17. さまざまな順位 (1999/1/2)


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あけましておめでとう。これを書いているのは 1998/1/2 の朝である。ノートブックの良いところは、色々な場所で使えることであるが、いまコタツの上で書いているとその良さを実感できる。テレビを見ながら使うこともできる。

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去年は色々なノートブックが出た年だった。特に B5 ノートと呼ばれる製品がブレイクした。一昨年の VAIO の成功を受け、各社が必死で準備してきた製品がようやくリリースされたのだろう。まず今回は、去年出たノートパソコンで私が良いと思ったものを順位付けしてみたいと思う。

一位は Panasonic Let's note ace/41 だろう。特徴として、ほぼ B5 サイズのボディに CD-ROM ドライブを内蔵し、かつ液晶も XGA である。それでなおかつ薄くて軽い。すばらしい。このノートが半年早く出たなら私はこれを買っていただろう。もっとも、私は Panasonic が大嫌いなので、それでも迷い文句をつけながら買っただろう。なぜ嫌いなのかはあとで書くことにする。

二位は Panasonic Let's note comm シリーズのカメラ付きモデルである。このマシンに付いているカメラはもはやデジタルビデオカメラと呼んで良いだろう。デジタルビデオカメラは単体で 20万円近くするのだが、この機種は 25万でデジタルビデオカメラとパソコンの両方を装備し、相乗効果まである。カメラで撮った映像をパソコンで編集できるし、保存したり送ったり素材として使用したりできる。

三位もやはり Panasonic で Let's note S21 系である。この機種のバランスの良さは素晴らしい。決定的な材料はバッテリーの使用時間ぐらいであるが、コストパフォーマンスといい実に良い。

つまり、私の価値基準からすると、去年のノートパソコンは松下の圧勝である。ただ、この会社はじっくり製品を練ったせいか、それとも単に出遅れただけなのか、製品が熟するまでに時間が掛かった。去年全体を見て「ノートパソコンが成熟した年だった」と言う人が多いので、去年で製品を熟させた松下はむしろ時流に沿っていたのかもしれないが、これらの製品群が半年早く出たら、シェアは全然違ったものになったかもしれない。いや、これは単なる予想だし特に根拠はない。私自身の購入時期を私が考えすぎているからかもしれない。

ところが面白いもので、アメリカでのノートパソコンの評価は、もっぱら東芝に向けられているようである。たとえば、クラス最軽薄の portege 3000 シリーズだとか、クラス最高性能の tecra シリーズだとか、クラス最良のコストパフォーマンスの satellite シリーズだとかが評価されているようである。ほかに Libretto シリーズも評価が高そうである。私に言わせれば、これらのノートパソコンはバランスが悪い。使用用途を限ればどれも素晴らしいのかもしれないが、個人用ノートはとにかくバランスが重要であるように思える。ノートを何台も持つような人は少ないし、何台も持っていてもデータの一貫性を保つのが難しい。どんな用途にも可能なノートパソコンなどというものはいまのところありえないのだが、ある程度の範囲でバランスの良いことは不可欠な条件である。

東芝は恐らく企業ユーザに受けたのだと思う。もっとも分かりやすいのは、省スペースデスクトップとして使える tecra だろう。デスクトップに引けを取らぬその性能は素晴らしい。が、個人が省スペースに対して払える金額を超えている。portege 3000 シリーズは私も悩んだが、バッテリーの持続時間が短く、しかも造りが弱そうで値段も高かったのでやめた。まあ、私が購入の対象としなかった理由は実はほかのことが大きいのであるが、値段が下がったいま、この機種はある種のバランスの良さを低価格で得られるということで素晴らしいと思う。が、東芝のこの戦略はあまり得ではないだろう。せっかく薄くて性能の高いパソコンを作ったのに、決め手が「他社より数ミリ薄い」というぐらいでは消費者を決定的にさせることはできないのである。むしろ、なんらかの付加要素を付けて少し高く売ることが利口なのではないかと思う。

VAIO を生み出した Sony だが、VAIO は私にとってみればそんなに魅力的ではなかった。雑誌の評価で常に「タッチパッドが使いにくい」といわれていた PCG-505 シリーズは、デザインの良さだけで最後まで私の購入候補に残っていたが、ただそれだけだった。雑誌からあまり注目されなかったスタンダードなノートブック PCG-7xx,8xx シリーズは、私は最終的にこれを買ったのであるが、決定打は「コストパフォーマンスの良さ」だけだった。もっとも、買ってみればわかる良さもあるが、この良さを加えると他社製品に不利になるのであまり考えないことにする。ちなみにその良さは「造りの良さ」である。

PCG-505RX は私の上司が持っている。ちなみに彼は、VAIO フェアのときにもらったヘリウム入りの風船を自分の机に上げていて、傍から見て笑えた。RX は 10inch で XGA を装備するという野心的なノートなのだが、やはり見にくそうである。多分、私が RX を買ったら、見にくいなとは思うものの、それでも満足するだろう。オーナーの評価は、常に購入希望者とは異なるものである。少なくともこのラインナップ自体は評価できる。

私はトータル性能とコストで自分の買うパソコンを決める。それは時代の流れにまったく関係がない。たとえば、この VAIO の前には FM-TOWNS を買ったのだが、NEC の PC9801 全盛のなかでわざわざこのパソコンを買ったのは、ずばりトータル性能である。CD-ROM ドライブを標準装備した世界最初のメジャーなパソコンだと思う。いまではどのパソコンにも CD-ROM があり、OS も CD-ROM での供給以外に考えられなくなっている。ただ、富士通は何かを誤ったのだろう。MS-DOS や Windows が使えたのはいいが、98 には勝てないし、そのあと 98 ともども DOS/V 機に駆逐されてしまう。

ノートブックを買おうと思った私が最初っから選択枝として考えなかったのが、その富士通である。なぜなら、すべての機種が重くてやぼったかったからである。ところが、年末になってようやく薄くてかっこいいノートパソコンを出してきた。A4 型であるが、薄くてデザインもシックである。ただし、割高なのが難点である。液晶も XGA できれいである。笑えたのは、私の職場で長いこと大阪に行っていた人が、帰ってきたときに持ってきたのがこの機種である。どういう判断基準でこれを買ったのか知らないので、機会があったら聞いてみたいと思っている。ちなみに、この機種が出る前のやぼったい機種を持っているのが、私の先輩でプロジェクトを仕切っているNさんである。ごっついカバンで取引先などに持っていって大量のデータをやりとりするのに役立っているようである。MO とか使えばいいのにと思うのだが、相手先にメディアドライブが無いことがあるかもしれないので、これが一番確実な方法なのだろう。だが、普段は職場に置いて、ノートなのにドキュメント管理のサーバーにされているようである。

そういえば、先の富士通の薄型は、IBM の ThinkPad 560X の液晶を SVGA ではなく XGA にしたようなものである。560X といえば、最後まで私が VAIO PCG-737 と迷った機種である。この機種の良さは「スマートさ」に尽きる。ただし、この機種は大した特徴がない割に割高だった。IBM は企業相手に殿様商売をしているとしか思えなかった。恐らくショップは高く仕入れすぎたので、高く売らざるをえなかったのだろう。当時でも 32MB のメモリしかない機種をいつまでもラインナップに残していたのだから、怠慢もいいところである。IBM はそれまでの優位性を生かしていれば、一気にノートパソコンのメジャーになれたはずであった。特に ThinkPad 600 は高いながらも付加価値の高いノートであった。他にもコスト重視のエントリーモデルや、中途半端ながらも小型な 535 シリーズ、チャンドラとして有名な 235 シリーズなど、ラインナップの幅が広くて、ノートの世界を支配する要素は十分にあった。恐らく IBM は、自らの付加価値を信じるあまり、値下げには踏み切れなかったのだろう。

NEC は怖い。98NX という規格を信頼する人間はいるのだろうか。LB20/30 は良いノートだと思ったが、結局踏み切れなかった。ハードウェアで MIDI を再生させる点は、間抜けながら素晴らしいと思う。少なくとも私はこれが購入希望理由の一つだった。

SOTEC や高木産業やメルコとかの怪しいノートブックが雑誌の広告に載っている。いや、SOTEC だけは別格かもしれない、店頭展示販売もあるのだから。私は一応検討してはみたが、SOTEC はもはやノーブランド扱いから脱していたみたいでそんなに割安ではなかったので、早くから選択肢から外した。高木産業やメルコのノートは素晴らしいと思う。いまならこれを買ったかもしれない。私の思うノート自体の最大の欠点は「割高なのに落としたら壊れる」ことである。落として壊してもそんなにブルーにならないぐらいの値段なら良いのになと思う。もちろん重量も重要であるが。高木産業やメルコはそんなに極端に割安なのではないが、やっとノートも妥当な価格帯になってきたなという感じのする値段だと思う。それから、K6 を採用するところも素晴らしい。1999年はこれらのメーカーががんばってくれると面白くなるだろう。いまノートは一通り成熟したのだから、あとは価格がこなれてくることが重要である。

あと忘れていたのが SANYO と CASIO である。この二社はがんばっているとは思うのだが、どうも私の琴線には触れてこない。CASIO の FIVA は機能的には良いのだが、あの大きさでは限界があるし、CPU も遅い。むしろ WindowsCE マシンでがんばってほしい。この市場で大きなシェアを稼ぐ方が、これから不安定になる PC の市場の末席に参入するよりも良いだろう。もっとも、ノウハウを蓄積しておくという点では、企業としてマイナスだけではないのだが。

すっかり忘れていたが、VAIO CP-1 はなぜ売れるのかわからない。カメラがあってスタイリッシュっぽいから買われるのだろうか。マニアだけが買っているのだと思いたい。少なくとも普通の人には普通のノートなりデスクトップなりを買ってもらいたいものだ。どうでもいいことかもしれないが、あの液晶画面では DirectX のゲームができないんじゃないかと思う。縦が 480 しかないのでは、たとえば Microsoft AGE of EMPIRE の標準画面が 800x600 なので、縦が足りなくなる。それに、あのキーボードはパームレスト部がないので長期間は打ちにくいらしいし。厚さもあるのでカバンでかさばるし。

さらにすっかり忘れていたのが SHARP である。この会社も色々なラインナップを用意しているが、やはり Mebius PJ シリーズが代表的だろう。だが、綺麗で鮮明な液晶は、個人が買うにあたってそんなに決定的にはならないのが実情である。むしろデザインの良さが好まれたのではないかと思う。あと、この会社はなかなか XGA を搭載しないので、雑誌からも突っ込まれていた。12inch でも SVGA の SHARP と、11inch でも XGA の松下との対照性は、業界として市場として面白いのだが、最終的には SHARP も XGA にならざるをえないだろう。最近では LAN アダプタを搭載して、最初からメモリを 128MB 搭載している B5 ノートを用意していて、これは悪くない製品だと思うのだが、結局液晶の解像度で購入欲が萎えてしまう。

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さてそろそろ、私が松下を嫌いな理由を話すことにしよう。

理由は簡単。買った製品が壊れていくことである。まずポータブル CD プレイヤーだが、これは買った時から壊れていた。わざわざ秋葉原まで出かけて、わざわざ安くて怪しい店で買ったので、交換する気になれなかった。壊れているといっても、すぐに音飛びするぐらいなので、店に行っても「これは仕様です」と言われたらおしまいである。音が飛ぶ理由はよくわからないが、縦にしたり斜めにしたら音が飛びにくいみたいだったので、そういう風に使うのかもしれないが。ともかく私は、これでポータブル CD プレイヤーは他メーカーでも信頼できるものではないので以来カセットテープのプレイヤーを愛用している。メーカーは SONY だが、SONY でなくてもカセットの方が良い。電池はかなり長持ちするし、頭出しはできないが、むしろ「以前聞いたところの場所を物理的に記憶している」点が良い。ちなみに、ポータブル CD プレイヤーを信頼できなくなったことで、外付けの CD-ROM drive までが信頼できないでいる。

それから、FM-TOWNS の CD-ROM drive の調子がおかしくなったのだが、これもちょっと分解してみたら松下のドライブであることがわかった。

私の弟が買った CD コンポは、CD プレイヤーではなくカセットデッキ部が壊れた。よく分からないが再生がうまくいかない。早送りもうまくいかない。じっくりじっくり壊れていった。私は機械の専門家ではないのでどこが悪いのかさっぱり分からないが、恐らくこの故障は松下の技術者でもすぐには分からないのではないか、と思うぐらい奇妙な壊れ方をした。仕方がないので弟は、CD はちゃんと聴けるので良いが、カセットテープの再生には YAMAHA の 4ch マルチトラックレコーディングシステムのテープデッキ部を外部デッキとして利用している。

松下ほどの大きい会社なら、部門ごとに信頼性が変わることも考えられるので、パソコンはそれなりに信頼できるのかもしれない…と思っていたら、友人からの報告であっさり考えが変わった。Let's note も壊れやすいみたいである。雑誌の記事では絶対にこういうことは掛かれないので、購入の際には十分考慮されたい。特に新製品で出たばかりのものを買うときはどのメーカーも要注意である。Sony の VAIO も初期製品は壊れやすかったみたいである。

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ちなみに私は、電化製品を買う際にもメーカーに優先順位を付けている。

堂々の一位は日立である。この会社の安定性や信頼性は素晴らしい。テストも他社より入念だそうである。これも、社員のかつての劣悪な労働条件が生み出したのだろう。会社には附属の精神病院が三つあるのだが、この会社の製品は非常に健全である。ただし、目新しい機能を期待してはいけない。この会社は他社の考えた機能を後追いするだけである。だからといって、機能的に古いというわけではない。たとえば、スピーカーから出る音もクリアで素晴らしいし、映像も鮮明である。ただし、他社と比べて多少割高である。だから私は、ちょっとした製品を買うときは日立を外すこともあるのだが、長く使う製品は日立にするべきだと思っている。

二位は SONY であるが、これは根拠に乏しい。いくつか製品を持っているが、一応順当である。唯一のマイナス点は、弟の持っていたウォークマンの寿命が短かったことである。だが、私のウォークマンはいまのところ順調なので打ち消し合っている。ちなみに、私は以前に松下のポータブルカセットテーププレイヤーを持っていたが、これは造りが悪く、特にヘッドフォンのボリューム部分の接点がすぐにおかしくなって使えなくなった。SONY は日立と比べると、目新しい機能をすぐに取り入れるところが対照的である。私は最近 21inch の平面ブラウン管テレビを買ったが、このサイズの平面は SONY しか出していない。もっとも、いま思えばこのサイズで平面にしても大して意味が無かったのかもしれないなと考えることもあるが。それと付け加えておくが、SONY もそれほど信頼性が高いわけではない。

三位は Pioneer である。ひょっとすると日立より信頼性があるのかもしれないが、製品分野が限られているのでよく分からない。ただ言えるのは、システムコンポがかなり長いこと持ったこと、現在も使っている CD Player もかなり年月が経っても信頼性が落ちていないことである。

あとはどのメーカーもそれぞれ難点がある。たとえば KENWOOD だが、友人の間で「KENWOODのウォークマンはちょっと落とすとすぐ壊れる」と言われていた。私の持っている小型のアクティブスピーカーも接点が悪いが、これは怪しい店で買ったせいかもしれない。他に怪しい店で買った 3-way スピーカーがあるが、これはいまのところ順調である。もっとも、スピーカーはもともと製品寿命が長いのであてにはできないが。

SHARP はうちにはビデオデッキしかなかったが、一週間前に三菱製のものに駆逐された。SVHS も再生できる高価なものだったが、数年間に二回故障してそのたびに 2万円近く取られ、挙句三回目の故障で私の弟のライブのビデオテープを巻き込んでしまい、ついに処分された。値段的に考えるとこのメーカーが一番最悪である。しかも、SVHS の方がいいと言って勧めた電気屋の店員も最低である。ワイドテレビを無条件に勧める店員と同じぐらいたちが悪い。不景気の理由にもなっているだろう。

三菱はいまのところ微妙な位置にある。大体の製品においてそこそこの製品寿命を見せるのだが、唯一電話機が妙な壊れ方をした。特に私が就職活動中だったので私は非常に腹がたった。なにせ、留守番電話がきちんと取れるときと取れないときがあるのである。ベルの鳴り方も妙なときがあり、小さく変な音が聞こえてくることがあり、これは呼び出し音かなと思って受話器をとったら違ったりした。結局現在は FAX 付きの SANYO の製品に代わられている。

SANYO は私にとって元々信頼の低いメーカーで、それは単に店でこのメーカーの製品が他のメーカーより若干安いというだけが理由だったと思う。ちょうど一年前ぐらいに私はビデオデッキが欲しくなって物色したのだが、このときにこのメーカーだけが「倍速再生」という所ジョージも宣伝する機能が欲しくなり、このメーカーの製品を選んだ。倍速再生は実は音声は 1.3倍までなので、無音部分が少ないテープを聞くと音が飛んでしまい、結局ほとんど使い物にならないのだが(一部のビデオでは有効)、製品のオマケと考えれば諦めもつく。値段もむしろ割安である。あとは、このビデオデッキが何年持つかが気がかりである。

ビデオデッキは他に Victor のものがあるが、この製品は弟が使っているので使い勝手はよく分からないが、壊れたら報告したい。

aiwa は安いから良い。信頼性が多少悪かろうと諦めがつく。なにより、どんな製品も時間と共に信頼性が落ちていくものなので、高いものを長持ちさせるよりも精神的に楽である。それに、aiwa はそんなに信頼性が低くは無い。むしろ造りが大雑把なことだろう。だからといって決して雑なわけではない。

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どうもネガティブな面ばかりを書いてしまったが、むろん私は基本的にはメーカーは素晴らしいと思っている。日本がこれだけ電化製品だらけになって生活が豊かになったのも、メーカーのおかげである。現在日本の金融がおかしくなり銀行が腐っており、銀行員が高給を貪っている間に、メーカーの社員とくに技術者は低い給料に高い専門性で努力してきた。メーカーの汚職は営業系や経営系の社員や役員である。むろん営業や流通やマーケティングやデザインは欠かせないが、日本の技術者は特によくやっている。ここまで散々言ってきた電化製品の信頼性の低さであるが、これも外国製品と比べると飛びぬけた信頼性を持っていることは事実である。日本に住んでいる我々には想像できないほど、外国の製品は造りが悪い。

インドでは小さいコンピュータ会社の社長の自慢の愛車が「スズキの軽」だったりするみたいである。日本は特に小型化の技術には秀でている。IBM のウェアラブル PC は日本製のようである。液晶もリードしている。特許件数は確か世界一で、基礎理論に属する研究ではアメリカやイギリスに差を付けられて、ノーベル賞学者の数で大幅に負けているが、応用技術や生産技術は恐らく世界一である。私は東南アジアの人とチャットで会話したときに、その人が日本に留学したいと言っていて理解できなくて、そのとき「日本よりアメリカに行った方がよい」といってしまったが、とんだ自虐的な見方だった。いまならこう言えるだろう、日本に来なさい、日本人は排他的だけど確かな技術を持っている、と。排他的と言ったのは、どうしても単一民族的な国民性が出てしまうからである。が、サッカーのワールドカップでスタジアムのゴミ拾いをしたことに見られるように、日本人は基本的にお人よしなほど親切である。

日本の技術は、はっきりいって突出していると言って良い。これからも、いかに他国が努力しようと、日本の国民性からくるこの高い技術力を追い越すことはできないだろう。これからいくつかの分野で日本が負けることはあるだろうが、それでも多くの分野で依然としてトップの座に座りつづけることができるだろう。これからもグローバル経済において、世界から資源を輸入して加工して製品を輸出し、栄えつづけることが可能だろう。ただしそのまえに、銀行の不良債権を処理して金融システムを健全にすることが必要だが。なぜ確実で健全な銀行が一つでもあってバブルを乗り越えることが出来なかったのだろう。もしバブルに踊らない銀行があれば、いまごろはその銀行が大勝していたように思えるのだが、私は経済には詳しくないのでさっぱり分からない。

今年私は経済を勉強していきたいと思っている。その勉強の成果をこれから書いていきたいと思う。本当は政治も興味深いはずなのであるが、日本は政治に関してはどうにもならないだろう。日本の国民性の悪い部分が政治に現れている。だが経済には期待したい。いま流行のデリバティブを最初に作り出したのは日本人であり(大阪の米の先物市場)、金融工学の中の重要な公式も日本人が作り出したものだそうである(林の定理)。


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gomi@din.or.jp