180. 売れる作品の作り方 (2026/7/5)


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いままでいろんな作品を鑑賞してきて感じたことをなるべく言語化して伝えてみたい。売れる作品の作り方という形で。

■おっぱいと身長

ヒロインの胸は大きい方がいい。E〜Gカップぐらい。なぜなら、大半の男は胸の大きな女が好きだから。

ただ私自身はそうでもなくて、小ぶりで痩せててボーイッシュな方が好みなんだけど、別にヒロインの胸が大きいからといって嫌いにはならない。売れる作品というのはマス(多数派層)を狙っていくものなので、キャラ造形するときになんとなくB〜Cカップぐらいが似合ってそうでも最低限Dカップぐらいにはしておいたほうがいいと思う。そのほうが幅広く受け入れられやすいから。でもHカップ以上からは拒否反応を示す人が出てくるので注意。

他に貧乳キャラもいたほうがバラエティ豊かになっていいと思う。人の好みは千差万別なので、なるべく広くすくい取ってやるといい。でも貧乳キャラは2〜3番目以降のサブヒロインぐらいがちょうどいいと思う。そのぐらい需要が少ない。

男キャラの場合は高身長。大体175〜184cmぐらいがいいと思う。女キャラの胸の大きさと男キャラの背の高さは大体同じようなものだと思っていい。自分は男なのであまり感覚がわからないんだけど、女性というものは結構相手の身長を気にするらしい。低身長の男性はたとえイケメンで能力が高くても避けられがちとのこと。正直自分には理解できない感覚だった。ただ、実は低身長っぽいアイドルの木村拓哉もおそらくファンには薄々気づかれているんだろうけどあれだけ人気があるので一概には言えないのかもしれない。

人類の半分は男であり女であるので、片方を切り捨てると消費者が半減してしまう。どっちかをメインターゲットにするにせよ、残りにも訴求するような作品にするのが望ましい。

■展開を期待させる

作家さんのことを「ストーリーテラー」と呼ぶ誉め言葉があり、言葉のとおり話の語り口がおもしろい人のことを言うんだけど、これはつまらない話をおもしろおかしく語れる人ってわけじゃなくて、この先どうなるんだろうと楽しみにさせる話を作れる人ってことだと思う。

創作論ではストーリーよりキャラが一番だと言われることが多いんだけど、ストーリーこそがキャラを魅力的にする大きな要素だと思う。まあ魅力的なキャラがなんでもない話をおもしろくするとも言われているんだけど、それはキャラの魅力が引き立ったあとの話なんじゃないだろうか。だから、最終的にはキャラが一番の要素かもしれないけど、その前にストーリーがあるのだということ。

でそのストーリーなんだけど、作品全体を構成する大きな筋(プロット)のことではなくて、ごくごく短い間に起きることがまず大切だと思う。

一番わかりやすい例としてバトルもので説明すると、強そうな敵がでてきて主人公が戦いを挑むことになると、当然勝敗が気になる。どうやって勝とうとするのか気になる。勝ったらどうなるのか気になる。負けそうになったときにどうやって盛り返すのか気になる。とにかくいろんなことが気になるので先を知りたくなる。

ミステリーで言うと、殺人事件が起きたけど一体だれが殺したのかわからない。動機がわからない。どうやって殺したのかわからない。背景がわからない。わからないことだらけなので先が気になって知りたくなる。

ホラーは基本的に未知の恐怖を味わうためにある。主人公たちがいったいどんな目にあうのか?彼らは助かるのか?見ていてハラハラすることで楽しめる。だから確実に命を落とす作品はつまらない。でもどんな風に命を落とすのか期待させる(?)ことができればおもしろくなる。

SFなんてなにからなにまでわからない。現実世界とは異なる舞台設定で、未知の技術がでてきたり、我々とはまったく異なる価値観が描かれたりする。ただ、あまりにわからなすぎると、消費者はわかった気になれないのでつまらなく感じる。

特定分野に絞ったものもいい。大抵の消費者が知らない何かについて描くことにより興味を満たす。グルメ作品なんてのは料理や素材あるいは調理法なんてものまであって、三大欲求の一つである食欲を刺激しながらわかる快感を与えられる。そのうえ、なにかしらの人間ドラマまで載せられる。

これらに共通するのは、まず「わからないこと」を用意することだと思う。そしてそれを徐々に描き出していくことによって消費者を引き込んでいく。

■キャラを描く

そうなるとキャラを描くときもまずはそいつに一見よくわからない行動をさせると良いと思う。そうすると消費者はなぜそいつがそんな行動をとるのか知りたくて気になり、その欲求が満たされることで満足する。

もしこれが逆に最初から明かされたらどうなるだろうか。消費者はキャラ設定を覚えることを強いられる。もし覚えられなかったら、その設定を前提としたストーリーでつまずくことになる。どう描いても確率的に忘れるので避けた方がいい。キャラ設定はエピソードで示すのが一番いい。人間の記憶というものは何かと関連づけて覚えるようにできている。

消費者がキャラ設定を覚えていくと、そのキャラについていろんな期待や心配を抱くようになる。そうするとしめたもので、その期待を満たしてやったり心配から安堵へと導いたりすることによって楽しませることができる。もちろん絶望へ導くこともできる。

キャラ設定に従ってストーリーを作っていく。そうしないと消費者は自分が覚えたキャラ設定に大した意味がないことに気づき、話に興味を失っていく。つまり逆に言うと、ストーリーを動かしたい方向にキャラを作っていく必要があるし、そうしてキャラ設定によってストーリーが動いていくと満足しやすい。

■キャラを動かす

おもしろい作品は作っているときに作者の頭の中で勝手にキャラが動くと言われている。これはたぶん脳が無意識に膨大な計算(?)を行ってうまいことストーリーを組み立てているからだと思う。脳は入力があるとたとえ整理できていなくてもしっかり動く。ただし、ただボーッとしているだけではだめで、一生懸命考えることで作用が起きると言われている。

無意識を利用した創作論についてはここでは扱わない。

キャラ設定ができてくると、そのキャラがどうしたいのかがわかってくるので、その方向にキャラを動かせばいい。もしそれがわからなかったら、いろいろ想像してみる。自分自身とかけ離れたキャラだと想像力が働かないかもしれないけれど、そういうときは理屈で考えて見る。運動ができない人は?勉強ができる人は?友達が多い人は?人間というのは自分にないものを求めたりするし、劣等感を抱えたり、逆にそれを埋め合わせるために強がったりする。

もしそれでもキャラのことがわからなかったら、キャラ設定を追加する。このとき、あまり相反する設定をつけてしまうとチグハグになってしまうので注意。一方でそのチグハグさによってキャラを印象付けるという手法もある。甘いものが嫌いなのになぜか〇〇だけは好きみたいな。

どんなキャラ設定を追加すればいいかわからなかったら、とりあえず行動させてみる。その行動の裏付けとしてキャラ設定を追加していく。ここでキャラ設定を追加しておかないと、あとで矛盾したことをしてしまいがちになる。

■キャラを増やす

いろんなキャラが出てくると楽しいし、誰かしらの好みに引っかかりやすくなる。でも一度に多くのキャラを出すと混乱する。最初は二人で対話させるか、せいぜい三人ぐらいがいいと思う。

見分けがつくように特徴をはっきり描く。マンガだったら、シルエットだけでもわかるよう大胆に描き分けるという集英社メソッドがよく知られている。

名前はよく考えてつける。平凡な名前は避けつつ、奇抜な名前も避ける。あまり親しくないキャラ同士は名字で呼び合うことになるので、キャラに合った名前は苗字から考えなければならない。特に友達以上恋人未満の関係性だとなおさら。重要なキャラに平凡な名字をつけると違和感を感じてしまいがち。そういうときは名前とかあだ名で呼び合うようにするのがいい。ありきたりな名字の人ってあまり名字呼びされたくないだろうし。

■ニッチを避けつつ狙う

描くジャンルとして純SFは避ける。マニアしか読まないからw

同性愛も避けたほうがいい。世の中には「ノーマルな」人が多いから。っていうか異性愛のほうが多数派だから「ノーマル」になる。基本的には多数派に狙いを定めたほうがいい。

ただし、追加要素としてのニッチはできるだけ狙っていったほうがいい。主人公が百合とかBLなのは避けつつ、何人目かのキャラにちょっとそういう要素を足すと受け入れられやすい。

■笑い

作り話に笑いを求めるかどうかについては、よほどシリアスな作品にしたいのでない限り、笑えたほうがいいに決まっている。

絶大な人気を誇る芸人の松本人志は笑いのことを緊張と緩和だと言っている。この人が言い始めたことではなくて、これまでいろんな人が笑いについて語っている。自分は精神分析学者の岸田秀がそう書いているのを読んだ。

緊張とはどういう風に生まれるのか。よく例に挙げられるのは葬式でヘンなことをするという鉄板ネタで、お坊さんがお経を読んでいて絶対に笑ってはいけない場面を作って緊張させ、そのあとでその緊張をぶち壊すことで緩和させて笑いを誘う。

緊張を作るにはなにかしらの情報が必要になる。一番簡単なのは、なにかに一生懸命になっている人を用意することだと思う。あるいは、一つの秩序に従って動いている人。たとえば定番のネタとしてコンビニ店員と客なんてのがある。まじめに応対しなければならない店員に対して客がとんでもないことをする。ヘンな新入りバイトでもいい。

すぐに弛緩させない方がおもしろくなる。たとえば客がヘンなことを言ってきても店員さんは客として扱わなければならない。普通だったらキレそうになる場面で、仕方なくルールに従う。いつ爆発するかわからず高まる緊張が消費者を期待させる。

■笑いの実例〜帰ろうとする男

自分がいままでで一番ウケた話をいまでも時々思い出すので紹介してみたい。

スケジュールがキツくてチームのみんなが一生懸命働いていて、この日も残業しなければならないだろうなあと思ってみんな静かに仕事をしている中で、定時を過ぎたあたりに「今日もよく働いた」と言って帰ろうとする男(私)。言った瞬間にみんなに爆笑された。

小声だったのが余計おもしろかったらしい。たぶん全然そこまで働いていないのに、働いた感を出して帰ろうとしたのがウケたんだと思う。

たぶんみんなの中で、今日も忙しいのでまだ絶対に帰れないという緊張があったのだと思う。それをちょっとした小手先でサラッと自然に帰ろうとする男。おいおいおい!って感じだったと思う。

ところがこれと同じ言葉を別の状況で言ってみたらまったくウケなかった。自分の中ではみんなが帰りたいけど帰れない状況で帰ろうとすることには変わりなかったんだけど、聞く側にそこまで緊張がなかったからだと思う。やることをやっていれば好きに帰れる状況だったとか、そこまで働いていないわけでもなかったとか、大して働いていなかったとしても帰ることが許されている立場だったとか、いろんなことが考えられる。

マンガや小説なんかと演劇とではまたかわってくる。脚本家の宮藤官九郎は、脚本を書いたあとで必ず実際に演じてみるらしい。

■おもしろくない作品にありがちなこと

じゃあ具体的にどんな作品がおもしろくなくて、その原因はなにか、改善するにはどうしたらいいのかを、ケーススタディとして考えてみたいところだけど、それはさすがにキリがないので各作品のレビューとして書いていきたいと思う。

manuke.com

本当はもうちょっと書くつもりだったけど、ある程度寝かせても他に書きたい内容が思い浮かばなかったのでここまでにしておく。


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gomi@din.or.jp