メッセンジャー  
 
ついにその口火は切って落とされた
99/07/17

ダビング開始。
やっとここまでこぎつけた。録音部、効果部は最早青色吐息です。ただでさえ時間がない環境だというのに、今回の音響システムはあろうことか、SR−D!
フィルムに刻まれたタイムコードを読み取って、多チャンネル録音されたCDが同時再生され、劇場の四方八方からクリアな音が3次元的に飛び交うというアレです。

なにもこんなひっ迫した状況下でやらなくても・・・とも思いますが、自転車が車の列を駆け抜ける時の「ビュン!」っていう音が前から後ろへ突き抜けていくのを聞いたりすると、どうゆう訳かヨレヨレの体が奮い立ってしまいます。これも、この世界に生きる者達の悲しい性・・・

今回、効果を担当されるのはド派手な音創りで高名な柴崎さんです。
鉄格子の閉まる音が、ウイグル獄長が閉めたような音になってしまいます。
僕個人としては、そのままの音のほうが好きなのですが、いつも「それはちょっとヤリ過ぎでしょう」ということになって抑え気味になってしまうのが残念至極です。
一刻も早く、柴崎さんの音に見合う映画が創られることを期待して止みません。

本日のワンポイント

やっぱり草g君が登場するシーン。SMAPが唄う『SHAKE』のイントロにも似た本間さんの音楽に乗せて、小気味良く登場するあたりは、なんかイイ感じです。

シーンナンバー
TOP S#28(病院の廊下) 1378F14k
S#29(警視庁・外景) S#44(横田の部屋) 1169F12k
S#45(TOKYO特急) S#72(バス・俯瞰) 1530f10k
S#73(P'sダイナ) S#83(シティバンク) 855F10k
S#84(セルート) S#100(安宅物産) 1741F01k
S#101(P'sダイナ) S#112(TOKYO特急) 1255F00k
S#113(成田空港) S#154(国道15号) 1429F04k
S#155(泉岳寺・トンネル) END 1230F07k

今日は、小手調べということもあって1巻だけで終わってしまいました。与えられた猶予は5日間。あと4日で7巻をこなさねばなりません。にゅにゅにゅ・・・
99/07/18

ダビング2日目。
2日目といえば、多い日も安心の・・・
ドスゥッ!
げふぁっ!・・・・・し、失礼しました。

今日のノルマも1巻。
ぬおっ、大丈夫か?このペースでっ!
そして、嬉しいことにダビング最終日は、なんと多摩川花火大会が催されることが判明。むひょ、ポンヌフかっ!
日活の位置する場所はモロ射程距離内で、ダビングルームの防音障壁はまるで役に立たないそうです。

本日のワンポイント

上のイラストかな。どこに出てくるかは見てのお楽しみ。とても気になります。

                オジサンオジサンオジサンオジサンオジサン

シーンナンバー
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S#29(警視庁・外景) S#44(横田の部屋) 1169F12k
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S#73(P'sダイナ) S#83(シティバンク) 855F10k
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S#155(泉岳寺・トンネル) END 1230F07k

尺の欄に書かれてある数字はフィート数とコマ数です。35ミリフィルムの場合、16コマで1フィートになります。1秒が24コマですから、さて、1巻から8巻を足した『メッセンジャー』総上映時間は・・・・・
がんばっていきまっしょい
99/07/19

3日目。
折り返し地点です。
今日は2ロールこなして21時終了という、まずまずの成果を上げることができました。
とはいうものの、録音部、効果部は終了後も作業を続け、残りの巻の音の仕込み、下ごしらえをこなさねばなりません。
しかも、録音の中村さん、効果の柴崎さんは『メッセンジャー』のダビングが終わり次第、東映に待ち構えてる原田眞人監督作品『金融腐蝕列島/呪縛』のダビング作業にスライドしていくそうです。
作業中の二人に目を移すと、どうやら、少しづつではありますが虎になる時間が増えてきているようです。
そのうち、「俺が人間でいられるうちに・・・」と、中国の昔話さながらに迫られてきそうです。

本日のワンポイント
携帯
携帯電話です。この映画は、劇中、携帯電話がやたら鳴り響きます。ご覧になる方は「やべっ!携帯の電源切り忘れた!」と、慌てふためかぬよう心の準備をしておきましょう。


シーンナンバー
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少うしだけ先が見えてきました。
JUDGEMENT DAY
99/07/20

今日、僕達はひとつ上の高みに登りました。

朝、いつものようにダビングルームへ顔を出すと、なにやら人だかり。輪の中に割って入り、そこにあるものを見ると、ダビング用コンピュータを分解しています。

呼吸を落ち着け、目を閉じ、心を落ちつかせます。
そうすると、ほら!
澄んだ空と白い雲が見えてくるでしょう?
耳をすませば、小川のせせらぎや妖精たちのヒソヒソ話が聞こえてきますよ・・・

「初期化しないとダメだな、こりゃ」
「OSからインストールしなおすか」

・・・・・かくも現実は情け容赦がありません。みんなの顔も心なしか、『まんが日本昔話』のオープニングで竜の上に乗っている子供のような顔をしています。

まあ、幸いにして、これまで働き通しだった録音部、効果部は、これに乗じて仮眠をとることが出来たのですが、作業が再開したのは日もトップリと暮れた19時!痛し痒しレベル10といった感じです。もう、何が起こっても怖いものはありません。

本日のワンポイント

ハットリ君です。何故にハットリ君?これまた映画を見てのお楽しみ。答えは結構ベタなんですけどね。



シーンナンバー
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あともうチョイ!
振り出しに戻る
99/07/22

いつものように愛車Dioにまたがり日活へ向かうと、突然の夕立。さらにはどしゃ降り。雷の合いの手も加わり、今日の作業の先行きを暗示しているようです。

すっかり濡れ鼠となりギュッポギュッポ言わしながらダビングルームへ到着すると、案の定、作業は中断しておりました。
結局、復旧の見通しが立たないため、急遽、これまでダビングしたものの中で気になっていた巻をリテイクすることと相成りました。

一方、突然の豪雨で決行が危ぶまれていた花火大会は、無事、開催されることになり、この日のために花火職人さんが腕によりをかけてこしらえた尺玉達が、心待ちにしていた観衆に、とっておきのおもてなしを披露していました。なんだかとっても楽しそうです。

き〜み〜が〜いた夏〜は、遠い〜夢〜の中〜

本日のワンポイント

ダビングリテイクによって、幻となったヴァージョンでしょう。確かにリテイクしたことによって、良き方向へ向かうことになったんですが、リテイク前のものも、あれはあれで良いところもあったんですけどね。お見せできないのが残念です。

シーンナンバー
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変わらずです。おかげでダビング1日延長になっちゃいました。明日こそ!
強者どもが夢のあと
99/07/22

さあ、いよいよ本当に待ったなしです。
ここから先、1日でも延長しようもんなら劇場公開そのものが危ぶまれます。スタッフはそれぞれに何かしらの不安を抱きつつも前へ前へと歩を進めます。

マシントラブルに見舞われることはありませんでしたが、なにぶん、クライマックスとなる巻だけに、妥協を許さぬ試行錯誤が繰り返されます。

そして、23日の午前1時。
『メッセンジャー』のダビングは長く激しいその道のりに幕を降ろしました。

今、万感の想いを乗せて汽笛が鳴る・・・
今、万感の想いを乗せて列車が走る・・・

まだ、トラックダウンやネガ切りなど、諸々の作業が残ってはいますが、これでひと段落と言っていいでしょう。

『メッセンジャー』は僕の中では、多くの課題、教訓を残す作品となりましたが、今はもう、何も言うことはありません。達成感と開放感で思考回路は半ばスクリーンセーバー状態です。

これから先の『メッセンジャー』は、僕たちの手を離れ、観客のモノへと移り変わっていきます。そこでどうゆうジャッジが下されるのか、気になるところではありますが、ここはひとまず24時間睡眠にチャレンジしたい次第でありま・・・・・トゥルルルル、トゥルルル、ガチャ「はい、上野です。えっ、仕事?ええ、はい、体は空いてますが・・・場所は?えっ、銀座?はぁ、まあ大丈夫ですが・・・モノはなんなんですか?えー!テレビゲーム!?」

本日のワンポイント

なんといってもクライマックスでしょう。中でも、ライバル役の京 晋佑さんの活躍。僕はこの役者さんを目にするのは初めてなんですが、なかなかいい味を出してます。

シーンナンバー
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S#113(成田空港) S#154(国道15号) 1429F04k
S#155(泉岳寺・トンネル) END 1230F07k

いやあ、終わりましたねぇ。この『メッセンジャー』ダビングシリーズのコメントをアップしていた時は、いろんな人からメールでエールをいただき、とても励みになりました。ありがとうございます。『メッセンジャー』を観に行く予定のある方は、是非、感想などを聞かせてください。スパイシートーク大歓迎ですよ。
 


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