙しい毎日だというYKは、半年前から付き合い始めた新しい彼氏と遠距離恋愛を始めたばかり。公私共に充実しているようでうらやましい。遠距離なんで絶対無理と思っていたけど、その彼に告白するときは「こいつとなら頑張れる」となぜか確信できたんだそう。久しぶりに会ったYKはちょっと大人びたようでもあり、とてもいい男になっていた。いい時を過ごしてきたんやね。それに比べて「ひるひるは変わらないねぇ」と言われて単純に喜んでいた僕の時間はずっと止まっていたのかも。うーん、ちょっと誤解を生む表現かな。まだ未練があるという意味ではないので念のため。食事の後に、以前は2人でよく来ていたKidsで久しぶりに飲む。終電に乗るため店を出ると雨が降り始めていた。とても楽しく、少しだけ切ない夜だった。

全英オープン3回戦の杉山xデシー戦。調子が悪いなりに攻め続けていた杉山は以前のような迷いが無くなって精神的にたくましくなったみたい。でも4回戦のクライステルシュ戦はもっと1stサーブを入れないと苦しいかも。見終ってベッドに入った時には時計はもう3:30になっていた。


06/22太陽の季節

時間はたっぷりあるはずなのに、この週末も映画を見なかった。来週は何か見に行こう。めりはりの少ない週末だったけど、すこしおさらいしてみると…

金曜日、そろそろ帰ろうかと思っていたら同僚から飲みに誘われる。苦痛というわけでもないが、仕事の愚痴を肴に飲むのは楽しくないな。結局11時過ぎまで付き合ってしまった。やれやれ。案の定土曜日は二日酔い。昼近くになってごそごそと起き出してシャワーでようやく目を覚ます。梅雨の合間の真夏の日差しの中、テニスに誘っていたK1くんと恵比寿で待ち合わせてから大久保のコートへ向かう。バレーが専門のK1くんは始め少し遠慮気味だったけど楽しんで練習出来たみたい。練習の後はファミレスで皆と食事なのだが、元気なK1くんは夜はバレーの練習に参加するのでここでさようなら。またよろしく。早くラケット買ってね。飯の後、ぼーっとしていたら不意に腹をなでられてびっくり。横にいたTるくんから「油断してたでしょ〜」と笑われる。腹筋がしっかりしてないもんだから食べるとお腹が倍くらいに膨らんでしまう。気が抜けないわん。家に帰ってER→フレンズ→SATCとドラマをはしごする。SATCは中絶がテーマで結構内容がヘビーだったけど、やっぱり友達は大切だというメッセージに共感。

明けて日曜は重い腰を上げて部屋の片付けに取り掛かる。結構頑張ったつもりだったけど、見た目は全然変わってないような…。飽きてきたので(おい)後は来週やることにしてバスケの練習へ。電車に乗ってからバスパンを忘れたことに気がつき新宿のオッシュマンズでナイキのリバーシブルのタンクトップとパンツをお買い上げ。蒸し暑いこれからの季節、体力の無い自分としてはちょっと辛くなってくる。もうちょっと頭を使って(←かなり不得手)無駄な動きを減らせるようにしないと。バスケの子と雑談中にウィンプルドン開幕の話になった。結構みんなテニス好きみたい。で、「全仏の優勝者、誰だっけ?」「エナンだよ」「あ、そうそうベルギー対決だったんだ」。 何にも言わなくても女子シングルスということで話が通じてしまうのね。おかまだわ。


06/18男が男を愛する時

「auショップで手話サービス充実」というニュース。耳の不自由な人と携帯電話?というのが始め頭の中で繋がらなかった。メール機能を活用するために契約する聴覚障害の人が増えていると知ってやっと納得。「レッド・ドラゴン」で盲目という設定のエミリー・ワトソンが腕時計をしているのを「間違いだ」と指摘した人がいるが、視覚障害者の人の中にはアナログ腕時計の蓋を外して、指で直に針に触れて時刻を読む人が実際にいるのだそう。ちょっと想像力を働かせれば分かるようなことでも、ぼんやりしているとなかなか気がつかない。独り善がりな常識(←表現が自己矛盾)に囚われることなく、柔らかい頭を持っていたいもの。相手を思いやる心もそこから生まれるはず。

今日はWalking on the boardwalkのTossyくんとご対面の約束がある。仕事の後、日比谷のスタバではじめまして。串焼き屋で飲む。最初はぎこちなかったけれど、最近付き合い始めたばかりのTossyくんの熱々ぶりを聞いているうちに調子に乗ってくる。殆ど徹子の部屋状態だったかもしれない。今まで経験したことの無い恋愛スタイルに戸惑っているというTossyくんだったけど、一緒にいてリラックスできて自分をとり繕う必要のない、それでいて元気をもらえる相手に巡り会えた彼はとても幸運なひとだと思う。恋をしているひとの話を聞くのは楽しい。


06/17ブラインド・デート

ばーとくんから「結婚しないのか?と聞くのはセクハラだよね」というメールをもらう。そうか、相手もいい歳みたいだしこれは「結婚を前提とした交際を前提とした合コンを前提とした人選」だったのだ。マスコミで働いてるんだったらもっと派手な仕事の男と知り合う機会も多いだろうに物好きだな>合コン女性陣。と思っていたら合コン予定日が8/05に延期になったことを知らされる。なんでまたそんな先なんだ。この女性陣はそれまで出会いが無いのが保証されているのだろうか。逃げ水のような合コンである。


06/16ミッション・インポッシブル

職場の部門カンパニー長から呼び出された。緊張して部屋に入ると「合コンに参加してくれへんか」。……??。知り合いのつてで、某マスコミ系の妙齢のOL陣と合コンする男の調達を頼まれていたらしい。で、いい歳して独身ということで僕に白羽の矢がたったもよう。ったく、うちのボスも人を見る目がないわね。この歳で女の子と合コンするとは思わなかったな。何を話せばいいのだろう。ちなみに合コン予定日は7/22@赤坂。って来月かよ。なんでこんなに長期計画なのかも謎である。


06/1511人の悩める日本人

昨日クラブで久々に会った元バスケ部のS田くん(29才)から「まさか(その歳で)バスケの練習なんかに行ってないですよねぇ」と茶化されて言葉に詰まった。まぁ、裸で朝まで踊っていながら今更恥ずかしがる事もないのであるが。というわけで日曜はバスケの練習の日。3時間の練習でへろへろになった後、出席メンバー11人全員で一杯飲みながらミーティング。新キャプテンのM田くんの発案で、練習方針の意識合わせを話し合う。大会で勝ち進むためにもっと上のレベルを目指す練習がしたい人(主に若い子)そこまで拘っていない人(主におばさん)皆それぞれなのでM田くんも練習のメニューに悩んでいたみたい。僕自身は技術や体力の向上は諦めているので「試合に出て優勝を目指す」という気持ちは無い。かといって、仲良し同好会サークルになって欲しいわけでもない。「強くなりたい」と頑張るチームの一員として参加することが楽しいので皆には是非頑張って欲しい、などと妙に自分勝手なことを言わせてもらった。ひんしゅくだったかも。

試合で勝てるチームにするにはもっと人を増やさないと、という意見も多数。というわけでバスケをやりたい元気で可愛い子は一度練習を見に来てください。お問合せはこちらから。


06/14ダーティ・ダンシング

蒸し暑い日が続く。昨日道ですれ違った女の子の言葉を借りると「もうチョー梅雨って感じ」な天気で人一倍汗っかきな自分にはいやな季節が始まった。少し早起きして久々にジムへ向かう。知り合いのイントラ氏のステップのクラスで汗をかいて気持ちだけ脂肪燃焼。仕事の合間のイントラ氏に昼飯につきあってもらう。ゆっくり話をするのは3月の大江戸温泉物語以来。さしで会うのは何年ぶりだろ。イントラの卵たちの養成クラスを独立して開いていたり、若い彼氏が近所に引っ越してきてご飯作ってくれたり、イントラ氏は公私共に絶好調のようす。「相手探しな」とアドバイスももらう。付き合っている友達が皆一様に「相手は?」と心配してくれるのは、やっぱり日々の充実感が違うのかな。「年取ってからのことを考えると寂しいよ」とも。エピキュリアンを地で行っていたような君がそんなことを言うようになったんだね。

夜のクラブ活動に備えて散髪。部屋に帰ってTVを見ながら、どこから部屋の片づけを始めようかと考える。なかなか考えがまとまらないうちに日が暮れた(いいから働け)。少し仮眠を取って夜はREDへ。さすが夏となると脱ぎ率高し。自分も、ひさしぶりに再会のたっく氏に脱がされてしまう(って、ひとのせいかよ)。踊っていたらふとフロアにRush PointのRIOTOくん発見。意を決して自己紹介。初対面の人にいきなり「ひるひるです」と言うのは何度やっても照れくさい。50になる頃には慣れるのかな。快く握手で応えてくれたRIOTOくんは想像通りの好青年。惚れました。これからもよろしく。

いつのまにか隣にいた台湾人くんと濃厚チーク状態になっていた。適度にHな感じを楽しんでいたらだんだん台湾人のブレーキが効かなくなって来てちょっと大変だった。後で知ったがたっく氏のお知り合いだったようで。赤面。踊り疲れて上のフロアで一休み。今年の「オスカーのゆくえ」で優秀賞だったRIOTOくんにドリンクをご馳走する。とかいって単に話しかける言い訳だったりして。他の当選者のEddieくんにGromitさん、ついでに第一回当選者の三十郎氏・ほうすけ・オトラクちゃん、時効はありませんので楽しみにしててね。5時にはすっかり明るくなっていた。始発で帰宅。早起きしてゴルフの待ち合わせをしてるらしき中年おやじさんと駅ですれ違って家路につく。


06/09フィールド・オブ・ドリームス

土曜日はテニスの練習。ラリーの練習メニューの時は快調でも、ゲーム形式になると急に腕が縮こまる。分かり易い。練習でこんな調子だから本番の試合になるとどうなるかは推して知るべし。本当はラリー練習の時こそ集中して慎重に、ゲーム形式の時は大胆に…と、ありたいもの。要は気持ちの持ち様なんだろうけど…。練習後、そらちゃん家でこないだの大会のビデオ上映会。自分のプレーの格好悪い事といったらなかったが、サークルの皆はいつもこれを見てるわけで。お恥ずかしい。いろいろ指摘もしてもらったが、まだ上達の余地が残っているのだと考えることにしよう。

日曜日はバスケの練習、という名目で若い子たちと戯れる。肉離れに懲りて無理なダッシュは自粛中。腿を上げずに狭い歩幅でペタペタペタ…と走っていると「優雅な走りね」と声がかかる。いやぁ、それほどでも。って全然誉められてないし。なんだか今日は暑かった。体温調整能力が低いのか、人並み以上に汗をかく自分にはこれからますますいやな季節になる。練習後の飲み会でキャプテンの交代・幹部の若返りが決まる。各自フォトメで新入部員を募集したら?という話になった時に、つよしくん(推定24歳)が「でも40代の走れない人ばかり集まっても困りますね」と一言。けんか売られたのかしら。

杉山ペア全仏女子複初優勝。前日のシングルスの完敗を気持ち的に引きずっていたであろうクライステルシュをリードして、クレー巧者のNo.1ペアを破っての優勝は立派。流れがころころ変わり、どちらが勝ってもおかしくない展開の試合は見ていてとても面白かった。ロブの多用、ポーチの思いきりの良さ、2人の動きなど、普段ダブルスを練習している分、勉強になる。試合が白熱して終了したのは午前2時。また寝不足だ。


06/06アバウト・シュミット

木曜夜は先週に引き続きIくんとデート。って酒飲むだけだけど。銀座のダイニング・バーで食事する。ウェイトレスのおねえさんが厚化粧で年齢不詳と耳打ちされたので、よく見てみたら確かにその通り。「ほんとだ。けっこう塗りたくってるね」とIくんに言ったら「まだ後ろにいるよ」。寿命が縮まった。うしろから刺されなくてよかった。

全仏オープン女子準決勝、セレナxエナン戦は見応えがあった。ファイナルセット、2人とも明らかに肉体的・精神的に疲れていてミスも多いのだけれど、ここぞというときの集中力がすごい。お互いに崩れかかった場面があって、それを持ち直すところに強さを感じた。エナンは一昨年の全英決勝で見せた弱さがなくなり頼もしくなっていた。いい結婚をしたんだね。セレナは全米初制覇の時のように、どれだけミスをしてもひるまず力一杯打ちまくるのが持ち味だと思うのに、ここぞというところでドロップショットを打ったりしてリズムを狂わせていたみたい。訳もなく観客からバッシングを受けて気の毒だった。男子ベスト4のコリアくん、猿の惑星系のルックスがかわいい。ロディックくんから乗り換えることにしよう(勝手にしなさい)。

ジャック・ニコルソンの抑えた演技が評判の「アバウト・シュミット」を見た。About Schmidtサラリーマンとしては成功し勝ち組だった主人公のウォーレンが定年を迎えた時から映画は始まる。定年のパーティーで友人からもらったスピーチの「意味のあることを成し遂げることに人生の意味がある」という言葉が妙に引っかかる。翌日から夫婦2人の悠々自適の第二の人生が始まるはずだったのに、会社人生を送ってきた彼から仕事を取ったら後に何も残っていない、自分の居場所がどこにもないことに愕然とするウォーレン。不意に訪れる妻の死。ろくでもない男と結婚間近の娘。天涯孤独になって焦るウォーレンは自分の人生を振り返る旅に出るが、結局いかに自分の今が空虚なのかを思い知らされるだけになってしまうのが皮肉であり、残酷である。追い詰められた挙句に見つけた生きがいが「娘の結婚を阻止すること」。本人は意味のあることをしていると一生懸命なのにしっかり空回りしているのが虚しい。結婚式での空虚なスピーチが哀しく響く。ラストシーン、人生の敗北者のように打ちひしがれた彼のもとに思いがけず届くあるもの。「自分は果たして何かの役に立ったといえるのだろうか?」と自問し、自責の念にかられる主人公に対する強烈な皮肉のようでもあり、その疑問ですら些細なことだと気づかせ、さらに大きな真理に心が浄化されていくような、そんな余韻も残るシーンだった。66年間遮二無二頑張ってきた自分の人生が意味の無い物だったと悟らされた残酷な最後の審判なのか、今までの人生を清算しこれから全く新しい自分としての生き方を始めるための啓示なのか、見るものに委ねられていたような。僕は後者だと感じた。楽観主義者だから。

「めぐりあう時間たち」に続いて何のために生きるのかを問われているような映画。でも「アバウト・シュミット」の方がピンと来ないし感じるところも少なかった。サラリーマンの成れの果て?の話から無意識に目を背けようとしていたのか。自分の正直な思いをさらせる相手が、遠い国の文字も読めない見知らぬ少年だけだとは寂しすぎる。自分がまだ若いと主張したい訳ではないが、この映画をちゃんと評価できるようになるのはまだまだだったかも。とりあえずキャシー・ベイツの裸体はすごかったことは間違いないが。夢に出てきたらどうしよう。

数日前から掲示板にアクセスできなくなっているようです。最近書き込んでくれた人ごめんなさい。復旧の見込みも分からないので、とりあえずトップページと日記のページからは旧掲示板にリンクを貼りなおしました。随分昔の書き込みが残ってますが気にしないでね。

| 映画一覧 |

06/03恋する遺伝子

仕事を終えて久々にH吉くんと日比谷で飲む。週末の報告から始り、映画の話・変な夢の話・恋愛の話と話題は尽きない。2人にしては珍しくシモネタ方面には流れなかったが、強力なツッコミ遺伝子を持つH吉くんとの会話はほどよい緊張感が楽しめる。調子に乗って一方的に支離滅裂な話をしてしまったかも。「めぐりあう時間たち」の原作者マイケル・カニンガムの小説「この世の果ての家」が面白いらしい。後で調べてみたらコリン・ファレル主演で映画化されるのだとか。ゲイ絡みの男女の三角関係が軸の話ということで興味が湧いてきた。久々に本でも読んでみようか。


06/01めぐりあう時間たち

映画の日。The Hours「めぐりあう時間たち」を観る。話題の女性映画とあってか、おばさんの友達連れが多いような。さすが主婦、割引価格にぬかりはない。内容の方はアカデミー授賞式でS.マーチンが「頭を使わなくちゃいけない映画」と言っていたがその通り。時代も場所も全く異なる三つの話が並行して語られるのだが、予想に反してそこで起こっていること自体を追うのは全く問題がない。むしろそれぞれのエピソードが時空を超えて繋がっているのを驚くほど違和感無く見せられるのは、ある種の快感を覚えるほど。頭を使うのは話の流れではなく、映画を通して観客に問いかけられる命題について。何のために生きるのか、誰のために生きるのか、女性として・母として・妻として・人間としての幸せとは、死とは…?3人の主人公は各々に悩み、迷い、苦しんで、それぞれの選択を迫られる。正しいとか間違っているとかではなく、時代や個人の状況によって選択した決断は、普遍的な意味合いを持って観ている者に向ってくる。

重く陰気な映画なのに一気に最後まで見せる勢いがあった。3人の主人公の一日の始まりが、これでもかというほどのコマ割で同時進行する導入部のスピード感を生かして、それぞれの苦悩が明らかになっていく静的な時間につながり、小説「ダロウェイ夫人」に導かれる様に展開していくクライマックスへと息もつかせず話は進行していく。たった一日の平凡なはずの出来事の中に、人生を象徴し決定するような心の動きが凝縮しているダイナミックさに圧倒される。映画のラスト近くで、それまで神の視点で3人の話を追っていたはずの観客を「あっ」と驚かせる意 外な展開がある。新たな形でめぐりあう時間の演出には見事にやられた。時代的・社会的制約から精神的追い詰められていく過去の二人と、現代に生きるメリル・ストリープを対照的に見せ、彼女にはまだこれからがあると思わせるところに重いテーマの中の救いが感じられた。それは観ている者へのメッセージでもあったのだろう。

リチャードがずっと背負ってきた悲しみの重さを思い、彼の元彼の話がクラリッサの今後にどう影響するのかを想像し、人生に区切りをつけたはずのローラがずっと名前を変えずにいたわけを考えてみる…。思いつめたようなそれぞれのキスの意味など、脇のエピソードにもその奥にあるドラマについていろいろ考えられ、分からないなりに答えを捜そうとしているうちに自分自身についても思いを巡らせてみたくなる、そんな不思議な映画だった。

余韻に浸りつつ映画館を出ると後ろにいたおばさんの団体から「食べ物を捨てるシーンが多くて困っちゃったわ」と聞こえてきた。おばさんってば、いきなり出てきた感想がそれですか…。さすが目の付け所が違うわ。クラリッサの方は自然な流れの行為だったとしても、ローラの方はそれなりに暗示的なシーンだったと思うけど、おばさんには「まぁ、もったいない。子供には見せられないわ」となってしまうのかも。かくいう僕もイケメンのヌードシーンがあった日にゃストーリー上の意味そっちのけで「もっと見せろ。前を向け。」と大騒ぎになるのだろうが。続いてOLの2人連れの会話。「あたし、この映画結構深いと思うのよぉ。」「ねー、深いよねぇ。」「そう、深い深い。」いつまでたっても話が展開しないんですけど、何牽制し合ってんでしょう。この後、果たしてこの2人は映画の内容について話が盛り上がったのだろうか。実に余計な心配である。

夕方はバスケの練習。昨日のゲームで荒れた子もちゃんと来てくれた。偉いにゃ。小人数で基礎的な練習を軽めに行なう。肉離れに懲りて全速ダッシュもしてないのに、他のみんなが流している内容にただついていくだけで一杯一杯の体力にちょっと悲しくなる。練習後の飲みの後、2丁目のBlueBloodで終電まで飲んで帰宅。ここで問題。今日の映画とかけて、ハッテン車両ととく。そのこころは「めぐりあう痴漢たち」。……。おやすみなさい。


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