理系-時事問題
(トリチウム)
2023年8月下旬から福島第一原発のトリチウムの海洋放出がされ始めた。 → 海洋放出の状況(東京電力)
これに伴い、知りたいと思ったこと
Q1. 自然放射線はどのくらいあるのか? 由来は?
天然由来1 --- 地球の地面の中に昔から存在するグループ
wikipedia(ウラン)によると --- 半
減期の長い放射性核種
『特に長いのは、ウラン238(半減期は約44億6800万年)と、ウラン235(半減期は約7億380万年)である[7]。
このように半減期の長い放射性核種は、ウランに限らず、現在の地球にも天然の放射性物質として存在している。』
『現在の地球の地殻におけるウランの濃度は、地殻1g中に2.4μg程度であると考えられている[11]』
(身近な放射線 : 天然ラドン湯のラドン ; 222Rn)
最も半減期の長い 222Rn は 238U を始まりとするウラン系列に属し、起源は 238U(半減期4.468×109年)
→ 234U(2.455×105年) →
230Th(7.538×104年) → 226Ra(1600年) → 222Rn(3.8日)である。
Q1-a なぜ重いウランが地表面にある?
①主に花崗岩中に残る(製氷された氷の中にある空気みたいに花崗岩中に残る)
②そもそも溶岩は水のようにサラサラしていないので沈降が遅い
③マグマとともに地表に噴出
④流れ星や隕石に微量に含まれて宇宙から降ってくる
※ウランは、超新星爆発や中性子星どうしの衝突後の塵(ちり)、星屑(くず)
天然由来2 --- 宇宙線で生成
調査中 → 天然由来のトリチウムが存在するらしい
毎年約7京ベクレルのトリチウムが生成されるとされている。(下記リンク参照)
環
境省
電気新聞
経
産省
Q1-a
環境省のページのとおりだとトリチウム生成のために中性子が飛んでくる必要があるが、本当に飛んできている?
調査結果 → 太陽中性子が飛んできている。
太陽フレアで加速された高エネルギー陽子が太陽大気中の原子核に衝突して生成され、
そのうち、約100MeV以上の中性子が
地上モニタで観測されている
[参考: 理科年表 2020 ; γ線 太陽中性子]
東北大学の地球物理学のWEBページにも 「中性子はリコネクションで加速された陽子が、太陽大気を叩くときに作られる」 の旨の記述がある。
Q1-b 約7京ベクレルのトリチウムの質量は? 何kgか?
計算結果
(地球全体-1年あたり生成量 ; 天然由来)
Q1-b-2 天然由来のトリチウム 地球全体で 何kgあるか?
計算結果 (地球全体-総量; 天然由来)
Q1-b-3 約780兆ベクレルのトリチウムの質量は? 何gか?
計算結果 (福島第一原発;2021年4月 ; 人工物)
Q1-c 月の資源で核融合に有望なヘリウム3が豊富であることを聞いたことがある。
トリチウムとの関係性ない?
調査中 →
wikipedia(ヘリウム3)を読むと 「
月面においては太陽風から供給されるヘリウム3が蓄積している。」 と記述がある、 素直に読めば無関係
他のサイトや本をみても、太陽風自体にヘリウム3が含まれていることが主因らしい
[参考: トコトンやさしい 太陽の本 p140]
ただ、月表面にある酸化鉱物中の酸素の部分に太陽中性子があたると窒素とトリチウムが生成され、これもトリチウムが12.3年後にヘリウム3になりそうだ
Q2. トリチウムはDNAの中に取込まれるか? ・・・ 取込まれる
高校の生物で習った気がする
DNA は (A)アデニン、(G)グアニン 、(C)シトシン 、(T)チミン の4種で構成されている
(A)アデニン C5H5N5
(G)グアニン C5H5N5O
(C)シトシン C4H5N3O
(T)チミン C5H6N2O2
4種とも H(軽水素)を含むので、 当然、 T(三重水素/トリチウム)で置換可能
取込まれた状態でトリチウムが崩壊すれば、遺伝子の異常へつながる
Q3. 天然由来の放射能--カリウム40
--- 安全ではないが、かなり身近な存在 ---
調査していたところ、ウランやラドン以上に身近な存在があった。 カリウム40。
計算してみると 人体自体が カ
リウム40によって 約4000Bq程度の放射能を持っていることになる。
-- 計算過程参照