04/01/15
「ちわーす、仮合成持ってきました」
「これはこれは合成大魔王。おつかれさまでやんす。 では、さっそく・・・」
・・・シバラクオマチクダサイ・・・シバラクオマチクダサイ・・・
「いやあ、だいぶ形が見えてきましたね。 問題は、最終決戦ですね」
「そうなんだよねぇ、東京タワーや議事堂前では結構比較対象物があって迫力とかスケール感が出せるんだけど、最終決戦場は対象物が少ないからなぁ」
「そこをひとつ、大魔王の力で」
「ええ、まあ、頑張りますよ」
「なんやったら、こう、口から波動砲出すとか、ミサイルが板野サーカスするとか、派手なやつをひとつ。 魔王はハンバーグが大好きでおじゃる、ってね。 がっはっはっは!」
「 できるわけないでしょう。 『鉄人28号』なんだから」
「そうなんですか?」
「武器を持たないのが鉄人なんですから」
「ふーん」
「ふーん、って・・・・・ ところで、僕が貸した鉄人本ありますか? ちょっと調べたいことがあって」
「ああ、ありますよ、ええっと・・・ はい、これね」
「ああ、どうも。 読んでみてどうでした?」
「ん? ああ、どうも活字が多くてね、まだ全然読んでませんわ」
「・・・・・そうですか。 あ、そうだ。 鉄人が目覚めるところを確認させてもらえませんか?」
「いいですよ」
「・・・・・あれ? もう一度見せてください」
「どうかしましたか?」
「あの、最後にこれ、ガオー!ってやるんですけど」
「ああ、タルイんで切っちゃいましたよ」
「切った?」
「ええ、そんなシルエットよりも、早いとこ鉄人とオックスのバトルが見たいに決まってるじゃないですか」
「・・・・・」
「カンちゃんにはほとほと参るでごじゃるよ、ってね。 がっはっはっは!」
「準備をするんだ・・・」
「え? 準備?」
「キサマの顔面が二目と見られぬ顔になる、心の準備をだ」
「何わけのわかんないこと言ってんすか、そんなことより
「おらぁ!!」
「はぐう!! な、なんばすっとね!」
「オレは・・・ オレは『鉄人28号』を作っているんだ! これからお出ましって時にガオー!とやらない鉄人が『鉄人28号』であっていいはずがない!」
「そんな『鉄人28号』って言われてもピンとこないし、過去の遺物にすがってちゃ新しいものは・・・ ぐはぁ!」
「オレは・・・ オレは『鉄人28号』を作っているんだ! オレだって『鉄人』が好きでたまらないとゆうわけではない。 それでも、それを掘り起こして新しく作ろうって時には、オリジナルに敬意を払うってのが愛ってもんだろう! キサマが『アイデン』で感じた愛はそんなウスッペラなものだったのか!」
「そ、そんなことよりオレは、“考えるな、感じろ”の精神で・・・ はぐおぅ!!」
「“考えるな、感じろ”とは、鍛錬を重ねた者だけが口にしていいセリフなんだっ! 練習もしない怠け者が口にするそのセリフに、逃げ口上以外の何があるってんだー! これまでの拳は鉄人の拳と思え、おらぁ!!」
「げふぅ!」
「次の拳も鉄人のぶん! 次の次も、次の次の次も、次の次の次の次もぉっ!!!」
「うっぎゃぁぁ〜〜〜!!」
どさぁっ
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