大澤 武司
(Dr. OSAWA Takeshi)



 


熊 本 日 記
(2008年9月)

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□2008年9月30日(火)  マイクロ・フィルム・リーダー

 少し贅沢なのだが、研究上の利便性を考慮して、研究室に簡易型のマイクロ・フィルム・リーダーの導入を計画している。お願いしていた見積もりがさっそく届いた。ホームページでは〇〇万前後となっていたのだが(ちょっと高いノートパソコンぐらい)、実際の見積もりは「価格改定」やら「オプション」やらで〇〇万近くに膨れ上がっていた(10年前のマックの最上級ノートパソコンぐらいの値段)。どうするかはお楽しみだが、導入すれば研究効率は飛躍的に向上するだろう。

 不二出版の営業の方が研究室に来訪。どうしても詳細を知りたかった「戦後日本共産党関係資料」についてレクチャーを賜る。共産党関係の資料は数多くあるが、なかなか興味深い内容である。まず今年度は第1回配本分を入手することに。日中友好運動関係のモノが含まれていると良いのだが。

 博士論文の原稿に本格的に手を入れ始める。中国側の新規公開史料の吸収があり、大幅な改訂が不可避な状況である。とにかく始まったばかりである。金野さんも単著を出版されたようだ。

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□2008年9月29日(月)  卒業論文指導

 今日は演習がふたつ。3年生対象の専門演習Tは課題図書を読み進めるためのウォーミングアップとしてビデオを鑑賞。いわゆる中国帰還者連絡会の方々による証言映像をまとめたものだが、いきなり本を読み始めるよりも少しはイメージが沸くのではないかと思う。テーマを設定して行うゼミはある程度情報や知識が蓄積していくまでがきついのだが、少しでも興味がわいてくれればと思う。

 専門演習Uは卒論執筆予定者による報告。書きたいことは山ほどあるが、教育上の配慮から敢えて筆を折る。

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□2008年9月24日(水)  CNKIトライアル

 図書館から内線。「先生からお話がありましたCNKIなんですが、10月1日よりトライアルに申し込むことにいたしました。ぜひご利用いただき、ご感想などいただければ幸いです」とのこと。

 日本の大学がどれぐらいの割合でCNKIを導入しているのか不明だが、大陸で刊行された論文を直接ダウンロードできるのは本当に有難い。とりあえず今年は科研費で購入した200ポイントのカードでしのごうと考えていたのだが、図書館の迅速な対応に感謝感激である。

 もちろん、せっかくのCNKIなので、今年度卒論に取り組む学生諸君は積極的に活用してほしい。2〜3本で構わないので、自分の選んだテーマに関係しそうな論文、あるいは論説を翻訳して読み込んで論文に反映させて欲しい。第1期大澤ゼミの卒論のテーマは、「チベット問題」、「改革開放とファッション」、そして「歴史認識問題」と多岐にわたっている。残すところ3ヶ月。そろそろスパルタ・モードに...。

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□2008年9月22日(月)  秋学期開始

 本日より秋学期開始。専門演習Tは野田正彰氏の『戦争と罪責』(岩波書店、1998年)を核にしながら、いろいろ読んでいくことにする。ひとつのテーマについてじっくり情報を共有しながら議論を深めていく作業がまず必要だと思う。専門演習Uは各自の課題を追ってもらう形にする。ゼミは学生を「お客さんにしない」ことが何よりも肝要だと思うが、応えてくれるか。

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□2008年9月21日(日)  御船町恐竜博物館




 息子に「恐竜ブーム」到来。朝からの土砂降りで退屈そうにしているので、近くにあるらしい「恐竜博物館」へ連れていくことにした。町営ということなのでそんなには期待していなかったのだが、せっかく図鑑でいろいろな恐竜の名前を覚え始めたところなので、「まずは実物大のものを」ということで江津湖の先にある「御船町恐竜博物館」を訪問。

 良い意味で期待を裏切ってくれる充実度というのが率直な感想。公式ホームページを見ていただければお分かりのように標本も実に丁寧に陳列されており、かなりの迫力である。

 何より素晴らしかったのは自然科学系の図書の充実度合いである。学術専門書とまではいかないが、「小さな恐竜博士」を育成するには充分とも思われるボリュームで、町の担当者の意気込みがヒシヒシと伝わってくる。お土産に「アパトサウルス(我々の子供時代にはブロントザウルスといったような...)」のキーホルダー(350円)を購入。もちろん息子は大満足。

 それにしても、最近の恐竜図鑑と言い、恐竜博物館と言い、我々が子供時分の頃より随分と研究が進展したようである。強引な結論だが、これも改革開放により中国の広大な大地における研究成果が反映された結果だろうか。

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□2008年9月20日(土)  春餅

 李老師のご自宅に家族でお招きいただき「春餅」を御馳走になる。海外研修引率先の長春で「春餅」を食べたのだが、「嫁さんにも食べさせてあげたいなぁ」と言ったら「まかせて!」と李老師。すぐさまセッティングしてくださった。

 「春餅」の皮を焼いたのは初めてだが、「領導」が良いためか、うまく焼けた。それにしても、あっというまに大皿の料理を何品も手際よく仕上げてしまう様はさすがである。御馳走の洪水に溺れた楽しい時間となった。

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□2008年9月16日(火)  CNKI

 科研費でCNKIカードを購入。もっとも現在は臨時サーバで運用中のため、詳しい仕組みがよくわからないのだが、とにかく論文をダウンロードする。「戦犯」で検索すると、最近『中共党史研究』に掲載された「周恩来与対日本戦犯的処理政策」が早くもヒット。そういえば、まだ現物と原稿料を送ってこないがどうなっているのだろう...。

 終日研究室にて論文構想を練る。練って出るものでもない。体系的かつ戦略的に次の仕事を考えなければ。

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□2008年9月11日(木)  一日が短すぎる

 ようやく師匠の論文の確認作業を終える。無事送信。とはいえ山積みの仕事。とにかくひとつずつ片づけていくしかない。まず投稿論文を発送。カリキュラム最終案作成、シンポジウム企画立案、イベント企画の立案、研究図書の購入手配、CNKIカードの購入手配、お嫁様の自動車の教習、『延安レポート』の読み込み、講義準備...。ようやく講義準備。秋学期開始まで10日間。どこまで貯金ができるか。新任校での慣らし運転はもうそろそろ終わりにしよう。

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□2008年9月10日(水)  続々々・会議

 午前中は昨日に続き師匠の論文の確認作業。途中、某先生がカリキュラム編成の「最後の議論」について会心の解決案を持って研究室を来訪。1時間程意見交換をしてベテランの先生方に提案することとする。これで学生さんたちがさらに明確な方向性を持って勉強できるようになることを祈る。

 午後はカリキュラム編成会議。ほぼ議論が出尽くし、「会心の解決案」を揉んだ末、ようやく納得のいく新しいカリキュラム案が完成。着任日以来5ヶ月余りに及んだ会議もとりあえず着地。完成したカリキュラム案を眺めると、これまでの議論の経緯が浮かんでくる。こうやってノウハウは蓄積されていくのだろう。

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□2008年9月9日(火)  続々・会議

 午前中は研究室で師匠が執筆した論文の確認作業。結構長文なので時間がかかる。同時に、秋のオープンキャンパスで開催するイベントの企画案なども息抜きがてら作成。さて、どうしたものか。

 午後はカリキュラム編成会議。もとより「新人オブザーバー」として参加した会議だが、本当にいろいろと勉強することが多かった。これまでの問題点を整理しつつ、制度として実際に機能するかどうかを議論しながら組み上げていくカリキュラム。かなり美しく仕上がりつつあるのではないかと思う。残すは最後の議論のみ。

 夕刻、自分の担当する講義の開講形態について、某先生の研究室にて助言をいただく。組織のなかにいることを改めて実感。カリキュラム編成といい、開講形態の決定といい、これが大学の先生のいわゆる「仕事」なのだろう。

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□2008年9月4日(木)〜8日(月)  東京日記

 全国に6つある中国研究拠点のひとつ慶応義塾大学東アジア研究所現代中国研究センターの研究合宿参加のため東京へ。昨月から出張が多く、電車より飛行機に乗っている回数のほうが多くなっている。

 午後は三田にて終日研究会議。口述歴史の醍醐味を堪能する時間となる。懇親会で飲み過ぎる。禁酒を誓っているが、久し振りに会った気の合う研究仲間と一緒に飲めないならば、何のための人生か。今回は越後湯沢での合宿となるが、しばし禁酒は断念せざるを得まい。

 数多くの打ち合わせをこなして愛しの熊本に戻る。

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□2008年9月3日(水)  続・会議

 昨日に続き午前中は研究室にて出張準備。午後はまず教授会。続けて学科会議。カリキュラムに関する議論が続く。ようやく争点が顕在化した感じ。議論も白熱する。会議後、学科の行事運営について1時間ほど研究室にて某先生と意見交換。それぞれ理想とするところは異なるようだ。

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□2008年9月2日(火)  会議

 午前中は研究室にて出張準備。午後は学科会議。着任当日から関与してきたカリキュラム編成。ようやく着地点が見えてきたか...。

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□2008年9月1日(月)  新たにスタート

 午前中は科研費の交付申請書の最終確認。これまで中央大学と慶応義塾大学で科研費を執行してきたが、細かい手続きは各大学によってかなり異なるので、慣れるまでがいつも大変である。

 もっとも、これまではいずれも特別研究員ということで、大学院生だったり、ポスドクだったりして、どこか事務さんに対しても「お願いしている」的な感覚があったのだが、今度はとにかく仙人、いや専任になったし、間接費用も結構な金額ついてきているので、そんなに遠慮する必要はなさそうである。

 とにかく半年で1年分を執行することになるので、「気合い」を入れねば。

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