日替わりげしょ定食

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1999/6/2 228 わたしも気をつけます (テーマ:迷惑)

前にテレビでどこかの女子高生が、遊び回ったり下着を売ったり援助交際したりする理由として、「誰にも迷惑をかけていないからいいんだ」と言っていたのを見た覚えがある。おもしろいことを言うものだ、とわたしは思った。彼女は自分の行動が誰にどのような迷惑をかけているのか、正確に理解しているつもりでいるらしい。でなければあんなセリフは言えない。

そもそもなぜ他人に迷惑をかけてしまうのか。それは、自分が他人に迷惑をかけるかどうかがわからないからである。もちろん、他人の親切に甘える、という意味で迷惑をかけてしまうことはあるが、そういう例は割合的には少ないだろう。逆に、人のためを思ってやったことでも、その人に迷惑がかかってしまうということすらある。自分の言動が他人にどのような影響を及ぼすか、そんなことはやってみないとわからないのである。やってみてもわからないことすらある。

インターネットの世界では、やってみてもわからない、ということが特に多い。チャットやメール、BBSの世界では、文字だけですべてを表現しなければならない。メッセージを受ける相手からしてみれば、受け取った文字情報がすべてである。不用意な発言をすると相手に不快感を与えてしまい、相手に不快感を表明されると、自分は悪いことをしていないはずだと思っている場合はさらに不愉快にとられる発言をしてしまいがちだ。ネット上の喧嘩はこうして起こる。また、いやなことを言ってくる人がいても、性格上注意できず、そのうち相手の言動もエスカレートしてきて、そのうち耐えきれなくなってネットを離れる、などということもあるそうだ。

迷惑をかけてしまうこと自体は仕方がないであろう。問題は、自分が迷惑をかけるはずがないと勝手に確信すること、迷惑をかけて注意されても自覚をしない、あるいは自覚しても謝ったり改善したりしないという姿勢である。常に自分の言動が誰かに迷惑をかけてしまう可能性がある、と考え、そして迷惑をかけてしまった場合は素直に謝り悪いところは直す、という姿勢が必要なのだ。もちろん、誰がどう考えても筋が通っていないような苦情には、きちんと反論すべきだ。この場合、あなたは迷惑をかけられているのだ。



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