• コースサイドのベルガー
 すべてのF1マシンがグリッドにつき、
スタートを待つとき、
F1ドライバーの表情は、人それぞれに違う。
 
ある者は、スタートからのレースをイメージしながら、
コックピットに収まったきり一点を見据えている(セナ)
ある者は、TVカメラに取り囲まれながら、
難しい顔をして、スタート直前までメカニックと話し込む(シュー)
ある者は、中空の一点を見据えて十字を切り、
集中力を高めようとしている。
(デビュー直後のハッキネン……メルセデスになってから、
 このトレードマークの十字を切らなくなったけれど?)
ある者は、3回もやり直されたスタートにあきれ顔で、
TVカメラの前で鼻くそを食べる。
(87年オーストリアGPでのネルソン・ピケ)
ある者は、緊張のあまり立ち小○をする(爆)
(え〜と、チェザリス・・・映す方も映す方だが?)
ある者は、バナナをゴリラのように頬張る。
(これもチェザリス、そして、O.グルイヤール)
ある者は・・・・もういいか?(自爆)
 
 そんなドライバー百態の中、
我が愛すべきガーティー・バーガーは、(無理あるかな?この呼び名?)
ピットウォールに背もたれて、
長い足を少しだけ折り畳んで、放り出し、座り込んでいた。
いつでも、彼はそこにいた。
それは、まるで、これから始まろうとすることを俯瞰するようでもあり、
斜に構えてみているようでもあり、どちらにも見えた。
 ただひとつ、確かなことは、その時間、
彼はF1のコックピットを離れていたということ。
そして、グリッド上で展開されているドタバタ劇を、
落ち着いて、離れていたところから、見据えていたこと。

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