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懺悔!新人サポートの過ち!2

1999年1月31日  匿名希望


その3

やはり、総務の同期入社娘からの電話です。
表計算ソフトで作成したツールが動かなくなったとのことでした。
数値を入力したのに、なにも計算されないと泣きそうな様子に、あわてて総務まで行きました。

確かに数値は入力されてました。関数入力しプロテクトまでかけてあったセルに、です。

「………あの、ここに何でこの数字を………」
「だって、もらった入力用紙に書いてあるもん」
「入力するのは、太線内だけですよ。書いてあるでしょ」
「だって、見本に数字が書いてあるもん。」
「これは、単に印刷するとこういう風になりますと言う見本で………。だいたい、プロテクトかけてあるから入力できないはずなのに………」
「あ、プロテクト? ちゃんと外したよ

教えてもいないのに、何でそんなことばっかりできるんだ〜!
と思ってしまった私は、悪い同僚です。

「じゃあとにかく、これはもう壊れてるから、保存せずに終わらせて、 元のからもう一度入力を………」
「………保存しちゃ………ダメ、なの?」
「ええ。これもうダメですよ。大丈夫。保存しなきゃ元のままです。やり直せますよ」

懺悔します。彼女にそのソフトの使い方を教えた際に、ファイルの保存の仕方を教えてしまった私が悪うございました。

その後ですか? 急ぎの仕事だとかで、もう一度作成し直しました。
完膚無きまでに壊れていた関数をリカバリするのは、本当に時間がかかりました。


その4

早いもので、入社してから1年がすぎました。私たちの部署にも初々しい後輩がやって参りました。

ある日、社内研修用の資料を作成していたとき、その後輩が私のところにやって参りました。

「先輩、よくこんな仕事やってられますね」
「え?」
「私はダメです!」

怒鳴り声にビビりつつも、私は何とか彼女をなだめようとしました。

「どうしたの? なんかあった? わからないところでもあるの?」

まだろくに仕事を持っていない彼女に、わからないところもないもんだが、ま、とりあえず、定番のせりふです。

「私、こういう仕事は向いてません! 私、もっとちゃんとしたいんです!」

これが噂の5月病? 思わず焦りました。

「向いてるかどうか、まだわからないよ。今はまだ新人研修中だし、これから仕事も面白くなってくるよ。コンピュータが取っつきにくいのかな。でも、部署はまだ内定だし、研修中に他の部署のことも教えてもらえるから………」
「先輩にはわかんないんです! 私、ちゃんとしたいのに、ここじゃちゃんとできない!」
「えっと、営業とか、総務とか、もっと別の仕事がしたいのかな。それとも………」
「だからっ! そーゆーんじゃないんですったら! もういいです!

彼女はそのまま研修をすっぽかして帰宅。

入社式で出社。その後一月、社外研修。社外研修終了後、社内で簡単なお祝い。
記念品をもらったその翌日、社内研修の初日のことでした。

次の日から彼女は無断欠勤を始めました。心配する私どもが連絡を取っても、出社してはきませんでした。
一週間後、彼女のお母様がお見えになり、「うちの娘は、こんな会社にやるわけにはいかない」とおっしゃいまして、退社の運びとなりました。

懺悔します。私は先輩でありながら、彼女を理解し、有益な助言を与えることができませんでした。

その後ですか? 最後に会話を交わしたのが私ということもあって、彼女は私にいびり出されたとさんざんひどい陰口をたたかれました。
それも仕方ないことなのかもしれません。
何せ、私は、彼女がなにをしたかったのか、なにを考えていたのか、未だに、まるでわからないのですから。

神よ、私の過ちをお許しくださいませ。

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