サブライム・バースデイ  1
 
憧れの、
00/04/09

庵野さんと言えば・・・ねえ。
あたいがリスペクトしてやまない『エヴァ』の庵野さんですよ。
『ケイゾク』の堤さんといい、今回の庵野さんといい、こんなにステキな方達と仕事が出来るあたいは本当に幸せ者です。ホント、みなさんのおかげなのです。ぶわっ。

でも、最初にみなさんに断っておかなければならないことがあるのです。

この作品は残念ながら東京都写真美術館(恵比寿)での限定上映なのです。およよ。
4月1日から同館の館長に就任される徳間書店の徳間康快社長のハカライにより成立した企画なのです。およよ。

本日、最初の素材があがってまいりました。
さっそく撮りおろしの画を拝見。
何度体験しても(ってまだそんなに体験してませんが)ワクワクとザワザワの入り混じる瞬間です。
しかも、今回は初のシネスコ。憧れのシネスコです。
広い、広いですっ!
予告が終わるとウィ〜ンって幕が横に拡がって「さあ、始まるよ」って感じがグーのシネスコです。
でも今回の編集作業はAvidなんで、今のところモニターでしか確認できましぇん。涙が☆キラリしたりする今日この頃です。
それでも、ただ単に横に広いというだけで無駄に優越感に浸れます。

今回の助手は森下です。
でも森下はAvid初体験。
僕もAvid久しぶりだったので失われた操作系の記憶を取り戻しつつ森下にAvidのご教授です。
森下は、そもそもパソコンそのものが初体験なので、結構教え甲斐があります。パソコンに対して本当にマッサラな状態なのです。育てゲーの感があります。
クリックする時は「まー」と喋らなければいけないとか、電源を落とす時は片膝つけてとか、デタラメを教えても素直に取り組んでくれます。
「これはなかなかイイおもちゃだぞ」と悪だくみが☆ニヤリしたりする今日この頃です。
あ、でも結局全部自分に還ってくるんだ。
COLLABORATION
00/05/13

ジブリの鈴木さんからキャストの公言があったとのことで、情報解禁の報を受けました。

今回の原作は藤谷文子嬢。
彼女は主演の少女も演じてます。
藤谷嬢はかの武闘派刑事、スティーブン・セガールの娘さんで『ガメラ』と心通わす少女を演じてたよねえ。
その少女が、ある男と出会うところからこの物語は始まります。(今のところ)
その男の設定というのが、映画監督。
劇中の呼び名もまさしく「カントク」
彼が喋るセリフを庵野さんにシンクロさせてみると、これがなかなか興味深い。
「カントク」は劇中デジカムを回して少女を切り取ります。
で、実際「カントク」が現場で撮った映像も、編集素材として使われます。デジカムは誰でも回せるからね。
で!
問題は誰がその「カントク」を演じるか、ということなんだけど、これがなかなか面白い。は〜そう来ますか、ってカンジ。
それは誰あろう、岩井俊二監督なのです。若い人には説明する必要ないかな。『ラブレター』『スワロウテイル』の岩井さん。

つまりこの作品は、実際に監督である岩井さんが「カントク」という設定で登場し、原作者であり主演の藤谷嬢とデジカムを通してコミュニケーションをはかるという話で、それを庵野さんが演出するという奇妙なコラポレーションで成り立ってるのよね。
ちなみにデジカム分は岩井演出が多いから、演出の合作といっても言い過ぎではないのだ。

そしてもうひとつ。この作品はジブリの実写作品ブランド『スタジオ・カジノ』の第1回作品なのです。第2回があるかどうかは不明だけど。
ステキなスケジュール
00/05/20

実は昨日まで5日間ほど編集作業がSTOPしてました。
劇中に使われる少女のイメージのハイビジョン撮影を東映でやっていたのです。
おかげで、根詰めてやってた編集作業のちょうどいい箸休めになりました。
これはとても効果的なこと。
ずううっと編集やってると麻痺してくることがあるからね。ありがたいこってす

ま、そういうことで今日は当コメントもコーヒーブレイクと行きましょうか。

『エヴァ』は、アニメだけど、セル画を16ミリフィルムで撮影してたから、最終的にいろんな音をMIXダビング作業は映画のそれと大差ありません。
で、当然、効果音とか音楽をあててみて編集の直しとか、あったりするんだけど、そんな時は庵野さん自身がスタジオの別室で、フィルムをころがして自分で編集してたんだって。
ガチャン、ペタッ。ガチャン、ペタッ、って。
ちょっと意外よね?

庵野さんの劇場用実写映画デビューとなった『ラブ&ポップ』はデジカムで撮影が行われてます。
Avidで仮編集(オフライン)をして、ビデオスタジオにて本編集(マスターテープでの完成編集)、その後、キネコ(VTRからフィルムへのコピー)というもの。
『ラブ&ポップ』製作時はまだ日活もAvidでの作業というのが動き始めた状態で、今ほどその土壌が耕されてたわけではないのよね。
しかも『ラブ&ポップ』はデジカムでブン回しだったから、素材の量は100時間!(フィルム作品の10倍)
で、作業していた途中で、このままじゃハードディスク全然足りないってことになって、業者から増設のハードディスクを用意してもらったんだけど、それが仇となった。
パンパンに詰まってたハードディスクの中身を増設したヤツに振り分けてホッとしたのも束の間、なんと編集データから撮り込んだ素材まで、全てがきれいサッパリ消し飛んじゃった。
「いやあ、情け容赦なく見事なまでに無くなってましたからね。ゼロか1しかないデジタルの怖さを痛感しましたよ。」とは庵野さん。
幸い編集データは記録メディアに保存してあったので、それを元に再び100時間近い素材を貼り付けなおす作業を余儀なくされたとか。
データ消失事件はその後も頻繁に発生し、なんと累計4回!
その度に撮り込みなおしの作業を強いられてたってんだから、そりゃ、もう、苦行としか言いようがありません。
おかげで編集を担当されてた奥田さんは、ことあるごとに編集データをフロッピーに落とし、かつプリントアウトして紙面でも保存という、SAVE中毒に侵されてたそうです。
こっわ〜〜〜。
カントクのバースデイ
00/05/23

昨日は編集作業中に藤谷嬢が訪ねて来てくれました。

やはり本格的主演作品ともなると、自分の素材がどんなふうに編集されるのか気になるのでしょうか。
と、思いきや、「カントク、誕生日おめでとう!」とケーキのプレゼント。
そうです。昨日は庵野さん、満40歳を迎える誕生日だったのです。
おおっ、なんて素敵なはからい!
ということで、編集作業もほどほどに、プロデューサーの南里さんも呼び出してちょっとした誕生日パーティーと相成りました。

ケーキの上には「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」のメッセージが。
「おじいちゃん・・・って僕はまだ君のお父さんより若いのに・・・」と、節目となる年齢にひとしきりの感慨を抱く庵野さんでありました。

聞けば庵野さん、ケーキを囲んでこんなふうに誕生日を祝ったのは30歳の誕生日以来だとか。
ふむう、そういえば僕もここ数年ケーキを囲んで、なんて誕生日送ったことがないなあ・・・
うん、たまにはこういうのもいいよね。藤谷嬢、サンクス!
 


TOP