別 世 界 通 信

THIRD TOPICS

☆ ☆ ☆

DM、PCにとってADnDの魅力とは何か?


Collum written by Beholder


 ふーむ…これはまた難しいテーマだね。「魅力」について語る事は論争になりえないという事を最初に強調しておこう。「HONDA製エンジンの魅力」であれ、「どのメーカー製のビデオカードの画質が優れているか?」であれ、「INFINITY製スピーカーの音質の良さ」であれ、「魅力」を数値化して語るのは困難な作業だよね?私が魅力を感じる部分を他人が同様に受け取るとは限らないし、また、それを魅力に感じる様に他人に強要、説得するのも困難だしね。ついでに言うとこのテーマはプレイスタイル論に似ているかもしれないね。「画質の優れたビデオカード」や「最もおいしい料理は?」といった設問に答えが無いのと同様に、「どのプレイスタイルが楽しいか?」にも正解は無いだろうね。

 さぁ、もしもあなたが、「なぜ私がなぜ茶碗蒸しを好きで、日本酒よりもビールの方が好きなのか」という事を聞いてみたいという人ならば、これから書く私の感じる「ADnDの魅力」も楽しく読めるかもしれないね。私の茶碗蒸し好きに文句が有る人は(茶碗蒸し要求頻度の高さを嘆く妻を除いて)、このコラムは読んでも面白くないよ。
 

 やっぱり気になるからもう一回書いておこう。あなたがB&W好きでも、INFINITYを賞賛する私の文章はB&Wをおとしめる物では無いし、あなたが#9の大ファンでも、MATROXを賞賛する私の文章はTicket to Rideの価値を減らす訳でも無いんだ。前置きが長いね。さぁそろそろ書き始めようか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 趣味や娯楽には色々なジャンルの物が有る。金のかかる物から時間のかかるものまで色々有る。週末の過ごし方には複数の候補が存在するのに、RPGを、それもADnDというタイトルを選択するのは、他の選択肢には無い魅力が有るからだろう。それではまず、私がADnDのDMをする時(99%DMでプレイヤーをする事は無きに等しい)、何が楽しくて、何が魅力でDMをするんだろうか?

 限られた週末の時間を過ごす手段として、なぜPPGを選択するのか?という理由を説明するのは難しい。私のマスタリングは、私の作成したお話を披露したり、参加者全員でストーリーを紡いだりする為に行われるのでは無いので、自己顕示欲や創造性の発露の為では無いのは間違いない。自ら自分を分析すると、私はADnDを、異様に行動選択肢の多いシミュレーションゲームとしてプレイしたい、という願望が有るみたいだ。出来れば、判定役はコンピュータか何かに任せて、対プレイヤーの敵役のプレイヤーでいたいのかもしれない。結局、プレイヤー達と知力で争うのが好きなんだろう。なぜ好きなのかって? G400の画質の良さに理由なんていらないんだよ。

 さぁ、週末をRPGで過ごす理由は何とか書くことが出来た。それでは引き続いて、数あるRPGの中からなぜADnDなのか?に移ろう。これは結構単純な理由かもしれない。上に書いた様に対プレイヤーという図式でフェアーに争うことの出来る、行動選択肢の異様に多いシミュレーションゲームの様な物、この私の要求を満たし、かつ、習得済みなのはADnDってタイトルしか無いんだよね。選択の余地が無いんで、ADnDを選んでいるんだ。

 さぁ、続いては「PCとしての自分にとって、ADnDをプレイする際の魅力とは何か?」に移ろう。ん? この文章って何か変だね。「プレイヤーとしてADnDをプレイする際の魅力とは何か?」って事にしよう。だって自分はPlayerCharacterじゃないんだしさ。私はほぼDMしかしないんで、ウチのプレイヤー達は何が魅力で私のセッションに参加してくれるのか? って事で書くしかしょうがないな。まぁプレイヤーの気持ちは他人の気持ちなんで、想像で書く事になるよ。

 小説やマンガや映画なんかのエンターテイメントの魅力的な要素を大きくざっくり3つに分割すると、

「キャラクター」
「ストーリー」
「ワールドセッティング」

の3つになると私は考えてるんだ。もちろん、映像表現や文章表現や絵、それ自体の魅力もあるけど、ざっくりこの3つに分けるって事だね。で、ウチのプレイヤーをちょっと紹介すると、プロとしてPCゲームを作っていたり、プロとしてTVドラマの脚本書いたりしてる。まぁ、知ってる人は知ってるだろうけど、それ ぞれ悪くないというか、相当高い評価を得てると思う。その世界ではだけどね。彼等プレイヤー達は仕事として「キャラメイク」したり、「ストーリーメイク」したりしてるし、当然プロとしての技量も伴っているんで、私の作成するストーリーやNPCなんか面白く無い。で、私はNPCやストーリーを作成するのは一切止めて、TSRの作成した出来合を使用する様になったんだ。でも、そんなプレイヤー達もすごい! って認める部分が有る。それが、ADnDのワールドセッティングなんだよ。大量のスペルやアイテムやモンスターや各種世界設定等を含んでプレイに使用される私のワールドセッティングは、全てのサプリメント使 用可能という私の方針も伴って、とてつもなく巨大なボリュームを持っている。世に色々なエンターテイメント作品は出ているけれど、これほどすごいワールドセッティングを持っている作品はちょっと見あたらない。ワールドセッティングが素晴らしいと言われている海外SF小説なんかと比較してみても良いけど、ボリュームだけでも500倍は有るからね。

 つまり、ウチのプレイヤー達は私のマスタリングが面白いというよりも、私のマスタリングによって提供されるADnDの巨大なワールドセッティングが魅力でセッションに参加しているんじゃないのかなぁ? そう想像してる。あ、当然ながら私の提供する戦闘も面白いよ。だって私が戦闘が好きだからね。

 でも、週末つぶしてまでして参加する理由は、たぶんワールドセッティングのすごさだと思うね。

 それじゃ今回はここまで!

[Reading the next collum]