春の天皇賞でライスシャワーが勝った。
G2クラスの馬が居並ぶ中、ライスシャワーに無印の予想紙もあった。
「所詮、格が違うんだよ」
前日私は友人の電話で豪語し、単勝を厚めに買い、ライスシャワーから3頭に流した。
ライスが4コーナーを先頭で回ったとき、テレビに向かって叫び続けた。
「来いっ!来いよぉーっ!」
二番手に付けていた馬がなんだったかなんてわからない。
とにかく、誰も抜かしてくれるなっ!
結果は鼻差だった。
多分一人で見ていたら泣いていたと思う。
オグリキャップの有馬記念、大泣きだったもの。
単勝も馬連もガッチリ儲かった。
これで何回歌舞伎に行けるだろう。
2年前にライスシャワーに買ってもらったカバンがもうボロボロだから、
新しいの買ってもらおうかな。
ウィナーズサークルのライスは、汗で馬体が黒光りしていた。
そうだ、大きいぬいぐるみも買おう!
「第111回 天皇賞」ってタスキをしょっているやつ。
初めて観たのは中山競馬場のこれといって盛り上がらないレースだった。
それなに、ダービー2着に突っ込んでくるんだもん、買えば良かったわよっ!
ミホノブルボンとで万馬券だなんて・・・。
その後のライスは本当に私をスカッとさせてくれた。
ミホノブルボンの三冠を阻んで菊花賞馬になってくれたし、
武豊&メジロマックイーンの天皇賞連勝記録を阻止してくれた。
2回とも単勝で大きくもうけさせてもらった。
「ライスシャワーは私のために走ってくれているような馬だからさ〜♪」
大好きなライスシャワーがここ1年以上勝っていなかった。
でも私は知っているんだよ、ライスは長距離レースを待っている。
2000や2500は足慣らしなんだ。
だから春の天皇賞3200m、勝つに決まっていた。
限界だの、気力がないだの言っていたやつら、思い知ったか!
人気投票1位で出走した宝塚記念。
2200mはライスには短い。私は単勝だけを買った。
天皇賞のご祝儀、ご祝儀。
勝たなくても良かった。
無事に走ってくれれば良かった。
京都で活躍したライスシャワーは、京都でその生涯を終えた。
私は2日間黒いリボンで髪を縛って、肉食を断ったんだよライスシャワー。
私はもう宝塚記念は買わない。
ライスシャワーの単勝を最後にします。