復讐者への言葉
将軍様と側近時代の二人の話
※この文中には性的表現が含まれています。読む場合は了解の上でお願いいたします。





  【4】



 ベッドに入る時は、かつてはいつでも互いに鎧を脱ぐという一仕事があったのだが、今では大抵こうして手順をちゃんと踏んでから寝ているから、余程の時でなければここにくる時は互いにラフな部屋着か寝間着、もしくは風呂から直行で裸になっているのが普通だ。

「馬鹿、服のままベッドで始めようとするな」

 ベッドに置いた彼に覆いかぶさっていけばそう言われて、セイネリアは不満そうにシーグルを見下ろした。

「別に構わんだろ、どうせ部屋着だ」
「ベッドで脱がされると服が皺だらけになるだろ」
「……本当にお前は細かいところが気になるんだな」
「お前が気にしなさすぎるだけだ」

 シーグルとしてはここから脱いで改めてベッドにといいたいところなのは分かっている。だが生憎、ここまできてまだ我慢するのは流石にセイネリアも厳しかった。

「今日は許せ、我慢しすぎて限界だ」

 言ってそのまま服を着た状態で体を合わせ、唇を深く合わせる。今日はここまで彼の言う通りにしているからこの程度なら彼の許容範囲だろうとセイネリアは判断した。だからもう我慢は終いだ。
 鎧と違って薄手の部屋着の上からなら、ぴったり体を重ねれば互いの体温を感じる事が出来る。唇を何度も合わせ直して舌を絡めて唾液を啜って、そうしながら体を擦り合わせれば彼の甘い声が鼻から抜けていく。彼の股間に膝を入れて足を開かせ、そのまま腿で彼の股間を擦ってやる。それに彼が逃げようとしたからセイネリアは体を少し浮かせて、片手で服の上から彼の胸を撫でた。

「ン……ゥッ」

 掌で探って、感じた突起の場所を執拗に撫でれば彼がもどかしそうに腰をくねらせる。それから足を閉じようとして股間を擦り上げていたこちらの足を挟んできたから、そのまま足で彼の足をこじ開けて体毎彼の足の間に入る。今度は腿ではなく股間同士で擦り合わせれば、シーグルの足はこちらの体を挟んでくる。

「馬鹿、服のままはやめろ、て……」

 唇が離れた拍子に言って来たその唇をまた塞いで舌を絡めとる。舌で彼の舌を擦ってやれば、シーグルも舌を擦り合わせてきて口の中で舌と粘膜で繋がる。

「ふ……ン……ン」

 シーグルの鼻から抜ける声が、更に高く、小さくなっていく。セイネリアは何度も唇を合わせ直しながら、その度に舌同士を擦り合わせて唾液をかき混ぜる。そのまま股間同士を擦り合わせながら舌を擦り合わせていけばシーグルの足が強くこちらを締め付けてきた。彼の手がこちらの首に回されて抱き着いてくる。そろそろ彼の意識が飛びそうなっているのを知ったセイネリアは、そこで唇を離してやった。
 呆けた深い青の瞳は扇情的で、衝動としてはこのまますぐにでも彼の中に雄をねじ込んで無茶苦茶に貪りたくなる。けれどそれを上回る『愛しい』という気持ちがあるから、衝動は押さえる事が出来た。

「愛してる」

 耳元に囁いて、目元に口づけて、それから今度は舌を出して彼の首筋から喉までを辿っていく。舐めながら鼻を擦りつけていけば彼の匂いがして唇が笑みに歪んでしまう。舌が彼の服の襟に当たって一瞬脱がそうかと思ったセイネリアは、だがそうはせずに服の上から彼の胸を舌で辿って……そうして感触で彼の胸の尖りを探し当てると、唾液をたっぷり含ませて服の上からそれに吸い付いた。

「あ……ぅ」

 シーグルが反応してセイネリアの頭を緩く掴んでくる。セイネリアは構わず服の布毎彼の乳首を吸って、擦って、甘噛みをした。完全に唾液で濡れ切った布がぺったり彼の胸に貼りつくと、今度はもう片方の乳首も同じように唾液で濡らして吸ってやる。布を吸っているのもあって少し強く吸えばちゅ、と音までして、そうすればシーグルは音でも感じるのかピクリと肌を震わせた。

――本人に見せたら絶対殴られるな。

 体を上げて彼を見下ろせば、唾液で肌にくっついた布が透けてうっすらピンク色の点を浮かび上がらせていた。流石に昼だからシーグルも寝間着ではなく部屋着を着ていたのだが、上は薄手の白の絹シャツ一枚しか着ていなかったから服の上から乳首だけが透ける様はかなりいやらしい。セイネリアとしてはとても楽しい姿だが、シーグルが知ったら恥ずかしさでキレられてもおかしくはないだろうとは思う。

「ふ、ん……ふぅっ」

 思わず再びその透けた乳首に吸い付けば、またシーグルが甘い声を上げるのだから止められなくなる。布のザラついた感触の所為で余計に感じているのかもしれないが、彼の反応が直接舐めている時より良くて、セイネリアは指でもう片方を擦りながら服の上から執拗に彼の乳首を嬲った。

「おい……馬鹿、もう……やめろ……て」

 止めてくる声も怒っているというより甘くて、震える吐息が時々途切れる様が彼が感じている事を教えてくれる。これは不味いな、と判断したセイネリアはシーグルの乳首を舐めながらも、彼の下肢の服を緩めて脱がせだした。

「あ……」

 すぐに飛び出した彼の雄を手で包んで緩く擦り上げる。
 それだけで手の中でそれがびくびくと震えたのが分かって、セイネリアはそのまま顔を胸から舌に下して彼のものを口に入れてやった。

「ば……セイネリ……ア、やだ、ソレはいいっていってる……だ、ろ」

 シーグルの手が少し強く頭を掴んでくる。だがセイネリアは構わず彼の雄を根元まで一気に飲み込んでやってから、唾液をたっぷりなじませながら唇をすぼめて絞るよように一度口から出してやる。それから今度は手で根元を擦りながら先端を舌と唇で扱いてやる。

「ば、か……やめ、やだ、はな、せ……て」

 髪を引っ張られて、それから間もなく、彼の雄は弾けた。それを口で受け止めてやってから少し手に出して指に擦りつけ、今度はその指を彼の尻の間に入れていく。

「う……」

 びくん、と彼の背が反って彼の腹筋がビクビクと動く。中に入れた指は当然締め付けられて、セイネリアはそれでもかまわず指で中を突き上げた。

「う……ん、ん、ん……」

 すぐに指を増やして抽挿を始めればその動きに合わせて彼の腹が上下する。突かれる度に上がる声はだんだんと高く、切ない響きになっていき、セイネリアも益々抽挿の速度を上げていく。
 だが……途中で気付いて、セイネリアは指を止めた。これで指だけでまたイカせてしまったら、こちらがイクまで彼に付き合って貰えなくなる。

 指を抜いて一旦体を上げれば、シーグルは何も言わず呆けた視線で宙を見ていた。セイネリアが彼に笑いかければ、物欲しげに薄く開いていた彼の唇が僅かに動く。その様を見ただけでもう耐える気など失せて、セイネリアは手早く服を脱ぐと彼の唇を貪るように口付けた。
 より深く繋がるように舌を彼の口腔内に入れる。たっぷりと唾液を湛(たた)えた口腔内をかき混ぜれば、とろとろと彼の唇から唾液が溢れて流れ落ちていく。それを啜り、また舌を擦り合わせて、そうしながらセイネリアはシーグルの残った衣服のボタンを外して彼の胸を外気に晒した。

「うん……」

 胸を撫でれば、掌に突起が当たる度に彼の体が僅かに逃げようとする。体を引いても逃げ場などないのにそんな反応をする彼にはどうしても笑みが湧く。片足を持ち上げてそれをベッドに押し付けて開かせ、自分と彼の股間がわざと触れ合う位置に合わせて体を倒していく。

「や、は、ぁ」

 股間同士を擦り合わせれば彼の呼吸が乱れて顔がぎゅっと顰められる。
 セイネリアはわざと体を揺らして股間同士、腹同士を擦り合わせた。
 シーグルはこちらに手を伸ばして肩を掴んできたが、顔を下に向けてしまったためキスが出来なくなってしまって、セイネリアは体を揺らすのを止めると自分の顔を横に寝かせて無理矢理俯く彼の唇を救い上げるようにして口付けた。

「ん……ぅ、ぅん」

 シーグルは苦しそうだが、セイネリアとしては唇を離したくないのだから仕方ない。出来るだけ彼と触れていたくて、出来るだけ彼を感じたくて。今この腕の中に彼がいるという事をどこまでも貪欲に感じたくて、彼と出来るだけ繋がりたい。唇でも、肌でも、そして雄として一番強く彼を感じられる個所でも。

 セイネリアはシーグルの腰を持ち上げる。そうして指で彼の入り口を浅く解して、そのまま自分の欲に滾った肉を押し付けた。

「ウ、ウゥっ……ッァ」

 こちらとしてはそのきつさに顔を顰めるのは最初だけで、ある程度入るとあとは押し込むだけだが、見下ろす彼の顔はずっと顰められていてきつそうだった。だから今度は唇ではなく、彼の頬や目元や額に何度も口づけて、そっとほほを撫でながら、ゆっくりと慎重に彼の奥深くへと入っていく。

「愛してる」

 耳元に呟いて瞼に口付ければ、彼が、はぁ、と大きく息を吐いてからその瞼を開く。少し熱にうかされた、けれども強い濃い青色が姿を現すとそれだけでセイネリアは溜まらない気分になって、彼の頬や目元に何度も口付けた。……衝動でいえば、唇で繋がりたくはあったのだが彼の瞳を見ていたかったので。

「セイネリア」

 シーグルに名を呼ばれてセイネリアは顔を少し離して彼の顔を見下ろす。そうすれば、少し苦しそうだが強い瞳で彼が真っすぐこちらを見つめてきて……それから彼の手が伸びてくるとこちらの両頬を挟むようにして触れた。

「いいか、俺はここにいる。俺からちゃんと望んでお前に抱かれてるんだ……だから、そんな不安そうな顔はするな、むかつくぞ」

 セイネリアは目を見開いた。だがすぐにククっと喉を震わせて笑う。

「馬鹿、笑うな。響く……」

 それで顔を顰める彼の両頬にキスしてから、セイネリアは彼の耳元に囁いた。

「今ので限界を超えた。少し覚悟してくれ」
「え……おいっ……ッゥ」

 すぐにセイネリアは体を揺らす。大きい動きではなく、小刻みに彼の奥を突き上げる。なにせもう本気で限界だったから彼の反応に合わせて動いてやる事も出来ない。

「ン……ア、ア、ア、ア……ン、あ、ぁ……」

 シーグルももう振動に合わせた声しか出せなくて、こちらの背に腕を回して必死にしがみついてくる。押さえつけられていない方の足もこちらの体に絡みついてきて、彼からこちらを求めてくれる。勿論彼の体の中は、それ以上にこちらの求めるように強く締め付けてきて、こちらの欲を欲しがってくれる。

 彼に求められて彼を強く感じて、彼も自分も互いしかないこの瞬間がなによりも好きだった。





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 今回のエロコンセプト。セイネリアがひたすらシーグルに甘えてる感じ(猫科の大型獣がごろごろすりついてきながらなイメージ)  ……を、一応意識してみました。次回はベッドでいちゃいちゃかな。



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