165. 振り返り2 (2008/6/9)


戻る前回次回

■26. 宗教いろいろ (1999/3/6)

宗教は怖いなんて言ってすましている人も、また別の宗教を信じているんだと茶化している回。あまり深いことは言っていない。

■27. 最近のゲーム (1999/3/10)

前半はゲームソフトの中古販売に関する問題を訴え、後半は当時のゲーム界の様子について述懐している。

ゲームソフトの中古販売については、のちに 162. 政治とは〜音楽・映画・ゲームから考える で書いているように政治問題だと今の私は考えているが、これを書いたときは原理原則のようなものがあると信じていた。

ゲーム界について言えば、今は任天堂のDSやWiiがライトユーザーを取り込んで大ヒットしているが、それ以外のタイプのゲームは衰退していっているように思う。特に間口が広くて奥行きが深いゲームは見当たらない。ああ、でも今の若い人に訊いてみたら、思い出のゲームとして意外なタイトルが挙がってくる可能性があるなあ、とは思う。でも携帯とかに流れてるから最近の人はあまりゲームしなくなっているかも。私もそろそろつらくなってきた。

■28. 教師 (1999/3/16)

世界中の外人を呼んで日本の文化や現在の風俗に突っ込ませるテレビ番組「ここが変だよ日本人」(TBS系列)はとても面白くて素晴らしい番組だったが、すぐに終わってしまった。その中の教師について扱った回で、日本の教師が私にとって意外にも結構彼らなりに考えてがんばっていることが分かって少し感動したという話をしている。

続いて私が中高生をやっていた頃の学校のクラスの様子について簡単に説明している。こういう記録って違う世代の人には多少は興味深いんじゃないだろうか。テレビや小説なんかでもあまり深く扱われていないようだし。行事に参加したがらない学生たちとかはサラッと描かれていたりするけど。

■29. マネー敗戦 (1999/3/19)

吉川元忠「マネー敗戦」(文春新書)を読んで解説している回。内容は要するにアメリカが力を握っているので日本はアメリカに逆らえずに金融的に大損をしつつあるという話。基軸通貨という概念を説明するために前置きとして私家版「資本論」みたいな野心的で稚拙な解説をしているが、正直ほかの文章を読んだほうがいいと思う。

金融については最近もよく考えるが、正直分からないことが多い。金融なんてのは要は血流みたいなもので、体の隅々まで酸素を運んでくれればよくて、たまに献血したり大出血しても体が健康ならどうせすぐにまた作られるものだ。それよりも末端部に血がいきわたらずに体の一部が壊死していっているほうがよっぽど問題ではないだろうか。うん、我ながらいい喩えだ。

■30. 子供に主体性はない (1999/3/23)

最近の子供は「自分で考えて行動しなさい」と言われて育つらしいが、それなのに以前の世代と比べて全然主体性がないのは、そもそも主体性なんてものが何も無いところから沸き起こってくるはずがないのだということを主張している回。

フロイト派の精神分析学者の岸田秀も言っているが、子供は親のマネをするものである。子供が親の言うことを聞かないのは、親が矛盾したことを言っていて、子供は自然と親の表層ではなく深層を汲み取って行動するからだと言っている。ユング派の河合隼雄は親の強い自我を子供は自分に取り込むんだと言っていた気がするが忘れた。なんにせよ私は「汲み取る」とか「取り込む」なんていう非科学的な説明は嫌いなので、単に反射みたいなものだと思って理解している。

面倒な説明はやめて簡単な真理だけ言うと、親は子供に自分の好きなものを押し付けていいと思う。押し付けたら子供はそれを吸収するかもしれないし、逆に反発して別のものを求めようとするかもしれない。そうなったら親はそれ以上押し付けるのはやめて見守ればいい。人が人に影響を与え合うのは当たり前のことなのだから。

■31. ジャンク (1999/3/31)

PCパーツ関連の話。64MB SIMMのメモリが五千円にまで安くなったことに驚いている。現在は2GBつまり2,048MBのメモリがそれ以下で買えるので、8〜9年で32分の1にまで値下がりしていることが分かる。しかもそのさらに6年前は2MBで二万円だった。15年間で四千分の一も値下がりしている。あ、ってことは最近はむしろあまり値下がりしてないってことになるのか。

ちなみに当時CD-Rドライブは19,800円だったのが今はDVD-RAMドライブで2,999円なんてのもある。

単品オーディオのCDプレイヤーを修理した話も書いている。レンズが外れたのでいいかげんに接着剤でつけたら直ったという調子のいい話。

ジャンク=動かない、と思っていいのでこの題はいまから思うと間違っている。バルクという言葉が正しい。いまは動かない動かないと騒ぐ時間のほうが無駄なので箱入りの保証付きのものを買うことが多いが、それでもたまに安さにとびついて買ってしまう。

■32. Linux ってなに? (1999/4/9)

中学の頃からの友人がLinuxの本を書いたことを羨ましくも誇らしく思う気持ちが先行して書いた回。正直言って読む価値のない駄文で、書いた直後に自分でもそう思って書き残しているぐらい。でも最近はWindowsの独占による害悪なんてベタすぎて誰も書かなくなっているし、まとめてあるという点では一応の価値はあるかも。

■33. 加害者の手記 (1999/4/13)

凶悪犯罪を犯した少年の両親が手記を出したことについて、週刊文春で突っ込んだ批評がされていたので、その内容を紹介しつつ自分の考えをダラダラと書いた回。あまり読む価値はない。

核家族の闇について触れている。いまじゃマンションの隣の住人のことはよくわからないし、私は顔すらろくに覚えていない。学生の頃、これまでまったく縁のなかった隣家にふとした理由でお邪魔することになり、一人娘のいる若い夫婦の家でそれなりの歓待を受けた。小さい娘さんはおとなしい子かと思ったら結構内弁慶みたいだった。仲の良さそうな夫婦はその後離婚した。

■34. 神経言語プログラミング (1999/4/14)

よくわからないが70〜80年代頃に流行った一連の怪しいサイコ系の新ジャンルの一つである神経言語プログラミングについて自分が本で読んだ内容を解説したもの。身体感覚と心理は強く結びついていることを利用して、心理を読み取ったり簡単な心理操作が出来たりするらしい。

妙に洞察力がいい人ってのがたまにいるけれど、そういう人ってのは相手の挙動を細かい体の動きからなんとなく自然に読み取ってしまう人なのだと思う。それを理論化して誰にでも出来るようにしようとするところはまさに科学だと思うが、人間相手だけに物理学のようには認知されていないようである。私はまあ科学である必要はないと思うし、日常生活で勝手に役立てるのでどうでもいいと思っている。

■35. 超能力もの (1999/4/22, 23)

超能力を扱った小説・マンガを解説し比較した回。結論だけ言うと、超能力をメインテーマに扱った作品はどうしてもつまらなくなりがち、という身もフタもない話である。超能力はあくまで要素とかオマケ程度にしたほうがいい。突出したものに対する歪んだ感情を描くにしてもマイナス面のほうが多い。

■36. ネットワークゲーム (1999/4/24)

ウェブを使ったソニーコンピュータエンタテインメントのネットワークゲームLoad of Monstersを紹介している。特に経済があることに衝撃を受けた。一人用のゲームだったら自分しか市場を操る人がいないからあとは運だけなのだが、ネットワークゲームだと不特定多数の人がモノに値段をつけて売り買いする。得をする人もいれば損をする人もいて興奮する。

あとはさらに初期のネットワークゲームに大学で出会ったときの話とか、パソコンで流行るようになったディアブロやウルティマオンラインについて少し紹介している。最後におまけとしてWindows CEマシンの使い勝手を書いた。いま私は持ち歩き用のマシンは一切持っていない。

■37. 家庭内LAN (1999/5/6)

家で初めてLAN(ローカルエリアネットワーク)を組んだときの話。といっても専門的なことは一切やっていなくて、単にハブとケーブルを買ってきてつないだだけ。クロスケーブルについての間違った説明をしているので注意。当時は大学や職場にネットワークは常識だったが、まだ家でやっている人は少なかったと思う。あと10GBのハードディスクをノートでは大容量とかデスクトップでなら当たり前とか言っている。

■38. 戦争論・戦争学 (1999/5/13)

小林よしのりの「戦争論」と元自衛官・松村劭「戦争学」の二本立て。ぶっちゃけると、本当は「戦争論」だけで一回で良かったのだが、「戦争論」だけ取り上げるとそれしか知らない人間に思われそうだったので「戦争学」のほうも詰め込んだ。ほぼ同じ時期に互いに全然関係なく読んだ本なのだけど。どっちも面白くて興味深い本だったが、インパクトから言えば「戦争論」が圧倒的だった。私も日本が悪くてアメリカが正しいという教育を受けていた。「戦争論」の前に会田雄二の「アーロン収容所」を読んでいたのだけど。いま「戦争論」は下火になってしまったが、いまのままの教育が続くようであれば若い人に継続的に勧めていきたい本。とはいってもあくまでバランス上の話で、今の日本の精神が右翼的なものと左翼的なものに分かれて精神分裂病のようになっているという岸田秀の見方が正しいと思う。

戦争学のほうもバーターで取り上げた割にはとても重要な本だった。戦争の原理的なもの、何が勝利を左右するか、といった点に絞り込んで歴史的事実を例に説明されていた点が素晴らしかった。

■39. 私の郷愁 (1999/6/05)

私のふるさとに対する感傷を書いた回。都会に上京してきたサラリーマン世帯の子供はどこにふるさとを感じるか、郷愁とは突き詰めるとなんなのか、とか色々書いて長くなっている。結構どうでもいいことをくどくど書いている。

■40. パーツだけだとただの箱 (1999/6/14,29,30)

10年近く前のパソコン事情、特にアプリケーションソフトウェアの進歩について色々書いている。音楽は最近じゃ初音ミクという音声合成して歌わせるソフトが大ブームになるほどだし、CGはレイトレーシングどころじゃなくラスタスキャンで秒間数十コマの超美麗グラフィックスがリアルタイムでプレイヤーの操作でグリグリ動く時代になってしまった。私もそれぞれ少しずつ手を出してみたが、学生の頃ありあまっていた気力がいまではほとんどないことに気づいた。といってもアナログジョイスティックでヘンなロボットにビームサーベルを振らせるところまではとりあえず作ってみた。


戻る前回次回
gomi@din.or.jp