大澤 武司
(Dr. OSAWA Takeshi)



 


熊 本 日 記
(2009年6月)

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□2009年6月30日(火)  月末締め切り

 学内の研究所紀要ではあるが、とりあえず論文原稿を出す。先行研究整理+αのようなもの。「東西冷戦と引揚問題―未帰還者問題をめぐる国際政治の構図」というタイトル。タイトルのわりには内容は至ってシンプル。

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□2009年6月29日(月)  専門演習T

 外国人研修生・技能実習生問題に関する事例調査をさせている。なかなか良い報告が増えてきた。エンジンがかかってきたようだ。久し振りにほぼ全員が出席する。

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□2009年6月27日(土)  学術上の階級的立場という問題

 午前中は研究室にて事務処理。午後は東アジア社会文化研究会の司会。尚絅大学の加藤先生による「『初学記』と『貞観政要』をめぐる簒書と政治」という報告。歴史的背景をしっかりと踏まえられた文学史論は聞きごたえがある。70分を超えるご報告だったが、あっと言う間であった。報告の技術にも感銘を受けた。

 夜は幼稚園の父親連の飲み会に参加。一次会にて弁護士の先生、二次会にて労働運動の闘志と歓談する機会を得る。話を総合するに、問題となるのは「学術上の階級的立場」という問題のようだ。もちろん、訴訟の目指すところと学問の目指すところが違うということはわかっている。

 もっとも、こういった問題に初めて出会った高校時代においてすらも、最終的に自らのアイデンティティを確立できないままでいたので、「いまさら」といった感じもあるのだが、「職業としての研究」という問題を考えるにつけ、何らかの自己定義が必要な時期にさしかかっていることを痛感。

 古本屋で手に入れた『反貧困』という新書。「果たしてそうだろうか」と感じてしまうのは、その「階級的立場」に「問題」があるからなのだろうか。「人権救済」というロジックですべてを説明しようとすることに反発を覚えるのは、やはり「階級的立場」に問題があるからなのだろうか。

 古くて新しい問題。この歳になって悩む問題かとも思うが、修練が足りないのだろう。

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□2009年6月24日(水)  高校訪問 その2


鞠知城

 昨日に続き今日は県北をまわる。歴史ある高校も多かったせいか、自分の母校である立川高校の重厚な旧校舎を思い出した。いずれの高校の進路担当の先生も丁寧にご対応くださり、まずはお役目を果たせた感じである。

 途中、山鹿市と菊池市の間にある「鞠智城」に立ち寄る。以前から訪れてみたかった場所だ。7世紀後半、倭軍が朝鮮半島の白村江で唐と新羅の連合軍に敗れた後、その襲来に備える軍事拠点(後方支援の拠点)として築城されたものと言われている。

 写真は平成11年に復元された八角形鼓楼。その横には防人とその家族の銅像など。平日のためか、人もほとんどいなかったが、それはそれで良いのだろう。

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□2009年6月23日(火)  高校訪問 その1

 新しいパンフレットもでき、ホームページのリニューアルも完了したので、熊本の梅雨の合間を見ながら高校訪問へ。今日は熊本南方に隣接する中高一貫校をひとつ訪問することにする

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□2009年6月20日(土)  東京・上野

 研究会などのため帰京。中央線で前に座っていた学生が面白そうな漫画を読んでいたのでタイトルを確認する。「聖☆おにいさん」という漫画。本屋にて3巻まとめ買いをする。

 午後は本郷にて研究会。理論と事例。国際政治学の論文は斯くあるべきといった感じ。いろいろと刺激を受ける。

 終了後は本郷で懇親会。その後、さらに上野で爆飲する。都心に宿をとるのは良いが、決まって翌日は地獄のような二日酔いに見舞われる。人間はなぜ学ばないのか。

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□2009年6月17日(木)  「喝」 その2

 ブログの更新が滞っている。忙しいうえに腹立たしいことも多い。

 それにしてもやる気のない奴は何に関してもとことんやる気がないようだ。そんなんで人生楽しいのだろうか。ここで甘やかすとろくな社会人にならないことは目に見えている。

 「ゼミ」というものがマスプロ化した大学教育の最後の砦であるならば、心を鬼にして厳しく学生に向き合うのが大学教員の最も重要な仕事でろう。もちろん最後は本人次第であるが。向き合うのもよし、逃げるのもまたよし。

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□2009年6月15日(月)  「喝」

 必修である専門演習履修者の緊張感のなさが目立つ。私は嘘が大嫌いなのであからさまなそれにはそれなりの対応をするつもりである。

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□2009年6月6日(土)  オムライスとビーフシチューと私

 二日酔いながらも今日はお嫁様の誕生日なのでオムライスとビーフシチューを作り、ケーキを用意する。何と良くできた旦那だろうか。自画自賛。

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□2009年6月5日(金)  就職祝い

 朝から研究室で引き続き『戦後日本共産党資料』を読む。とりあえず読み終える。おおよそ当時の雰囲気はつかめた感じ。

 夜は男「講師」3人で就職祝い。お店は『橙屋』にて。午後6時の開店から呑んでいたのだが、料理が旨く、話がはずめば、時の経つのも忘れてしまう。気がつけば午前3時過ぎ。お〜講義6コマ分ではないか。

 もちろん飲み過ぎて久しぶりの二日酔いとなる。

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□2009年6月4日(木)  20周年

 第二次天安門事件20周年。考えてみれば、今年は五四運動90周年であり、新中国建国60周年でもある。ただ、昨年の北京五輪で体力を使い果たしたせいか、あるいはベクトルが正反対である事柄が近接していることから「緩衝」し合ってしまっているためか、どうもいまいち盛り上がりに欠けるような気がする。

 午前に講義がひとコマ。午後にゼミと講義がひとコマずつ。合間を見ながら昨年購入した『戦後日本共産党資料』のマイクロを読む。個別の問題に関する「通達」などが収録されており、それはそれで読んでいて面白い。ただ、その「実現性」には疑問符がつくが。目が疲れる。

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□2009年6月3日(水)  再びカリキュラム改革

 午前は授業準備。東京出張中に購入申請したマイクロが届く。

 午後はホームページ関係の確認打ち合わせ。教授会、そして学科会議、さらに中国コース会議。昨年に引き続きカリキュラム改革の話となる。いくつかの新しい要因が入り込んでいるため、昨年とは若干異なる基本的方針を立てて改革構想を練る必要がある。あらゆる方面に影響を及ぼす問題だけに「不能不管」。これも大事な「仕事」である。

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□2009年6月1日(月)  ホタル狩り

 ゼミと講義がひとコマずつ。合間に原稿執筆を進める。編集氏より色々と助言をもらい、色々と考える。もとより文才がないのはわかっているが、いまさらながら学術書というものの「姿」がいまいち判然としない。笑いながら読めるものではないだろうし、興奮しながら最後まで読めるものでもないような気もする。かと言って分厚い「資料集」は絶対に避けたい。

 夜、家族でホタルの乱舞を見に行く。自宅から車で40分ほどで菊池市旭志の渡瀬川へ。川沿いを散歩しながらホタル狩りとは風流なものである。これもまた熊本ならではの体験だろう。当然息子も大満足であった。

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