14. VAIO PCG-737/5G/128 (1998/12/16)


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ついに馬鹿なことをやってしまった。内蔵HDD を 5.4GB のものに換装し、ついでにメモリも 64MB 増設してしまった。

買ったのは、IBM DATA-25400 という 12.5mm の 2.5inch HDD である。あらかじめインターネットで価格を調べていたので、自分の職場からの地理的な点を考慮しつつ T-ZONE アップグレードギャラリーで購入した。価格を調べるには、サハロフ佐藤さんのページ が一番いい。ついでに言うならば、NET de 通販 というページも便利なので見ると良い。

ノート用の内蔵HDD は基本的にすべてバルク品なので、買うことは初心者には薦められない。というか、私もハードに関しては初心者なので、買うまでにはずいぶん決心が必要だった。なにせ、価格が下落しているとはいえ、4万近くする買い物がパーになるのはブルーになる。A4 VAIO note の場合は、HDD は換装しやすいようにすっぽりと抜けるようになっているため、本体を損傷することはまず無いだろうが、元々入っている HDD を傷つけてしまうことも考えられるので、非常に恐い。

私は電気工作の経験こそ少ないものの、中学時代に作ったラジオは一発で動いた実績があり、先生にも誉められたことがある。もちろん技術家庭は 5 であった。だが、そんな私でさえ、実際に自作機とかをいじったことはないので、非常にびくびくしていた。交換作業は慎重に進められた。まず、静電気を防ぐために下着一枚になった。もちろんノースリーブである。そのあと、マニュアル通りに、手に帯電している静電気を抜くためにドアのノブに触れる。勝負はここからである。

内蔵HDD は VAIO 専用の内ケースに収められている。そんなに手軽には外せないのだが、方法さえ分かれば、たんすの引き出しのように簡単に引っこ抜ける。抜いてみて驚いたのは、このマシンは 12.7mm までの内蔵HDD を入れられるにも関わらず、初期状態では富士通の 9.5mm の HDD を入れていたことである。他の B5 VAIO との兼ね合いもあったのだろうが、いかに大量一括入荷とはいえ、B5 note にも入るような HDD を A4 note に入れるところがなんとも言えない。

それはいいとして、その次に難儀したのは、フラットケーブルを外すことである。ケーブルが短いので、元々の内蔵HDD を抜く方法が最初分からずに困った。結果的には、素直に 180度まわせばいいことに気づいて解決したが、これまでに大分HDD をいじくりまわした。このいじくりまわしたことで、知らずに怖さをあまり感じなくなっていったことが逆に非常に恐い。ともかく、そのあとフラットケーブルをぬいたのだが、このときに勢い余って、たくさんある端子のうちの端の方の 6本ぐらいのピンが紛ってしまった。これには少しブルーが入ったが、ドライバで丁寧に元に戻して自分に言い聞かせてなんとか復活した。

あとは DADA-25400 をつなぐだけだ。これは外すより簡単だったが、どうも内ケースがせまくて、ネジ穴を止めるのに苦労した。これにも 10分近く掛かってしまったかもしれない。

そしてついにあとは plug & pray (つないで祈りましょう) である。めでたく認識され、あとは fdisk でパーティションを切って、フォーマットして、付属のリカバリーCD でシステムを直すだけである。

やれやれ。実は HDD の交換前にメモリの方を先に追加したのだが、こちらの方もうまくいっている。気になるのは、増設後のメモリ表示が 127MB となることである。ひょっとすると、メモリの方は損傷して、どうかしてしまったかもしれない。ところで、さきほど Windows98 上でディスク間コピーをしたのだが、そのときに 128MB + 64MB の仮想メモリを全部使ったようである。その後、コピーが終わってからもずっと使用中だったので、これは何かのバグなのではないかと疑っている。が、徐々に減っているようだ。これはキャッシングなのだろうか。

それはともかく、これであの憎い PCG-737/A4G に勝ったのである(詳細は1. VAIO PCG-737参照)。この晴れ晴れしい気持ちはなんだろう。

だが、この気持ちは長くは続かなかった。

そもそも、128MB というメモリは必要ないみたいだった。HDD 換装前は、Windows98 がメモリ不足で動作がとろいのかと思っていたが、再インストールしてみると一応普通の速度で動くようになった。つまり、HDD だけ買っていれば、再インストール後にメモリなんで買う気は起きなかっただろう。考えてみれば、12,800 x 1.05% という金額は無駄だったかもしれない。これを自作機にまわしていたら、気楽に作れたろうに。財布に五万入っていたことが不幸である。もちろん、64MB でも足りないと思わせる元凶は Windows にある。Linux ならそんな量は必要としないだろうし、BeOS も多分同じだろう。友人は、不要な実メモリを ramdisk に回して有効利用している。興味のある人は Linux における Ramdisk の使い方 を参照するべし。

HDD は HDD で、5.4GB といってもやはり伸び伸びと使うには足りないようだった。まず、VAIO のプリインストールが約 1GB あり、そのあと Office97 や開発ツールを入れているうちに残り容量が 170MB 足らずになってしまった。まあ、このあとそうそう大きいソフトは入れる予定がないし、これ以外のソフトは圧縮ドライブにインストールする予定であるから、こんなものでギリギリちょうど良かったのかもしれない。

残りの 1GB を自分のアーカイブ用にした。これは、ソフトのパッケージや、自分で作ったさまざまなデータを入れておく。もちろんメールもここである。これは壊れてはいけないのと、小さなファイルが入るかもしれないことも考慮し、FAT32 でフォーマットした。ちなみに起動ドライブもそうした。

あと 1GB を FAT16 でフォーマットし、これはそのまま使ったらクラスタサイズが 32KB なので、圧縮ドライブ化した。これにより、ここにはインストールしたソフトを格納すると、スペースを取らずに済んで良い。ただし、パッケージが存在し、いつでも再インストール出来ることが条件である。また、Netscape のように、書いたメールやログや履歴を書くようなソフトは、起動ドライブに入れる方が安全である。

残りは 1GB ちょっとである。5.4GB というのは建前で、実は 5,400,000,000 bytes なのだから仕方が無い。残りは Linux を入れることに決まっていた。このあとの話は別の話題になるので、ここではしないことにする。

まさか 5.4GB もあって容量に難儀することになるとは思わなかった。まあそれには理由がないわけではない。家にある CD を一部 MP3 化しているからである。これで多分 400〜600MB ぐらい消費している。よく聞く音楽だけをこれから入れるとしても、やはりこれくらいは必要である。まあ 100曲ぐらいいつもあれば問題はないとは思うが。友人に頼んで CD-R 化してもらうのも良い。

まとめに入ろう。

これから HDD 換装をする人に対して助言できることがあるとすれば、やはり買うのだから、容量はなるべく大きい方が良い。サンプル出荷とかで値段が高いものは当然除外するとして、やはり予算のある限り大きいものを買った方が良いだろう。私の場合、5.4GB の上に 6.4GB のものがあったが、35,800 が、よく知らないショップでは 42,800 で信頼できるショップでは 44.800 に跳ね上がり、そうなるとやはりためらってしまうのだが、いま考えればそれも選択枝として考えても良かったように思える。もっとも、Linux を入れようなどと考えなければ十分な量ではあるのだが。BeOS を考えている人も気を付けた方が良い。ただし、換装のリスクを考えると、そんなに大きな容量が買えないのも事実である。

メモリに関しては、64MB で十分だろう。128MB あるとどう違うのかまだ分からない。Windows98 を入れるならば、96MB ぐらいあった方がいいのかもしれないが、スワップさえ確保できていれば多分大丈夫だろう。スワップは通常、ハードディスクの残り容量で決められるが、私は固定で 64〜96MB 設定しているので、たまに足りなくなることがあるのだが、ハードディスクの容量さえあるならば 128MB 以上使うことはおそらくあるまい。それから、メモリが 64MB 未満の場合は、Windows95 なら十分だが、Windows98 を使うには確実に重くなるので、増設した方が良いかもしれないが、それならむしろ Windows98 を入れない方が良い。どうしても使いたければ、別に使えないことはないのだろうが、多少遅いのも我慢しなければならないだろう。

ノートの場合は、CPU の交換が出来ないのがつらいところである。Windows2000 は、話によれば PentiumII 300 でようやく普通に使えるぐらい重いらしい。ThinkPad 600 クラスのノートを持っている人は問題ないだろうが、それ以外は多少つらいかもしれない。もっとも、OS を乗り換えないのが一番であることは言うまでもない。1999年は Microsoft の息の根が止まることを祈りたい。まあ、ソフトウェアベンダーもおそらくしたたかだろうから、Windows95 でも動くことを前提にソフトを作るので、Windows95 が Microsoft の手を事実上離れ、半ば公器化して共通プラットフォームになるのではないかと私は思う。


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