狗神   
 
ループ
00/09/28

僕がこの業界に入ってまもなくに就いた作品が原田さんの『KAMIKAZE TAXI』で、時間がないくせに2話持ち、2ヴァージョン、細かい編集、と物理的な面で結構な洗礼を享受させてもらいつつも、そこで繰り広げられる原田ワールドにピシピシ刺激を受け、携わってることに誇りを感じることができた作品ということで、これまた結構な門出を迎えさせてもらった。

あれから6年。

立場を変えてこうして再びめぐり合えることができたことに喜びを覚える。
『KAMIKAZE』を超えることが、果たして今の自分に出来るのか?という不安と抱き合わせでね。

『KAMIKAZE』を編集したんは阿部さん。
この原田/阿部コンビが繰り出す作品には特別な思い入れがありますなあ。
かっちょええんよ。日本映画界のノワールっちゅうか。
僕が助手として就けた作品は『KAMIKAZE』と『トラブルシューター』
ちなみに、今回も助手をやってくれてる森下は『バウンス koGALS』で阿部さんの助手をしてた。

そんな奇妙なめぐり合わせを考えながら、改めて原田作品を観直そうと『タフ』シリーズを鑑破してみたんじゃけど、いやあ、エエ仕事してますなあ。
1作目なんて個人的にはジュン・ウーとかタランティーノとタメはれると思うんじゃけどね。
このシリーズも編集は阿部さんなんよ。まいったね。
昨年公開された『金融腐食列島』の編集は川島さん。
この川島さんも、これまたエエ仕事をするお方でしてなあ。
金融ネタに弱いんで全てを理解することは出来んかったけど、リズムとかテンポが心地よくてサクサクサクッってカンジに魅せよるんですわ。
おまけにアカデミー編集賞までとりくさってからに。

っちゅうわけで、今回必要以上に気負ってます。イカンね。リラックス・リラックス。

『狗神』は一昨年公開された『死国』の原作者でも知られる、坂東眞沙子さんの原作もの。読みは「いぬがみ」です。
でも『犬神家の一族』とは関係ないんよ。狗神の一族の話ではあるけども。
ややこしいね。

そういえば『ホワイトアウト』で特報が流れてたっけ。
同時上映はなんと『弟切草』
GAMEですよ、お客さん。
そんなにネタないの?それよりこの『リング』的展開、そろそろエエんとちゃう?
そんな声が聞こえてきそうだよ。
う〜ん、さもありなん。

ただ、『狗神』は今までのリングのようなホラー路線とは違うんよね。
金田一シリーズのようなサスペンスとも違う。オドロオドロしさはあるけどね。
それを原田さんがどう料理するかってのが、この作品のダイゴミじゃないかな。
原田さんっていうとハードボイルドの印象が強いからね。ひょっとして新境地!?
うひゃー、がんばらないと!
 


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