超越数と私的な錯覚
錯覚をしたお話。
超越数が何物かわからない状態で
『実数には有理数と無理数がある。 無理数の中にはさらに有理係数代数方程式の解にもならないような数、超越数というものが存在する』
と言った文章をある本で目にした。
このとき、このかっこ書きの文章を読んで 誤って超越数が実数の仲間で無理数に包含されていると完全に錯覚してしまった。
上のカッコ書きの文章自体は一言一句、全く間違っていない。 実数のことを話している中での超越数は無理数の一部でまちがいない。
しかし、『超越数』は複素数であるので 当然、無理数と超越数全体はどちらかが他方を完全に包含する関係ではない。
結局、論理的に文章を読めず錯覚した自分が悪いのだが、その錯覚した状態で Wikipedia などで超越数のことを調べようとすると
何か自分の知らない事象があって 『実数の一部の超越数A(※実は錯覚)』とそれとは全く別種の『複素数の超越数B』の2つが存在し、
その状況によりA、Bを判断するのか? という モヤモヤした気持ちになってしまった。
幸い、ニコニコ大百科、物理のかぎしっぽさん のサイトおかげでこのもやもやは解消した。
多分、超越数の定義を十分学んだあと上の文章を読むという順番だったら錯覚は起きなかったのかもしれない。
或いは、冒頭の文が
『実数には有理数と無理数がある。 無理数の中にはさらに有理係数代数方程式の解にもならないような数、実超越数というものが存在する』
であったなら、学ぶ順番が逆であったとしてもこうした錯覚はなかったのかなと思う。
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