馬の耳に真珠

[HOME] [えとせとら★いんでっくす] [馬の耳に真珠INDEX]

その弐拾

耳つながり

会社帰りの電車で、私の前に立った女の子二人組が話している。
「あのコ達ってさぁ、私達が言ったって『寝耳に水』なんだから。リーダーの
××さんの言うことだったら聞くけど。」
ちょっと待て。
今の『寝耳に水』は、注意したことを聞き流すとかいう意味で言ったのか???

ツッコミを入れたい気持ちを押さえながら聞いていると、その子の相方が、
「あんた、『寝耳に水』ってそういう使い方じゃないじゃん。」と突っ込んだ。
おう、その通りさ。わかってるじゃねぇか、お若ェの、と安堵するもつかの間、
件の彼女、「っていうかさぁ」とそれを無視して話を続けた。
おいおい、ちゃんと相方のツッコミ、聞いといたほうがいいぞ(^^;

「馬の耳に真珠」などといい加減なことわざ作って喜んでる私が何をかいわんや、
なので「近頃の若いモンは」なんて言いやしないけどさ。彼女ってば、寝ている
耳にポタッと水が落ちたら、どうなるんだろう、とちょっと心配になった。
意に介さないほど眠りが深いんだろうか。
まさか、横向いて寝ていて、上にした右の耳に水が滴ったら、そのまま左の耳まで水が
通っていく、と思ってるんじゃないだろうね。それは言葉の間違いじゃなく医学的な
間違いだってば。通ったら、「世界の奇人変人」に出演できるよ。
って、ないよね、そんな番組。
この解釈でいくと、「立て板に水」も「注意を聞き流す」の意味に使えてしまうのかな(笑)。

ちなみにうちの妹と私の間では、より寝耳に滴らされると強烈なもの、として、
「寝耳に水」ではなくて、この20年来「寝耳にジャム」を愛用してます(笑)。
びっくりっていうより、気持ち悪いと思うけどね、コレは。

ところで、同じ「突然でびっくり〜」系のことわざに「青天の霹靂」というのがあるけど、
これと比べると、「寝耳に水」には「聞いてないよぉ?!」、「何よ、それ!」という
知らされてなかったことを恨みがましく思うニュアンスが感じられるのは気のせい?
「青天の霹靂」は、ほんとに突然何かが起こって「びっくりしたぁ!」って感じが
するんだよね。「寝耳に水」が垂れるのは、雨漏りでもしない限り人為的というか
意図的に起こる出来事だけど、「青天の霹靂」はモロ自然現象なだけに、疑いを
さしはさむ余地がないからか。
微妙な使い方の違い、誰か知りません?広辞苑に載ってるかな。

昔、前述のジャムのほかにも妹と二人でいろいろおバカなことわざを考えてたの
だけれど、ほとんど忘れてしまった。「命短したすきに長し」ってのがあったな。
単に「帯に短し襷に長し」と「命短し恋せよ乙女(ことわざじゃないし)」の合成で、
意味不明だけど(笑)。

お馬鹿なことわざのコーナーでも作ってみようかな。そしたらみんなも秘蔵(笑)の
ことわざとか目が点になるような新解釈、教えてね。



その弐拾おわり

[馬の耳に真珠INDEX]