水 先 案 内 帳


FIRST TOPICS

☆ ☆ ☆

「今、何故ADnDなのか?」


Collum written by 東涙香


 どかーん、ばりばり。
 あそこに居るゴクリ(※)を捕まえろ!
 ボクの腰にはつらぬき丸(※)がさがっているんだ!
 私は小学校の頃、よく風邪をひいてました。お医者さんに行った後、家で寝かされている時、眠る事に飽きてしまった私の遊びは、布団をかぶって洞窟を作ることでした。ほんの小さな隙間から差し込む光、それこそが目指す入り口。私はその入り口に向かって少しずつ少しずつ前進していき、やっとの事でたどり着いたら、そこにはヒンヤリとした新鮮な空気が私を出迎えてくれます。
 不思議なもので、今ではその洞窟ごっこを机の上でやっています。使うのは布団ではなくて、ペンとサイコロ。想像力と遺伝子の記憶だけで洞窟遊びをしていたあの頃と違い、今の私にはルールブックと遊び仲間が居ます。
 闇に潜む恐ろしい怪物、勇ましい騎士、不思議な力を自在に操る魔法使い。私が持ちうる想像力の大半は、彼らが登場するファンタジーに向かっています。その先には、同じくファンタジーを愛する友人、先輩、後輩。遊びの共通言語としてTRPGを遊んでいる私にとって、一緒に遊んでいて楽しい人としか遊びたくありません。わざわざ貴重な休日を丸一日使用して、楽しめないなんて悲しいじゃないですか!
 そう、私が一緒に遊びたいと思った人達や、私が「尊敬できるなぁ」と思った方々が遊んでいたのがADnDなのです。逆転して考えてみましょう、私がADnDを選んだのは、そこで優れた人達にお会いできるからです!
 TRPGというゲームの一番重要な要素は人である。これが私の考え方なのですが、私がADnDを選んだ理由の一つとして、ADnDのサークルに参加されている方々や、DMをされている方々の中には立派な方々が多いという点をあげます。勿論、他のシステムで遊んでおられる方々の中でも、知己を頂いている方は素晴らしい人達です。ただ、私にとっての尊敬対象がAD&D系に多いと言うだけでしょう。
 勿論、ADnDを選択した理由は他にもあります。広大で多彩なワールドの数々。私が好きなのは『MYSTARA』や『DARK SUN』などですが、ADnDの小説に取り上げられている『DRAGON LANCE』や『FORGOTTEN REALMS』なども楽しくて仕方がありません。また、魅力的なクリーチャー。PCとして使用できる沢山の種族や、敵役のモンスター、妙に人間臭い神様達です。モンスターの生態についてサプリメントが一冊発売されてしまうなんて、今までの私には想像もできなかったことがらです。
 私はADnDを始めてから、実質4年です。DMの数も、プレイヤーの数も、まだまだ足りません。しかしながら、ここ最近では私よりも後からADnDを始めた方々も増え始めてきており、私が歩んできた道と同じ様な道を歩んでおられる方々が増えてきています。
 私には、ルールブックの詳しい解説や世界観の詳しい紹介を差し上げるだけの知識はありません。けれども、私の膝まで沈みながら歩んできた泥沼の道を辿って欲しいとは思いません。できることなら、みなさんには泥沼の上に掛け渡された固い道の上を歩いて欲しいのです。
 今回から書き始める、この『FIND PATH』が、みなさんにとっての固い道になってくれれば嬉しいなぁと思いつつ、ゆっくりと筆を進めていきたいと思います。
※注:どちらも『指輪物語』より。
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