APBリヤキャリア

2006-01-09

APBからTSRへ

Moulton(モールトン)の自転車は Alex Moulton Bicycles が行っていますが、その廉価版と言うべき APBシリーズを Pashley が生産しています。 AM は高価なので、我々庶民は APB を買います。 一緒にするな!って人も、中には居るかも知れませんが。 今乗っている APB Terada Original は、フレームだけの状態で輸入して寺田商会で塗装とパーツの組み付けを行った物です。 なお、日本での扱いは APB、AM ともに Dynavector です。

その APB は 12年もの間マイナーチェンジを繰り返しながら生産され続けて来ました。 が、ついに生産終了となり、後継の TSR に切り替わります。 TSR は APB から大幅に変更され、フレームの形も異なります。 と言うことは、APB 用のアクセサリも APB と共に生産終了となってしまう可能性が大です。 ショップオリジナルのアクセサリ類も生産を終了している事でしょう。1

自転車は、かなり長持ちします。 今は必要なくても、将来、何が必要になるかは分かりません。 まぁ必要になったらどうにでも出来そうな気はしますが、手っ取り早く安心するには確保してしまうのが有効です。2

Rキャリアを確保

とりえあずキャリアは確保しておきたい所です。
自分にとって、荷物を積めない自転車は有り得ません3ので。

現在は KOOWHO DayCarrier を使っていますが、たまーに嵩張る荷物を運ぶことがあり、大きなキャリアが欲しくなります。 純正アクセサリに大きなリヤキャリアが用意されていますので、これを使うのが順当でしょう。 頻度が低いとは言え一応需要があるので、デッドストックになる可能性は低いような気がします。

で、いつもの寺田商会さんで注文。
APB はネイビーに塗装されていますが、キャリアは黒です。

とも色にするなら、フレームとキャリアをまとめて塗装に出さなければ、色が合いません。 塗料のロットによっても差がありますし、同じ缶の中でも使い始めと終わりでは色に違いが出るのです。 どうせ合わないんなら、黒でもいいかなと。 ネイビーも濃い色なので、そう違和感もないでしょう。 なにより、バッグで見えなくなりますから。

いつもの DayCarrier を外して寺田商会まで回送、さっそく取り付けて貰いました。
16,800円也(税込)。 意外に安い? 工賃とリフレクターをサービスしてくれました。

実際に装着してみると、色の違和感はほとんどありません。

かなり大型のキャリアですが、見た目の違和感もありません。 モールトン博士の基本要件に、前後とも車輪の上に荷物を置けること と言うのがありますが、このキャリアも荷台が後輪の真上に位置します。 この辺りが、モールトン"らしさ"と言えるかも知れません。 こう言った姿も、また良し。

車幅は増えていないのですが、意識としては「幅が広くなった」という感じです。 信号待ちのクルマをすり抜ける時などは、ちょっと気を遣います。 気のせいなので、慣れれば問題ないでしょう。

また、信号待ちなどの停車時に、腿の後ろにちょっと当たります。 そう言えば、DayBag もパンパンに詰めると腿に当たっていたなぁ。 シートポストの後ろはだいぶ余裕があるように見えますが、荷物を積むスペースには使えないようです。 なお、踵が当たる事はありませんでした。

カスタムの代償

しかし、実際に乗ってみると問題がありました。

まずリヤブレーキに違和感が発生しました。 レバーの引きに抵抗感があるのです。 また、走行中に小さな段差や路面の凹凸(工事の跡など)を越える際、カチャカチャ異音がするのです。 締め付けが甘いのかとも思い手で揺すってもガタはありません。 考えてみれば寺田商会でしっかり締めてもらったばかりなのです。

少し様子を見ながら走っていたのですが、理由が分かりました。
あろうことか、キャリアのステーがリヤブレーキと干渉しているではありませんか。

空荷の場合は問題ないのですが、乗車するとリヤサスが沈み、キャリアのステーがブレーキキャリパーの中央に接触しています。 ブレーキの引きが重いのはステーがキャリパーの動きを妨げるためですし、異音がするのはステーがぶつかる音だったのです。 これでは使えません。(;_;)

デジカメのセルフタイマーを使って2つの状態を撮影してみました。 初めて見たのですが、思っていたよりも大きく沈んでいます。 乗車状態では、ステーがキャリパーに接触しているのが分かるでしょうか。 接触しないためには、けっこう大きなクリアランスが必要そうです。

[写真: 空荷のキャリアステーとキャリパーの関係] [写真: 乗車時のキャリアステーとキャリパーの関係]

たぶん、ダイナベクター仕様の APB はVブレーキなので干渉しないのです。 同じ 20inchとは言え、ホイールを HE から WO に変更して径が大きくなっている事も影響しているでしょう。 これに伴い、ブレーキ台座(付きのブリッジ)も外側に移設されています。 そもそもブレーキの位置が、キャリアステーに近いのです。 これは、カスタムの代償と考えるべきかも知れません。

たぶん、寺田さんも知らなかったのでしょう。 そもそも、わざわざサイドプルにしておきながらでっかいキャリアを付けようなんて人が居るとは考えにくいです。 或いは、(女性など)体重の軽い人なら問題ないとも考えられます。 色々と悪条件が揃ってしまったって事…かな? ともあれ、一応お知らせせねば。

走れない事もないのですが、あまり積極的に使おうと言う気にはなれません。 本当にイザと言う時の最後の手段、的な使い方になるのでしょう。 ちょっと悲しい。

なお、この問題は解決しています(2006-03-18 APBリヤキャリア解決を参照)。

  1. ショップオリジナルのアクセサリ
    DayCarrier、Rixen&Kaulアタッチメント、アルミフェンダー、フレームコンテナ(バッグ)、キャリパーブレーキ台座、シートシム、スプリングキット、等。 APB は 10年くらい作っていたので、アフターマーケットも充実している(いた)のです。

    こういった製品は少量生産とは言え、或る程度まとまった数をまとめて作ります。 つまり、突然 APB がモデルチェンジしますと言われても、今度は在庫を捌けるかが分かりません。 メーカーと違ってショップは体力がないので、これは大問題。 消費者の立場からすると、生産終了後に(死蔵されていた)ストックを入手できる可能性が高いとも言えるのですが…。

  2. 確保して安心する
    欲しい物は、見つけたら即Get!! これが買い物の原則です。 私は「秋葉原の法則」と呼んでいます。 秋葉原では、「欲しいけど(今は)買うのを待とう」と思っていると、もう2度と買えなくなってしまう事が非常に多いのです。 その悔しさと言ったら、筆舌に尽くし難いものがあります。 自分に原因があるのは明らかなだけに、誰のせいにも出来ません。 そんな経験を重ねる内に、上記のような買い物原則が生まれるのです。

    もちろん、これだけでは物欲大王になってしまうので、「現金一括で買えない物には手を出さない」「予め調べて1週間以上考えて、それでも欲しかったら初めて買いに行く」といった原則を併用しますが。

  3. 荷物を積めない自転車
    ロードレーサーはカッコいいと思いますし憧れもあるのですが、アレは全く荷物を積めません。 パンク修理の道具はサドルバッグに、水分はボトルケージにと、最低限の積載は可能ですけど、DayBagだけでは足りないなんて言う奴の希望は満たせません。 MTB も同様ですね。 ひょっとすると、Moulton が好きな理由はこの辺だったりして。

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