突入せよ!「あさま山荘」事件  3
 
「あさま山荘」を目指して
01/12/17

遡ること1月前、わずかな地図と、地理勘のある助手の菊井を頼りに、「あさま山荘」訪問紀行を敢行しました。

高速をひた走ること数時間、連合赤軍が潜伏していた妙義山が見えてきました。

碓氷軽井沢I.Cで高速を降り、「レイクニュータウン」を目指してしばし迷走、ほどなくして辿り着きました。
デパートですら迷ってしまう僕が運転していたなら、一日かけても辿り着けなかったと思われるその場所は、レマン湖にひろがる別荘地でした。
「軽井沢」という言葉から「テニスコート」「乗馬」「若者」「ブルジョワ」をイメージしていた僕は、いささか目を疑いました。人気がみじんも感じられないのです。季節はずれの避暑地というのは、どこもこういったものなんでしょうか。いたるところにある別荘は、ほとんどがくたびれ、老朽化しており、ゴーストタウンのようにも見えました。
新築、あるいは改築中などの現在進行形を表すものも幾つかありましたが、依然、人の気配は皆無です。お城を模して作られた三越も暗く閉ざされていて、ひときわ異彩を放っていました。これは、そう、まさしく『サイレントヒル』そのもの。
まったく予想をしていなかった「軽井沢」に、しばし飲み込まれてしまいました。

気を持ち直して、本来の目的地である「あさま山荘」を探します。
時計が正午を指していたこともあり、どこかで昼食を取り、そこで具体的な情報を得ようか、というプランもありましたが、お食事どころも人気も見当たらない為、それを成すにはレイクニュータウンを離れなければなりません。
よしんばお店に入ったとしても、

「どうも、ごちそうさま」
「ありがとうございます、おふたりで2000円になります」
「ところで、つかぬことを伺いますが、この辺りにあさま山荘が
「あんた、まさか・・」
「え?いや、あの、あさま
「御代はいいから、出てっとくれ!」
「いえ、ちょっと道を尋ねたいん

ガラガラッ、ピシャリッ!


というようなことが起こりかねない雰囲気だったので、捜索の続行を打診しようと運転席の菊井を見ると、ある方向を凝視していました。
「あれ・・・ひょっとして」


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