第三回 おじさんは怒ってるんだぞ!(VS 林真須美の死刑判決)

現代の日本で、こんなことが許されていいのでしょうか?
林真須美の死刑判決のことです。

もちろん、この後、控訴、上告となり、死刑判決は覆るでしょうから、
心配はしていませんが、それでも、問題視すべき点があります。

状況証拠だけで死刑判決が出ると言うのは、前代未聞ですが、
判決理由が、すごいのです。

「林被告以外に、ヒ素を混入できる人物はいなかった」

消去法です。消去法で、殺人犯を決めてしまった。

また、「林被告の家で同じヒ素が見つかった」というのも判決の決め手らしいのですが、
それは、林被告が「カレーにヒ素を入れた」証拠にはまったくなりません。
「林被告が家でヒ素をあつかった」あるいは「誰かが林被告の家にヒ素をばらまいた」
ということの根拠になるだけです。

あげくのはてには、

「被告人が黙秘を続けているので、動機はわかりませんが、とにかく死刑」

なんでこんな滅茶苦茶な判決が出るのかと思って、新聞をよく読んだら、
こんなことが書いてありました。

「涙を流す裁判長や遺族とは対照的に、林被告は薄ら笑いを浮かべながら退廷した」

僕がショックをうけたのは、言うまでもなく、林被告の薄ら笑いに対してではありません。

泣いているのです。裁判長が泣いている。しかも裁判中に…。
そんなやつに、公平な裁きができるわけないだろ!!!

こんな裁判官は、審査でやめさせるべきです。

そういうことを言うと「じゃあお前は、林はやっていないと思うのか?」
と聞く人がいます。
僕の個人的な感想を言えば「うーん、どうも林はやってそうだなあ」
ということになります。

でも、僕がどう思うかなんてことは、全然関係ありません!!!

そもそも、僕が感じることは、マスコミの作ったイメージに洗脳されています。
「松本サリン事件」を覚えていますか?
当初、犯人扱いされた方に対する「報道」の作ったイメージは、
今の林被告と同じくらいはっきりと「クロ」でしたが、
その後、オウムという「真犯人」が出てきたことで、
無実となりましたよね。

また、「証拠がそろわないというだけで、犯人が裁かれないのはいかん!」
という人もいます。
でも、それははっきり、まちがっています。

「証拠が揃わない」ということは、「その人が犯人でない可能性が充分ある」という
こととイコールです。
つまり「証拠がそろわないというだけで、犯人が裁かれないのはいかん!」
という意見は、言い換えれば
「犯人であってもなくても、とにかく誰かを血祭りにあげろ」
と言っているのと変わりません。

林被告は、真犯人かもしれません。
でも、はっきりした証拠が固まるまで、有罪にはしてはならないのです。
そういう穏健なルールこそが、私たちが長い歴史の中で勝ち取った、
貴重な貴重な文化的財産なのです。

近代的な裁判のできない裁判官は絶対にクビにすべきです!

おじさんは怒ってるんだぞ!




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