雑想の原(1999/02)



(1999/2/15)
 TVアニメのLD化にあたっては制作スタッフや発売メーカーの思惑が如実に出ますね。ここでLDといってビデオに触れないのは、LDにはCAV(標準ディスク)とCLV(長時間ディスク)があって、その選択にも思惑が出るからです。
 LD−BOXつまりセットで出る奴(どれかの巻の初回特典とかで付く「箱」の話ではない)については一概に言えないので置いておきます。これもバラで出た奴(TVアニメ/OVA)のBOX化(最近は特撮なんかでその逆もあるかもしれませんが)、過去にBOXで出てる奴の再BOX化なんかもあって、そこに「いかに(また)買わせるか」の思惑は露骨に出るんですけどね(笑)。

 割と良心的なのは1巻に4話収録のパターン。1話30分ものベースで話しますが、これだと収録時間の関係からほぼCLVですね。話数の半端の関係で1話〜3話しか収録していない巻を除いて、定価は大体5800〜6800円くらいが最近の相場でしょうか。月刊で発売されたとしても放送時よりもちょっとだけペースが遅くなるのは残念なところです。
 最近はよほど過去の作品以外にはめったに見ませんが、昔は1巻に8話収録ペースのリリースなんてのもありました。これだとまずCLVで2枚組パターンですね。定価は7800〜9800円くらい? まとまる分ちょっと割安になるようです。これの良いところは発売ペースが月刊であれば放送よりもペースが早いことですね。既に中身は放送済みなんだから、放送よりも遅いペースで発売されるというのは心情的に納得しづらいところがありますから。あと、2枚組な関係でジャケットがダブルというのか、開けるタイプのものになります。当然、良心的な商品ならなんらかの解説的なチラシなんかが入るわけですが、ダブルジャケットの場合ジャケットの開いた部分がその代用となる場合があります。ジャケットと同じ印刷となるのでカラーになるのが嬉しいですね。
 私は発売ペース(というか作品内容の進行速度)を重視するので、1巻2話収録ものにはあまり良い印象を持っていません。放送が半年だった作品がLDでは1年以上かかっちゃうわけですから。ただ、この場合ディスクがCAVにできるので静止やコマ送りには絶大な力を発揮します。でも原理的にはビデオの標準/3倍みたいに画質そのものが変わるわけではない(はず)ので、これをどこまで重視する人間が多いのかは疑問ですけどね。なお、私の持っているものでひとつだけですが、2話収録のくせにCLVなんていうのもあります。これは収録が片面に納まるので製作コストが安く上がるからでしょうが、買う方としては納得行きませんね。
 ただ、2話収録だとその分巻数は増えますから、ジャケットイラストが描き下ろしでそれが楽しみなんていう人には嬉しいのかもしれません。しかしジャケット(というかパッケージ等)も当然コストの内ですから、その分価格に反映します。1巻4800〜5800円くらいとして1話あたりの単価は割高になりますね。

 その他、先に触れた解説チラシの充実度(ページ数や白黒/カラーの違い、それにもちろん内容そのものが設定資料の引き写し程度で終わっているか書き下ろしたっぷりか等)や映像特典の有無・内容、あるいは放送時に比べて修正が入ってるか等、「手間のかかり方」は重要な評価要素です。
 TVアニメのLD化というのは、作品内容そのものは既に放送されているわけですから、買う方はそれを分かって買うという前提で良いと思います(全員がそうとは言いませんが)ので、出来が良いとか悪いとかには文句はありません。そのへんがOVAあたりとは違いますね。
 それだけに、ファン心理として「どうせ買っちまう」購買者(笑)に対して、発売側が「ぼったくろう」と考えていれば商品ですぐ分かります。
 製作コストを放送そのものや関連商品ではなく、LDのような「作品そのもの」商品で回収しようってのは止めて欲しいですね、私の考えが古いのかもしれませんが、製作環境は結局「TVアニメ」になっちゃうわけでやっぱりOVAや劇場版に質で及ぶのは困難になるわけですよ。私としては1巻2話ものの価格帯になるくらいなら、最初からOVAで作って欲しいくらいですね。

ページ先頭に戻る

さらに過去の日記より

(c)TAKARASHI YUTAKA. 1999