別 世 界 通 信

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「何故ADnDをプレイするシステムとして選んだか?」


Collum written by Beholder


 私はもう10年以上もADnD以外のRPGをプレイしていないし、今でも遊び続けているのはADnDだけなのだから、プレイするRPGシステムとしてはADnDを選択していると言える。それでは、なぜADnDを選んだのか? と問われると答えに窮する。私がRPGをプレイしてきた経歴を列記していく事で答えが分かってくるのかもしれない。

■高校生時代
 私は今30歳で最初にRPGをプレイしたのが16歳の時だから、今年で14年という事になる。初期の事を振り返ってみよう。16〜18歳の高校3年間は私は名古屋にいた。当時は親和から和訳版DnDの出た頃で、仲間内で最もRPGに興味が有って、かつルールブックを購入したのが私だった所からか、自然とDMは私の役目となった。高校の友人とのセッションではDMを担当し、同時に当時名古屋では最大のDnD、ADnDをプレイしている某サークルに参加してプレイヤーをしていた。自分のセッションでのNPCを、そちらのサークルではPCとして使うという方法だった。そもそもワールドセッティング自体が存在しない自分の運営するセッションでは、延々とダンジョンハッキングのみを繰り返していた。セッションの事前準備=ダンジョンにモンスターとトレジャーを配置する事だった。

 この当時には他のRPGをプレイした経験は一切無く、ダンジョンハック以外の遊び方は知らなかった。PCが強化されていく事がDMとしての喜びでもあった。

■大学生時代
 大阪の大学に進学し、最初の1年間は大阪のRPGサークルに参加した。そこではADnDとトラベラーがプレイされており、私は当然、経験の有るADnDを選択しDMを担当した。2回生になるとほぼ同時に名古屋から友人のDMが大阪にやって来た。1年間参加したサークルから何名かのプレイヤーを得て、大学の友人もプレイヤーとして個人のセッションが開始された。

 これから大学卒業までの期間は、今思い出せば恐ろしいまでのペースでセッションが開催された。週3回はあたり前で、1回のセッションは12時間にも及ぶ。当然の事ながら、セッションの事前準備をする時間は無い。それでもプレイヤーがやってくる。プレイヤーを楽しませる為に面白いシナリオを作成する時間など無いので、短時間の準備で出来る事と言えば、ルールをどんどん追加していく事だった。英語力はあったので、ルールブックを読む事は苦にならないので、新しいモンスター、新しいマジックアイテム、新しいスペル、新しいパワー等々をセッション毎に追加していく。新しいモンスター1種で3セッションは遊び尽くすというスタイルで、事前準備は一切無し。市販シナリオとワイルダネスでのランダムエンカウント、ランダムダンジョン作成チャート、ランダムマジックアイテム出現チャートが頼りだった。

 発売され続けるルールが無ければ、この時期を乗り切る事は出来なかっただろう。私のプレイヤーからDM担当者が生まれ、その参加者からもまたDMが生まれ…学生を主体としたADnDの巨大なプレイヤーグループが誕生していた。そんなDM達にルールを紹介し続けるのが私の役目となりつつあり、DM担当者は私のセッションに参加してルールを覚えていき、自分のセッションで使用するという形が出来上がった。

 セッションでは戦闘しか行われない事もしばしばで、ADnDの戦闘の複雑さと楽しさが、事前準備を一切しない私のマスタリングスタイルを助けてくれた。「パワープレイ」はこの時期に完成した。

■社会人になって
 プレイ頻度は月に3回程度まで落ちた。この頻度では発売されるシナリオを全てこなす事すらも不可能で、シナリオさえ購入しておけば、読みながらマスタリングする事で事前準備はやはり不要だった。1本のシナリオのコンプリートに6回以上のセッションを必要とするのが普通なので、事前準備の不用なADnDというゲームは私には最高のゲームとなった。

■そして今....
 こうして振り返って見ると、私がADnDをプレイし続ける事が出来たのには2つの理由が有る。サプリメントが発売され続けるので、それを追加するだけでプレイヤーが楽しみを持続させてくれた事。戦闘が楽しく、戦闘だけでセッションが成り立った事。

 3Eでサプリメントの発売ペースが落ちると、私のプレイスタイルは維持するのが難しい。これから私はどうやってADnDとつきあって行くのだろうか? 答えはまだ分からない。

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