馬の耳に真珠

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その六

がんばれ!スペシャル君

JCも勝っちゃったりして、スペシャル君はかっこいいよねぇ〜。しかも連れてくる馬がハンパ
じゃないもん。白梅賞、ダービー、天皇賞秋。いやぁ、いいセンスだ。<万馬券を呼ぶ人気馬
ひやかしはさておき、JCのウイニングランには目頭熱くなりました。4コーナーの方からウィ
ナーズに向かうその背からは後光のように晩秋の陽射が輝いていたのでした。
うーん。最近競馬で泣くことちょっと多すぎ。涙腺ヨワイのは歳のせい?

とかなんとか言ってる間に、1900年代最後のG1であり、スペシャル君にとってもラストランで
ある有馬記念がもう目前。宝塚以来引っ張りに引っ張られたグラスワンダーとの雪辱戦を、
何とかこの目で見たくて、初めて有馬に行くことにした。入場券だってちゃんと自分でGETだ
もんね。徹夜明けだったけど。
ローテから言えば、スペシャルウィークは明らかにキツい。もちろん、かつて牝馬のエアグル
ーヴだってそれをこなし、しかも、1−2−3着だったんだから、無理とは言わないけど。
無理じゃないという事と勝つことは別の話である。
対してヤツ(グラス君)は、あっちが痛いのコッチの調子が等と言いながら毎日王冠以来体力
温存。もちろん今の季節、出走間隔があり過ぎる事自体が不利だという可能性もあるけど、
「調子悪かったよぉ」とか「重目残りかもぉ」とか泣き言いってる時のヤツの強さは証明済み(笑)。

今回スペシャル君が「俺だけ皆勤賞かよ」とかなんとかぼやいている情報は入ってないけど
かわりに、私がぼやいている。
「春秋天皇賞連覇の上に、JCで凱旋門賞馬にまで勝った馬が、有馬で負けていいのか?!」
JC出走日本馬には、実は○外がいなかった。「うーん。ここまで引っ張るか、JRA(笑)」とか
それに、先週フランスG1馬がまたもや国内G1で優勝できず、「オイオイ武豊、キミは体力温
存しなくてもいいんじゃないの?」とツッコミも入れてみたいとか。

ラストランでもあるし、スペシャル君があくまでも「グラスと決着つけたるぜィ」というなら
それは止めない。チャチャも入れずに見守ろうと思ってる。願わくば、勝って故郷に錦を飾り
ラストランまでのGTを3連勝した馬として、内国産の励みになってほしいと思っている。
本当に。

が、しかし。
ほんとに相手はグラスだけでいいのか。
内国産の雄としてスペシャル君を応援する私の耳に、「俺達だって内国産だからね。しかも
マル父だもんね。」というブライトのツッコミが聞こえる(笑)
メジロブライトは、JCなんぞに目もくれず王道を目指して有馬に臨む。それに、父ライアン
を愛した競馬の神様も天国から後押ししていることだろう。
菊花賞馬もいれば「皇帝」の息子もいる。4歳馬は斤量が軽いのだ。
グラスと張り合ってるうちにヤツらに足元をすくわれることはないのか?

うーん。ますますスゴいことになってくる(笑)
お茶目なエリート馬スペシャルウィークの引退レース。馬券と違う興味でこの秋見守って
来た彼が、どんなレースをするんだろう。サンデーサイレンスの息子、マルゼンスキーの
孫、母とは生後間もなく死に別れ、姉は故郷の牧場の火災で亡くなった。そして、ダービー
天皇賞、JCという輝かしい戦績。勝って当然、勝ってほしいと思われ続けたこの馬の、
泣いても笑っても最後のレース。
それでなくても盛り上がる有馬をダメ押しで盛り上げてくれるじゃないか。満員電車の中山
でも、覚悟を決めて見に行くっきゃない。

RRRRR♪ RRRRR♪(携帯電話の音)

「モシモシ。」(私)

「ハァ、ハァ・・・。モシモシ?俺だけど。」

・・・・ハッ!( ̄□ ̄;) エッチなイタ電?!・・・・・・・

「あの〜どちら様でしょうかぁ」(私)


「あのさぁ、誰か忘れてないかなぁ。大事な人(馬)をさぁ。」

「え、え、あの・・・」

「さっき運動から帰ってすぐHP見たらさぁ、何よ、あれ。ブライトとかナントカツヨシ
とかって。俺の名前がないじゃん」


「いや、ツヨシは名前書いてないスけど^^;」(いや、そういう問題じゃないみたいね)

「バッチリ内国産だしさぁ。泣く子も黙るSS産駒だしさぁ。それに、スペシャルと言った
ら俺だろ、俺。」


(あ、名前聞くのがコワい^^;)

「ってゆーか、最大の伏兵だよ。なんつったって『阿寒湖特別』だもんね。」

(やっぱり・・・・・^^;)

「ちゃんと書いといてよっ。俺の名前!!! 書いてくれないと噛みついちゃうからねっ!」

ガチャン! ツーッツーッツーッツーッ・・・・・・

ハイッ。わかりました(T-T) 書きます、イヤ書かせて頂きます(コワいよぉ)

1900年代 最後GT 有馬記念
最大の伏兵馬は


ステイゴールド 様です



その六おわり

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その七

師匠と呼ばせて!

新宿での徹夜カラオケの後、一睡もせず中山に向かうとは、我ながら無謀。
誰もが言った。「あんたねぇ、自分の歳をちったぁ考えなさいよ。」う〜ん。いくつ
だったっけ?都合のワルイ事は忘れる主義で。ま、実際、歳なんて関係ないじゃないのさ。
(しまいには開き直ってみたりする。)
そうは言っても、やっぱり体と頭がフワァっとしてる。眠いのかお酒が抜けてないのか。
寒いけど、去年ほどじゃないなぁ。天気もいいし、絶好の競馬観戦日和。なのにゆうべの
忘年会参加者の大半が競馬場に来てないのはどーゆーわけ(笑) ま、いっか。
開門後でも運良く座ることができたのはいいけど、うーん、さすがに馬柱を読む気力も、
馬券を買いに行く元気もない。ましてやパドックなんて(爆)
というわけで、時々うつらうつらしながらぼーっとターフを眺めてた。
だんだん人が増えてきた場内に親子連れが来た。お父さんとお母さん。それに小さな子供
ふたり。かわいらしいけど男の子か女の子か不明。私が4つ席を取っていたので、親子は
父と上の子、母と下の子、と、私の前後の段に別れて座った。時折子供のお行儀が悪かっ
たり何かでお母さんが子供に声をかける。子供はカン高い声で何事か叫んでる。
うーん。私ね、実は子供って好きじゃないんだよなぁ。多分、母性本能ってヤツが欠けて
るせいだと思う。全部が嫌いじゃないんだけど、女性だから子供好きでしょって決めつけ
られると困る。親子連れのはさみ打ち、ちょっとヤダな、と思ってたりして。

でも、他に誰も来ないみたいだし、来てる友達は皆無事に私よりもいい場所に席を取れた
ようなので、お母さんと下の子に二つ席を譲ってあげた。これではさみ打ちには会わずに
済むし(笑)
レースにはとても身が入らないので、聞くともなしに聞いていると、この子供、むやみに
叫んでるわけじゃない事に気づいた。
直線、確実に馬の名前を叫んでる。その馬に騎乗している騎手の名を叫んでる。
うーん。ダビスタ世代にしちゃちょっと若いんじゃないのか?しかも馬券手に持ってるよ。
オイオイ。新聞読んでるよ。おいおい(笑^^;)
私の前の段に座ってる上の子が、時々振り向いてじっと私の顔を見てる。おいおい、
見せモンじゃないんだよ。あたしゃ子供なんて嫌いなんだからね。飴なんてあげないよ。
なんて思ってたら、席のお礼か知らないが、お母さんからミルキーをもらってしまった(笑)

そして、ちょうど私の席に来ていた「きょうすけさん」が馬券を当てていた。
ふと見ると、例の子供が振り向いて馬券を見せる。当たってるんだ、コレが(爆)
きょうすけさんが子供に手を差し出して握手する。「おめでとう、同志」(笑)
子供もうれしそう。っていうか、競馬場でヨソの子と的中の喜びを分かち合ってる人を見た
のは初めて(笑)。 これがきっかけで、子供と話し始めた。

そう、私が嫌いなのは、「ちっちゃな子供」っていう全体像で、個々の子供じゃない。
そしてもっとキライなのは、「女性だから子供が好き」っていう思い込み。
この男の子は、かわいくておもしろかった。いや、そんな風にいうのは失礼かもしれない。
何せ私よりも競馬歴が長いのダ(!)。

師匠と呼ばせて下さい(笑)

齢(よわい)7歳。小学校1年生。競馬を始めたのは96年。(私は97年、サニブーがダービー
を獲った年)。カタカナと数字は競馬でおぼえ、掛け算は公文式(塾ね)でおぼえたという。
そして、手にした新聞は「ケイシュウ」。凄すぎる。むろん馬柱はカンペキに読む。
師匠の好きなジョッキーを聞いてみた。
「うーんとね、的場さんでしょ、あと『トク』でしょ。あとはねぇ」
・・・ちょっと待って。「トク」って?
「菊沢だよ、孝徳の方」
スイマセン、勉強不足で(^^; そして極めつけは
「あとね、石橋」(参りました・・・)
ジョッキーの名前もたぶん私より知っている。試しに言わせてみたら、マイナーどころが
出てくる、出てくる。「嘉堂、横山義、高山、コバジュン、田面木、コハタ(木幡)・・・・」
面目ない。最近まで「木幡」の正しい読み方知りませんでした(^^;
ちなみに岡部さんはフツーで、ヨコテン(師匠曰く)はキライ。
師匠は、今日は阪神牝馬Sが買いたいのだとおっしゃる。
ナゼ?と問うと、「フフフ」と笑って新聞を見せる。あぁ、的場さんが乗っているから。
じゃ、エリモエクセルから?と言うと、「買いたくない。」
なんで?
「人気過ぎるから」・・・・・・恐れ入りましたm(_ _)m

師匠のスプリンターズSの買い目は、トロットスターとレッドチリペッパーの複勝!
単に名前が好きとか、帽子の色とか数字で選んでるわけではないところがコワい。
この買い目を競馬好きな連中に言うと、皆、大きくうなずいた。「いいねぇぇぇ」
そして、アグネスワールドは中山では勝てないと言い、ブラックホークはGT馬の器では
ない、とおっしゃる。(ま、結果的には外れてるんだけど、中々言えない台詞なのだ。
実際私もそう思ってたりしたんだから。少なくともアグネスに関してはアタリだし)

エピソードを書いているとキリがないのだが、7歳にして「ケイシュウ」片手に、前走
までの成績や脚質から展開を予想して馬券を買う、(お金の出所と実際に購入してくる
のは親だけど、新聞を見ながらマークカードをカンペキに塗る。口頭でないと馬券を
買えないオヤジなど問題ではない。)彼を、史上最年少の馬券師と呼んでいいだろう。
あまり心情に流されない師匠だが、好きな馬だけは来ないと知りつつ買ってしまった
のだそうだ。そして、その馬の名は

ビコーペガサス

し、渋すぎるよ、ボク、いや師匠。

メインレースが終わる頃にはすっかり仲良くなって、師匠は私のひざに乗らんばかり。
会話をただ文字に起こすと、タダの競馬好き同士の会話に聞こえるけど、7歳と30ウン
歳が同じレベルで会話を弾ませているんだからスゴいのだ。(笑)
それでも、子供がほしいわ、などと全然考えない私ではあったけど、師匠が私の
子供だとすると、27歳で産んだことになり、決して早い出産と言えない事に気づいた。
ってことは師匠のパパママと同じくらいの歳なの?<私。うーん。なんか複雑(^^;

でもね、わたしのことお姉ちゃんって呼んでたもん(笑)<師匠。
子供って正直だからねぇ〜。ふっふっふ。

有馬の時にも来るそうだけど、また会えたらいいなぁ、と思う今日このごろ。
名前も聞かずに別れたのが残念だった。
何枚か「新聞を広げている姿」を写真に撮らせてもらったけど、私が去年一眼レフのカメラ
を買って以来、初めてそのカメラに収めた人間は師匠だったりする(笑)

ケイシュウを手に予想する師匠
1999.12.19 中山競馬場にて


その七おわり


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