2005年6月5日 ニヤリ
狭間!助けたいけど
某メーカーのサポートの仕事をしております。
先日、あまりにも正直で素直なお客様からの救援コールが入ってきました。
若い(感じの声の)女性の方でした。
お名前と連絡先をうかがった後で、
「ユーザー登録はしてらっしゃいますか?」
といつもの確認をしたところ、
「実は、私のパソコンじゃないんです」
「ご家族の方でしょうか?」
「同居はしているんですけれど・・・家族じゃないんです」
(あちゃ〜、それじゃ下手な事案内できないな・・・)
用件を伺うと、
「インターネットを利用した形跡を消したいんです」
「所有者の方はご了承いただいているのでしょうか?」
「内緒で消したいんです」
「申し訳ございませんが、所有者の承諾なしに内部のデータ等を消去する手順のご案内は致しかねます」
「・・・結婚する予定でも駄目ですか?」
お詫びの言葉と共にお断りしたところ・・・半べその声で、
「昨日もこのパソコンを弄って怒られて、殴られたんです。『勝手に触るな!』って言われてたのに・・・このままだと今日もまた殴られてしまいます。方法を教えてください」
「・・・・・」
人情からしたら、どうにかお手伝いしたかったのですが・・・
「自分のパソコンじゃないけれど、所有者に内緒で記録を消したい」
なんてはっきり言われたら、案内できないじゃないですか(^^;
丁寧にお断りしました。
しかし、その後も、
「結婚する予定でも駄目ですか?」
「こっそりヒントだけでも」
「そこをどうにか・・・」
と切実に頼まれるのですが・・・
この状況で案内できるわけありませんよ。
状況としては、
・彼が昔の彼女といつもチャットをしている
・気になるのでパソコンの使用を禁じられていたけれども、彼の留守の間にアクセスした中身を読む為に1度ログインしたところ、再起動しても自分が入力したハンドルネームが自動的に表示されるようになった
・こんな事がバレたら、絶対にまた殴られる!
・彼が仕事から帰ってくる前に、痕跡を消したい
こんな感じでした。
(クッキーかオートコンプリート辺りの問題じゃないかと思ったのですが、お手伝いできないので、詳しいことは確認してません)
彼の浮気と暴力について、しばらく愚痴られた後、
「この状況では、サポートの提供ができない」
と再度説明し、ご了承いただきました。
「どうにかなりませんか?」
という切実な質問に対して、
「所有者の方からのご相談でしたら・・・」
と何度か(かけなおして、違う名前で「所有者です」って言えば・・・)という事をほのめかしたのですが、通じなかったようです。
それとも、通じてたけれど、そんな事できない方だったのでしょうか?
周りのサポーターは皆、
「そんな男とは別れたほうが良いのにね」
と言ってました。
私としては、ただ・・・
その女性の方が怪我していない事を祈るだけです。
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