狗神  
 
和紙作り
00/11/14

天海さん演じる主人公は「手漉き(てすき)」で和紙を作る和紙職人。

今回、資料にと和紙作りのエトセトラをメディアを通して見せてもらったけど、これがまた職人というだけあるんですなあ。奥深いです。

今日はせっかくなんで、その工程をザックリとだけど紹介しようと思って。天海さんが何をやってるかも解るしね。

原材料はコウゾ(楮)やミツマタ(三椏)。
その皮を剥がし、蒸して水にひたした後、釜で煮込む。
煮あがった皮から、汚れやチリを取り除く。
これはかなり根気の要る作業。
和紙が全面淡いクリーム色になるかどうかは、この作業にかかっている。
皮を打ちつける。
リズミカルに!
あなたがあたしにくれたもの〜♪
それを「漉き舟(?)」に入れ、トロロアオイの根から出る粘液を混ぜ合わせ、かき混ぜる。
木枠にスダレのようなものをはさむ。
木枠を漉き舟のなかで漉く。
すると、スダレの表面に繊維が貼りつく。
スダレから繊維をペリリと剥がすと、和紙が一枚できあがり!
出来あがった和紙を板に貼りつけ、天干しする。
乾いたら、和紙の完成。

と、まあ、こんなカンジなんだけど、オドロキなのは、
漉き舟の中に材料を入れるじゃない?
んで、何回か漉いてると和紙になって摘出されてく分、材料の濃度も落ちてくるんですわ。
それなのに!ああ、それなのに。
出来あがった和紙はどれも厚さが同じ。
濃度に合わせて漉き方を微妙に変えつつやりよるんですわ。
濃度だって、いちいち測っとるわけじゃないんよ。
カンよ、カン。職人のカンってヤツですわ。
スゴイよねえ。
これからは僕も編集のことで聞かれたら、
「うん?あすこは君ぃ、カンだよ、カン。あっはっはっは!」って言おうかな。
ぶっ飛ばされるね、たぶん。

あ、あとね、和紙すきの工程にはイロイロと初お目見えな工具があるんだけど、それらはそれらを作ってる職人さんがそれぞれ居るわけで。

名称はわかんないんだけど、スダレのようなモノは、それこそ和紙作りの要になるもので、一寸の狂いもなく均等な隙間で作られてるんだって。
だけど、それを作ってる職人さんの後継ぎがなかなか居ないそうな。
上にあげた工具もいくつかは機械に姿を変えてたり。
うーん、難しいね。

和紙も、あの独特の淡いクリーム色ものをやるのは生活の糧としては率が悪く、工芸和紙(漉く時に着色料をつけた模様のついた和紙)とか、照明に使う和紙なんかのほうが率がいいんだそうな。
同じ色で汚れ一つなく、均等な厚さで漉かれた和紙のほうが唸るもんがあるんじゃけどね。
 


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