東京徒歩旅行 pt.7(葛飾〜江戸川編) 柴又〜葛西


「寅さん記念館」というと,スコールを思い出すことでしょう(^_^;)

写真は,スコール直前の柴又帝釈天です。



7/1/1999 柴又〜葛西

[柴又 → 小岩 → 新中川・健康の道 → 新堀 → 瑞江 → 葛西 (曇りのち晴れ,スコールあり)]

# 7-1
6月は梅雨ということで,天気が心配になるわけですが,案の定よい天気の日は会議とか打合せが入っていて,
「晴れたら行くぞ」というときは天気が崩れてと,足並みがそろいません。
こうなると,このことが原因で何となくイライラするという・・・ 6月末は非常に困った状態になりました。
月が明けて7/1(木)は午後のスケジュールは白紙。曇り空ながら,朝の天気予報で「午後から晴れ,雨の確率0%」と出たもので,
「待ってました」と,7度目の「東京徒歩旅行」の実行と相成りました。

# 7-2
今回の行程は,全国区の観光地ともいえる葛飾柴又から,江戸川区の葛西までの予定です。
葛飾区,江戸川区,墨田区,江東区の4区は,郡部の頃は南葛飾郡というまとまりで,江戸時代以前は国も下総(Shimofusa)でした。
国技館がある両国という地名は,隅田川にかかる武蔵(Musashi)と下総の二つの国にまたがる橋(両国橋)を由来としているわけです。
そんな歴史のせいか,旧南葛飾郡の4区は墨東(Bokutou)という区切りでまとめられることがあるようです。
墨東(正確には墨にさんずいが付く)というと隅田川の東ということなのですが,何となくノスタルジックな響きがしますね。

# 7-3
柴又へは,都営浅草線の日本橋を起点に,京成本線京成高砂で金町線乗換えで行きました。
日本橋から京成高砂までは22分ほどで着いたのですが,京成金町線は昼間1時間に3本というペースで,
結局36分もかかったのかな。いや,柴又は思いのほか遠いところです。
柴又駅前広場にこの秋できる予定の旅立つ寅さんの銅像は見当たらなかったのですが,
西新井大師とは違って柴又帝釈天(日蓮宗題経寺)には,平日の昼間ながらカメラを片手の観光の人がたくさんいました。

# 7-4
帝釈天の南隣には,「山本亭」という大正から昭和初期の実業家の邸宅があり,
葛飾区の施設として公開されているのでここに入ってのんびりしていると,屋敷を出たところでぽつぽつと小雨。
「はて?」と思いながらもだんだん雨が強くなるもので,さらに隣の「寅さん記念館」(ここも区の施設)に逃げ込みました。
記念館には,セットがあったり,名場面集の映像があったり,ポスターがあったりで,なるほど寅さんのオンパレード。
夕焼けでも似合いそうな気分で出口の扉を開けると,強烈なスコールの出迎え。しばし絶句。

# 7-5
折りたたみの傘もなく,記念館の上の公園のベンチでふてくされることしきり。江戸川も帝釈天も,雨にかすんで遠くに見えます。
「中止して帰っちゃおうかな」とも思ったのですが,根気よく小降りになるまで待って,近くのコンビニでビニール傘を購入。
天気予報もあてにならないものです。北総線の新柴又駅に着いたときにはもう3時半になっていました。
新柴又駅はできてそれほど経たない(1991年開業)上に列車の本数が少ないので,からっ風が吹いています。
幸い江戸川区は北小岩に入ったところで雨は上がったので,京成本線は京成小岩駅前のスーパーで靴下を買って履き替えました。

# 7-6
しばし歩いてJR総武線の小岩には,仕事の縁で何度か来ているのですが,これまで歩いてきた街と比べても賑やかです。
戦後すぐの頃の名横綱栃錦関の銅像が頑張っているあたりが,この街の気質をよく現しています。
駅南のアーケード付きの商店街(フラワー通り)は,なかなかの賑わいを保ちながら延々1km近くも続いていました。
途中かつおぶし専門店の隣に「にゃんこ」という飲食店があり,これには思わずにんまりしました。
駅北には,「にゃんこ先生」というスナックがあったりで,小岩にはネコ好きな人が多いのかもしれません。

# 7-7
時間が押していることもあって,千葉街道(R.14)からは南西に向かって,葛西へ一直線に続く新中川の堤(健康の道)を歩きました。
この川は,葛飾区の青砥で中川から分流して,江戸川区江戸川で旧江戸川という江戸川の分流に注ぐという川なのですが,
位置付けも規模も中途半端なようで,堤沿いには柵があるわりに,船宿を含めてたくさん船が留まっていたりします。
開放感でいうと今いちなのですが,陽が出てきたので,傘を置いて上機嫌となりました。
江戸川区立の施設には,マリンブルーの統一色に「松本小学校」などの名前が明記されており,なじみやすくて好感が持てます。

# 7-8
「健康の道」は,クルマも通らないし,見晴らしはよいし,車道とも立体交差になっていて快適といえば快適です。
しかし,たとえば東松本に続く鹿骨(Shishibone)には,ホオズキやアサガオを作る園芸農家もあるらしいのですが,
堤からではそんな風情はわかりません。結局大杉橋を越えて,新堀(Niibori)から堤を降りて家並みの間を歩くことになりました。
しばし歩いてぶつかった京葉道路(新R.14)沿いに「地下室展示場」という怪しい建物を発見。
どうも隣接する工務店に付属する建物のようなのですが,ドアを開けて覗き込んでも人気はなし。さすがに階段は降りれませんでした。

# 7-9
京葉道路と首都高小松川線を渡った春江町,瑞江あたりは,風呂屋の煙突がよく似合う下町です。
江戸川区内の都営新宿線の地上部分は船堀だけで,営団東西線に比べると地味な感じもするのですが,
私が立ち寄った瑞江駅は,かなり大規模でバスロータリー,商店街に,ビジネスホテルまでありました。
東西線(1969年,西船橋まで開通),都営新宿線(1986年,篠崎まで開通),さらにJR京葉線(1990年,東京まで開通)と,
江戸川区は,新線の開通により多いに恩恵を得ているようです。

# 7-10
瑞江駅から清掃工場らしい高い煙突を見ながら南に進むと10分ほどで旧江戸川の堤に到着。対岸は千葉県市川市です。
この辺りの川は海もすぐそばで,港のような雰囲気があります。しかし,日暮れも近いので急ぎ足に堤を行きます。
江戸川4丁目は今井という古い地名のほうが似合う旧江戸川と新中川の合流点。ここには交通公園と水上バスの港があります。
新中川を瑞穂橋で渡り,江戸川5丁目は町中を歩き,新川の橋でまた旧江戸川の堤に戻り,妙見島(旧江戸川の中州)を左手に見て,
葛西橋通りを渡って,オフィスの同僚が住むアパートの前を通り,営団東西線の葛西駅には7時20分頃到着しました。

# 7-11
葛西駅には環七の真上にある高架駅で,先のオフィスの同僚のお父さんのお葬式で一度来たことがあります。
「地下鉄博物館」のほうからエスカレータを上ると,大手町方向のホームに行ける専用の改札口を発見しました。
「博物館の便宜としては贅沢だなあ・・・」と思いながら,居酒屋探しタイムとなります。
環七より西側には行かず,高架の南側エリアに的を絞って探したところ,
駅に着くまでに目についた,お店の前で焼き鳥のテイクアウトをやっている居酒屋「波」に入ることになりました。

# 7-12
「波」には,焼き鳥のところに店主らしいおじさんと,カウンターの中に女性がふたり。
入口から奥の座敷の窓が直線状になっていて,風がよく通りよい雰囲気です。
TVの近くのカウンター席に座り,ビール,冷奴,冷やしトマトを頼みます(いや,夏らしい・・・)。あと,焼き鳥も少々。
お店には長嶋さんのポスターなど,ジャイアンツグッズがたくさん飾ってあります。
あと,ファービーという電子ペットがいて,この人形と遊んで常連さんとの会話ができました。

# 7-13
この日の野球は巨人−ヤクルトで,巨人は負けたのですが,勝ったときの盛りあがりは容易に想像できます。
試合が終わってから葛西の名物を伺うと,「地下鉄博物館」,「葛西臨海公園」,酒のディスカウントの「河内屋」に加えて,
ツナミナ(コマツナの背を低くした植物で,おひたしにして食べる),(篠崎のほうなら)風鈴,金魚などいろいろ挙がりました。
昼間に柴又から歩いてきたというと,「寅さんみたいだねぇ」と受けてしまいました。
ニュースでは,葛西で1週間前から行方不明だった小学2年生の女の子が無事見つかったということで,明るい話題です。

....

# 7-14
店主(尾形さん)は銚子の出身ということで,魚料理も美味そうです。
奥さんに,「深川めし」というお隣りの江東区門前仲町の名物の情報をインターネットで送ってもらう約束をして,
お店を出たのが11時少し過ぎ。ビール,サワーなどトータル5杯飲んで,3300円は割安感がありました。
駅に戻ると,地下鉄博物館の入口は閉まっていて焦りましたが,環七を渡ったメインの入口もそれほどの距離ではありません。
西船橋に出て,武蔵野線は12時1分発東所沢行最終電車で,無事南浦和に帰りついたのでした。


●歩行距離 約16.6km
●時 間   約4時間50分(中断1時間)

最高気温 (平年) 最低気温 (平年) 湿度
28.1℃ (26.1℃) 21.1℃ (20.0℃) 92%


区間キロ 総キロ  ポイント 区名 備考
0.0 0.0  柴又駅 葛飾区 京成金町線
0.3 0.3  柴又帝釈天 葛飾区  
0.4 0.7  柴又6丁目・寅さん記念館 葛飾区 江戸川
1.1 1.8  新柴又駅(区境) 葛飾区 北総開発線
1.2 3.0  京成小岩駅 江戸川区 京成本線
1.5 4.5  小岩駅 江戸川区 JR総武線・蔵前橋通り
0.9 5.4  南小岩7丁目・小岩駅入口 江戸川区 千葉街道(R.14)
0.4 5.8  南小岩4丁目・二枚橋 江戸川区 千葉街道(R.14)・(新中川)
1.6 7.4  鹿骨1丁目・大杉橋 江戸川区 新中川
1.1 8.5  新堀1丁目 江戸川区 京葉道路(R.14)
0.6 9.1  春江町3丁目 江戸川区 (首都高小松川線)
1.9 11.0  瑞江駅 江戸川区 都営新宿線
1.1 12.1  江戸川3丁目 江戸川区 旧江戸川
1.4 13.5  江戸川4丁目(今井)・瑞穂橋 江戸川区 旧江戸川・新中川
1.1 14.6  東葛西1丁目 江戸川区 新川
0.8 15.4  東葛西5丁目 江戸川区 葛西橋通り
1.2 16.6  葛西駅 江戸川区 営団東西線・環七





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