1997年10月10日登録

ここでは「特設画廊-壱」に掲載している”巨大化したリリス”(rei7_4hp.jpg) の制作過程の解説をしています。


特設画廊−壱「END OF EVANGELION」に掲載しております一連のCGはその殆どをPoser2.0J(Win95版)という3Dツールでキャラクタの体をはじめ背景や小物の一部をレンダリングして出力した画像を素材として使用し、それぞれを加工した後に1つのCGに組み上げています。

Poser2.0Jになって、他の3Dツールで作成した3Dオブジェクトを読み込んで同時にレンダリング出来るようになりましたので、今回の場合ではレイの髪の毛と12肢の翼と地球の部分を「Shade debut」で 3Dオブジェクトを作成し、DXFで出力してPoser2.0Jに読み込んでいます。


表示されているCGをクリックすると大きいサイズのCGが表示されます。
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図1はPoser2.0Jで必要な3Dオブジェクトを読み込んだ状態で出力時のカメラアングルからみたものです。  

レンダリングする前のプレビュー時、レンダリング時に近い表示も出来るのですが、体の1個所を少し動かすだけでもその都度画面書き換えを行うもので”陰線消去のワイヤーフレーム”で表示させています。(Poser2.0Jについては後日、改めて書かせて頂こうと思っています。)  

Poser2等の3DツールではCGの素材を作るのが目的ですので、図1の配置で全てのパーツを表示した状態で仮のレンダリングを行い、光線の方向や強さなどを確認した後、図2の左の画像と図3・図4の画像に分けて同じ画面サイズで出力し、個々に名前を付けてビットマップで保存しておきます。 

図2はレイ(リリス)の体、図3は12肢の翼、図4は黒い月が掘り起こされた地球です。

図2のレイは3つ並べてありますが、左側がPoser2で出力した状態のもので、体の各部に鋭角な部分や切れ目・段差などが生じていてこのままでは使えません。
この画像をPhotoShop上で体の各部を修正したものが図2の真中の画像になります。

図2の左と真中の画像で顔の左側にあるのは”前髪のパーツ”です。
Poser2では男性・女性ともに顔は外人(このソフトが作られた国)の顔立ちですのでこのままでは使えません。
顔の修正をした後に前髪のパーツを加工してのせるために少し離れた所に配置して出力してあります。
これには、本体(体)と同じ光線の向き・強さの参考の意味もあります。

図2の右の画像は、顔の修正・目の描き込みを行い、前髪を重ねて、更に体のハイライトの強すぎる部分を修正したものです。

図3の12肢の翼は輪郭のボカシを加えただけでそのまま使っています。

図4の地球は、黒い月が掘り起こされた部分以外を、マスクして色相変更で青い海の色に変更します。

図4の地球を背景(ベース)として、れぞれ修正・加工した画像をPhotoShop上で重ねたものが図5になります。

レイヤー1は地球の地表の雲で、エアブラシで描いたものを、不透明度80%(通常)で重ねています。

レイヤー2は図3の12肢の翼で、レイヤー3は図2の右のレイの画像を不透明度100%(通常)で重ねています。

レイヤー4とレイヤー5は、レイヤー2とレイヤー3を合わせたものから複製レイヤーをつくり、シアン(水色)で塗りつぶしてボカシ(ガウス)でボカシを加えたもので、それぞれ不透明度60%(スクリーン)で重ねています。

上記の設定で最終的に1枚の画像として出力しています。


背景の宇宙空間に星を描こうか悩んだのですが、地球の成層圏とレイ(リリス)が発する輝きで、現実なら霞んで見えないのではという事で描いておりません。

レイ(リリス)の顔ですが、劇中のこのシーンでは目を見開いて心(魂)の無いような表現がされていますが、あえて心のある(生きた)目にしてみました。

12肢の翼も本当は光のような翼なのですが、物質的な天使でも悪魔でもないようなものにしています。


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