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「何故ADnDをプレイするシステムとして選んだか?」


Collum written by ぐゎるま


 私の場合非常に簡単だ。私がDMをスタートした時、RPGを楽しむための要素を満たしているものはADnDしかなかったのである。それ故にこれを選んだ。単純過ぎてなんの参考にもならない。すまん。

 では、その「楽しむための要素」とは何だろう。 私の個人的見解では以下の条件になる。
 

   1)長期的な存続
   2)豊富な参考例
   3)定期的情報源
   4)イメージソース

 
 まず1)存続。つまり入手について。

 メインが数年にわたるキャンペーンである以上、一度しか生産されないような商品を採用するのは非常に難しい。せめてプレイヤーが最低限手元に置いておいた方がよいルール程度は長期的に入手できないと困るのだ。コミケで買ってきたお手製RPGを親しい友人間で試しに遊んでみるのとはわけが違うから。
 

 2)に挙げた豊富な参考例というのはつまり商品群の量ともいえよう(たくさんあればずっと遊べて安心、という理由でないのはここの読者ならお分かりだろう)。

 RPGは行うメンバーによって自由な変化を許されている。自由。これが実は難題である。時速百キロまでは自由で、百キロ超えれば赤いサイレンに追っかけまわされる暴走、などとルールがあるわけではない。ではその自由をどう測ればいいのだろう。コントロール下に置きながら、なおかつメンバーの望む状態にするにはどうしたらいいのだろう。どこまでが自由なのだろう?

 そういった際に知人のDMどうしで相談すれば一番いいのだが、それができない場合には二つしか解決策はない。

 一つ。実際にやってみること。

 二つ。参考例を探すこと。

 まぁ、そういうわけで、私の場合、出版物に参考例を求めることになったのだ。メーカー正規のものでも、コミケで見つけた同人誌でもかまわない。ルール、ワールドセッティング、モジュール内での解釈。そしてリプレイ。そういった情報ソース。これが多数あればその中から、シミュレートが可能になる(もちろんどう組み合わせれば破綻がないのだろうかという新しい問題は出るが、それは一歩高位の問題である)。自分のワールドで応用するにはどうすればいいか。どこを直し、どこを選択するか。あるいはここに至る別のルートはないか。そういったソースは多いほうが良い。自分のワールドの個性を構築するためにもこれは必須の要素である。
 

3)定期的情報源。これは雑誌なりホームページなりによる情報だ。一番簡単なのは雑誌だろう。長期でプレイングしているとマンネリしやすい。まぁ、「芸」の域に達していればそれでもいいが、実際にはだらだらしたものに陥りやすい。そこで刺激が必要になる。「あ、これ面白いな」。そう思えるだけで充分だ。「よし、こっちも頑張るぞ」とやる気を起こしてくれる情報。商品化されたような完成度はなくてもよい。新しい刺激を定期的に喚起してくれる情報源。これは必須であろう。
 

最後の 4)イメージソースは簡単に言えば文字以外の情報源だ。一番大きいものは視覚要素。つまりビジュアルだろう。表紙のイラスト。カット。ここにはMF(メタルフィギュア)も当然含まれる。あるいは音楽でもよい。文字でもルールとは関係ない小説もよかろう。自分の中にある世界観。それに響く何かがあればよい。イラストでも単にキャラの個性が分かるものよりも、周囲の調度品、家の中の様子、道行く人の服装など、世界観が分かるものがありがたい。流行りのマルチメディアの様に単に一つのストーリー、数人のキャラに集中しているものよりも、一般人の背景、いわゆる世界観が分かるものがよい。

 この4)にあたる部分を先の3)で扱うのは実はかなり難しい。なぜなら対象がDMに限られるからである。読者は当然プレイヤーの方が多いから。そのため、ビジュアル面は読みやすさ重視になり、情報量という側面は薄れるのが通例だ。この4)をクリアするのは困難な問題である。
 

 私の個人的見解ではAD&D(R)は以上4項目をクリアする唯一の選択肢であった。この他にも単純ながら「燃える」戦闘ルール、DMサイドでプレイングスピードの調節がしやすいシステムといった細かい部分を加味し、結果、ずっとこのシステムにはまっている。最初のキャンペーンをスタートしてから20年近い時間が流れたが、いまだにこれ以外の選択肢を見い出していない。ま、この歳になると新しいものを敬遠するようになるのかもしれないが。

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