本編は全18章に分かれており、かなりの長編なので、ここでは2章ずつをひとつのファイルに収めました。左側の「い」「ろ」「は」のところをクリックしてください。
原文は、当時(江戸末期)の言文一致に近い形で書かれているようで、比較的現代語に近いこともあって、会話の部分はあまり手を加えていません。当時の喋り口調が少しは伝わってくるはずです。
い | 1 ご新造さん茶碗を出す手握られて | 2 浅からぬ影を交えて梅柳 |
---|---|---|
ろ | 3 夜の花や沈吟はのちに恋衣 | 4 照る日にもぬれ色のある茄子かな |
は | 5 吹かれたらなびくさまあり糸柳 | 6 洩れる暇のありて嬉しや寝屋の月 |
に | 7 絡まって離れぬ垣の糸瓜かな | 8 数珠をくる手にも折りたき桜かな |
ほ | 9 後家お雛見るとひとしく色好み | 10 奥の院目がけてしぼる総身かな |
へ | 11 花吹雪寝屋に舞い散る絡み合い | 12 小雨降る明けの枕辺桜紙 |
と | 13 帆柱のごとくそそり立つ怒り竿 | 14 寝乱れの髪たくしあげ裾開き |
ち | 15 唐紙に耳押し付け聞く玩言かな | 16 花の腎飲むほどに気やる夫婦かな |
り | 17 玉門に登竜血しぶき散り乱れ舞う | 18 朧夜に夢見し御前睦言の |
吾妻雄兎子(梅亭金鵞)述
艶本集の扉に 戻る
裏長屋に 戻る