1997年9月1日登録

ここでは「画廊 壱」に掲載している”WING GUNDAM”(g01w_ahp.jpg) の制作過程の解説をしています。


WIndows3.1のパソコンを購入した当時、PhotoShopなどという高価なツールにはとても手が出ませんでしたし、Windowsに付属していたツールでは貧弱すぎて使えるものではありませんでした。

当時ハンディスキャナが全盛で、各社取り込んだ画像を加工する為のレタッチツールを付属で添付していまして、私が買ったNEOSのハンディスキャナに付属していたのが”Imagi Folio LE”という720kのFD2枚組みのレタッチツールでした。

このツール、一般的な画像処理(フィルター関係)はそこそこなのですが、エアブラシがPhotoShopのようにグラデーションが効くものではなくランダムノイズのようなブラシでしたので、これでグラデーションの効いたCGを描くのはかなり難しい問題でした。

この頃は98互換機で”マルチペイント”という16色のCGツールでCGを描いている事が多く、使い慣れているという事もあって、元絵は全てこちらを使って描いていました。
せっかくのフルカラーのCG作成環境を手に入れたので、何か良い方法は無いかと考えたのが、各色毎(近似毎)に16色パレットをフルに使って描き、各色毎に描いたCGをフルカラーツール上で合成するという方法でした。


表示されているCGをクリックすると大きいサイズのCGが表示されます。
戻る時はブラウザの「戻る」ボタンを押してください。


図1のように方眼のパターン上に元になる線画を描いて行きます。    
この時、正面から見た構図ですので片側半分だけ描いたものをコピーして、左右反転したものを合成しています。
    
    
    
    
   
  
図1の線画の片側半分を複製して各色毎に16色パレットを使えるだけ使用してタイルパターンで彩色して行きます。    
*見本CGはフルカラーですが、ここは16色CGツール上での作業過程でのお話です。    

図2−1は青系の部分を彩色したもの。    

図2−2は赤系の部分を彩色したもの。    

図2−3は黄系の部分を彩色したもの。    

図2−4は白黒(グレー)系の部分を彩色したもの。    

図2−5はカメラレンズの緑を彩色したものです。    
     
図1の線画を元に各部の色毎に輪郭線を色分けしたもの(図2−6)を作成し、図2−1から図2−6までの16色CGをフルカラーツール上で24Bitイメージに変換します。   

*元の16色CGは”マルチペイント”の”MAG”フォーマットの為、GV.EXEで16色のBMPに変換しておきます。  

図2−6をベースにして、各色毎に彩色した部分を合成して行きます。  

各色毎のCGと輪郭線のCGともに、同じ元CG(図1)を元にしていますので、絵の座標は全く同じですので合成する場合の位置合わせの心配もありません。  

各色毎のCGをレタッチツールのマスクで”全てを選択”してクリップボードへ”コピー”しておきます。  

次に図2−6のCGにクリップボードへコピーしたCGの色が重なる部分をマスクツールの”マジックワンド(魔法の杖)”を使って描画可能領域を作成して、クリップボードの画像をペースト(貼り込み)します。  
*ツールによっては呼び方が違いますので。  

全ての色毎のCGを同じ手順でペーストしたものから複製を作成し、左右反転処理を行ったものを貼り合わせたものが図3です。  

まだこの段階では16色CGツールで描いたタイルパターンが残っていますので、ボカシ(スムース)のフィルターやボカシ筆で、ドット間をつぶして滑らかに見えるように処理したものが図4になります。

この画像を、”VistaPro”で作成した背景に合成したものが、”画廊壱”に掲載している画像になります。  
 


今時こんな面倒な方法で描く方はいらっしゃらないとは思いますが、16色CG環境に馴れてしまった方がフルカラーCGを作るのに、これも1つの方法かと思います。

私も時々この手法でCGの部品を作っていたりします。


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