このエッセイを始めた当初はすっかり「過去の趣味」と化していた野球だが、いまではかなり頻繁に観戦するようになった。テレビで観戦するだけではなく、今年に入ってからはかなりの頻度で球場に足を運んでいる。野球を見る余裕ができたと言うことなのか、単に逃避しているだけなのかは定かではない。セリーグの方は特に肩入れするチームはなくなってしまった。昔は広島をひいきにしていたが、特に好きだった津田投手が亡くなってからなんとなく遠ざかってしまった。今はよく見るのはパリーグである。近況や掲示板の書き込みを見ればわかると思うが、わたしのひいきは千葉ロッテマリーンズである。今年はついにファンクラブにまで入ってしまった。
昔からロッテはなんとなく気になっていた。きっかけは、小学校の頃か中学に入ってからだったかは忘れたが、新聞の野球欄で自分と同じ名前の選手を見つけたことであった。しかも４番。成績はあまりぱっとしなかったが、応援する理由というのは成績の善し悪しではない。ともかく、テレビ中継がないので試合こそ見られなかったが、新聞やテレビのスポーツニュースでロッテが勝っているを見るとうれしかった。千葉にロッテが来ると聞いたときは本当に喜んだ。試合は見に行けなかったが。
大学に入ってからは野球自体から遠ざかっていて、勝ち負けどころか順位どこのチームが強いのかさえも知らない状態が続いた。ところが去年、自分がロッテファンであることを思い出させる出来事が起こった。そう、あの18連敗である。卒論やらなんやらで試合は見に行けなかったが、それでも試合結果は気にするようになった。去年は結局最下位だったが、やけにならずによく戦ったものである。
そして今年。３月にオープン戦で初めて千葉ロッテの試合を見た。外野スタンドの熱心な応援が印象的だった。そして、一度試合を見てしまったら、新聞やスポーツニュースだけでは満足しきれなくなった。やはり野球の試合はリアルタイムで見るのが一番だ。そして、試合中継のなかなかないロッテ戦をリアルタイムで見るには、球場に行くしかない。だからわたしは球場に行く。応援はおまけのようなものだ。
最近、駅や電車の中で携帯電話を使っている人をよく見る。本来の使い方である通話をしている人もいる（しかしこれはかなり迷惑）が、多くは携帯電話を使ってショートメールを送受信している人だ。ちょっと前まではほとんど見かけなかった光景であるが、今ではあたりまえのようになっている。携帯電話のショートメールは、携帯の利用方法を一変させてしまった。もちろんまだショートメールに対応していない機種を使っている人も多いし、各電話会社間の互換性がほとんどないという致命的に不便な点もあるが、それでもこのショートメールはかなり使える。送れる文字数にはかなりの制限があるが、いつでも送信できる、相手の携帯の電源さえ入っていれば確実に受信される、という利点は欠点を補うには余りあるものだ。相手の都合のいいときに読んでもらえる、という電子メールと同じ利点もある。
かくいうわたしも、携帯のショートメール機能にはかなりお世話になっている。ちょっとした用事であれば、電話よりもショートメールですませてしまう。いや、ちょっとしない用事でもショートメールだ。かなり前にもこのエッセイで書いたが、わたしは電話が非常に苦手で、ここ数ヶ月は普通の通話料金よりもショートメール料金の方が高くなっている。必然的に同じ会社の携帯を使っている人の方がコミュニケーションが増え、仲良くなりやすい。
携帯電話の音質というのはけっこう悪い。電波状態が悪いと通話中に音声がぷつぷつ切れてしまう。わたしも聞き取りにくいところを何回も聞き直してしまったり、聞き間違えをしてしまったりすることが多い。最近では通話品質をかなり向上させたCDMA方式の電話も増えてきているが、通話の相手が従来の機械を使っているのではあまり効果はない。その点ショートメールだと言葉の受け取り間違いという事態は発生しにくい。周りがうるさい中でもメールなら読める。こういうこともわたしが通話よりもショートメールを使う理由になっている。
しかしショートメールに頼りすぎると、急ぎの連絡の時などに失敗してしまうこともある。以前、そのために友人と合流するのに苦労してしまうことがあった。やはり電話は電話ということで、ある程度の使い分けは必要なのだ。
最近はわたしが使っている電話会社のショートメールの調子があまり良くないようで、時間帯によってはまったく送信できないこともある。同じ会社の携帯を使っている人も同じことを言っているので、わたしだけの問題ではないようだ。おそらくユーザーの急増にサーバが追いついていないのだろう。相変わらず他社の携帯とはメールのやりとりができないのも困ったものである。早いところなんとかしてほしいものだ。
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