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リアル・ストーリーの光と影

STAGE 1 「出会いは、唐突に」 SCENE#5

「あの神和妃先輩と話して、放課後逢うことになったってぇっ!!」
「おい、彰。声が大きいよ」

 叫び声をあげた彰を、何事かとクラスメートが見ている。

「何言ってんだ! 超ビッグニュースじゃない・・・ムグムグ」

 笑顔で友人にヘッドロックを決めると、翔は彰の耳にきっぱりと言った。

「声が大きいって言ってんだろ。Understand?」
「いえす、いえすぅ」

 ギブギブと唸りながら必死に頷く彰を離すと、翔は笑ってイスの背に持たれた。

「それにしても凄ぇな。どうやったらそんな話になるんだ?」
「意図した訳じゃないよ。そうだね、どっちかといえば神和妃先輩のほうが興味を持った感じだね」
「くぅーーーーっ」

 握り拳を作る彰。

「なんちゅーうらまやしい奴っちゃ。くそぉ、俺が代わりたいぜ」
「何があったか、後で話すよ」
「え? おい、翔。俺、一緒にいっちゃまずいのか?」
「彰は来いって言われた訳じゃないだろ?」
「その場にいないのに、どうやって言われるんだよ!」
「だから、そう言うことだって。言われたのが僕だけだから、今回は僕だけが逢う。もし話が続くようなら、彰も来ていいかって先輩に聞いてみるよ」

 腕組みして翔の話を聞いていた彰は、肩を竦めた。

「まぁ、今回はしゃーないわ。でもいいか、翔。しっかりコネクションを作ってくるんだぞ。オッシャアッ!!」
「まったく、誰のための、何のためのコネクションなんだよ・・・」

 盛り上がっている友人を眺めて、結構脱力してしまう翔だった。

☆☆ SCENE#6に続く ☆☆

★天査からのメッセージ
 アホですね〜、彰って。でも、結構こういうキャラが実地では一番しぶといのです。変に自分の限界を決めていないから、状況に対する対応が臨機応変です。それ故に、その状況に対して意外な力を発揮するでしょう。RPGのプレイヤーの中にも、彰のような人がいます。彼らは、他人が見て不利だと思う状況でも諦めませんし、困難な状況を楽しんでいるフシすらあります。いつもいつも、問題に真面目に取り組む姿勢も評価しますが、たまにはアプローチや考え方を変えてみるのも必要かと。

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