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大澤 武司
(Dr. OSAWA Takeshi)



 


研 究 日 記
(2004年9月)



□2004年9月28日

 中秋節は見事な満月。最近、台湾では自宅の軒先で家族揃ってBBQをやるのが流行っているようだ。町中あちらこちらからお肉の焼ける香りが漂ってくる。


□2004年9月27日

 明日は中秋節だというのに台北はあいにくの雨模様。お月様は見えそうにない。

 ひとしきり史料の整理を終えた後、社会勉強のために台湾のカラオケに潜入。日本であれば、平日昼間だとだいたい30分100円とか、150円でワンドリンク注文が相場か。ただ、台湾のカラオケ、特に有名な銭櫃はもうちょっと高級な感じである。訓練の行き届いた黒服のお兄さんたちがてきぱきと入店処理をしてくれて、革張りソファーの部屋に案内してくれる。台湾では(日本でも?)2時間も3時間も一人でカラオケで歌っている人は珍しいようで、料金システムは複数を前提に設定されているようだ。まず、部屋料金の基本価格(サイズで決まる)があり、曜日毎・時間帯毎に割引率が決まっている。今日であれば祝日前日なので「6折」ということで基本料金の4割引きがスタートとなる。これにサービス料が加算され、なおかつ一曲歌う毎に5元が加算されるというシステムになっているようだ。

 システム的な問題もあるのだろうが、曲数を多く歌いたい人向きではないようだ。もっとも、複数を前提にしているシステムなので、相当の人数で行けば割安感はあるだろう。サービスとして2種類のソフトドリンクがつくのだが、「お試し入店」という気持ちだったのでコーラだけをお願いした。すると、2リットルはあろうかというピッチャーに入ったコーラが登場。もちろん、飲みきれるはずもなく...曲はもちろん日本語のものもあったが、定番どころが2000曲ぐらいか。私としてはちょっと物足りない感じ。


□2004年9月26日

 今日は日曜日。朝は少し寝坊をしてから駅前の繁華街へ。小腹が空いたので山東刀削麺のお店で紅焼牛肉麺を注文。運ばれているのを待っていると、なにやら急に周囲が騒がしくなってきた。本当に狭い店で、15人ぐらいはいるのがやっとのところにカメラを担いだテレビ局のクルーが多数乱入。

 なにが始まるのやらと思ったら顔の彫りの深い、どこかでみた七三分けのダンデイさんが入ってきて、僕の隣のテーブルでやはり牛肉麺をざぱざぱと食べ始めた。国民党若手のホープ馬英九台北市長である。周囲にいるのは立法委員の方々のようで、自分の名前の入ったジャンパーを着て、しきりに馬市長と談笑。全く気取らず牛肉麺をかっ込む馬市長の四年後が楽しみである。良い思い出になった。


□2004年9月24日

 「異国」で気軽にメールチェックをし、自分のページを更新できるというのは前回の訪台(今年の3月と5月)では考えられなかった。というより、するつもりもなかった。今回は史料調査旅行ということもあり、どこでも行ってみよう、なんでもやってみよう、というのを合言葉にして動いている為、新鮮な発見も多い。かつて「マック」を使っていた頃であれば「PPP」の設定やら、なんやらで途中で「自滅」していただろうな(1997年頃の話)。それ以前に海外に持っていけるほどPCが軽くなかった。

 今日は古本屋街と書店をまわった。ただ、やはり専門書はほとんどない。仕方なくふらっと入った中正紀念堂の図書館書庫で史料をもぞもぞ。国家図書館が目の前にあるのだが、とりあえず、今回の訪台で中身を確認しておきたかった刊行史料がほとんど揃っていたので、ここで時間を過ごした。無論、日本でも入手 ・閲覧可能なものは多いが、時間と手間がかかる。現地の専門図書館書庫の品揃えは、シーラカンスの群泳を見た気分になる。


□2004年9月23日

 今日は国史館での史料収集。台北駅からMRTで約25分、新店の駅に到着。本来であればバスで行くのが良いのだが、初日ということもあり、雨降りということもあり、タクシーで直行。10分前後。思いのほか山奥。入り口で入館手続を済ませ、一番奥の最も高いビルの3階が史料閲覧室。なんとか時間通りに到着。

 閲覧史料については事前にメールでアーキヴィストの方に連絡をとっておいたので、事前に用意しておいてもらった。拙い中国語が通じていたようだ。時間が限られているので体力勝負。一度に出てくる量は20巻までと一見すると多いように見えるが、いざ必要な史料を複写し始めるとそうでもない。とりあえず、事前に閲覧申請をしておいた史料は初日で獲得することができた。複写代も日本や中国に比べると驚くほど安い。初日でマイクロからのプリント・アウトも含め606枚。フル稼働した感じの一日だったが、それなりの充実感があった。原史料はやはり良い。島根県立大学の知人の先生がいらっしゃった。史料の利用に際して大変お世話になった。かなり近い対象をご研究されているようだ。今後、いろいろとご指導いただけそうな「異国」での出会いとなった。

 帰りは国史館の職員さんが乗るバスに乗せてもらうことも出来るが、やはり、雨続き、なおかつ複写史料が「太重」ということもあり、市バスで帰る。「一段」分でMRT新店站まで行くので15元。行きは105元。無論、バスがお徳。

 ホテルに戻って少しだけ史料の整理。さて、国史館が臨時休館の明日はどこへ行くか。


□2004年9月14日

 中国現代史関係の共同執筆論文を脱稿し、受理されました。題名は「中共党史の展開と胡喬木――『中国共産党的三十年』から『中国共産党的七十年』へ」です。私にとって初めての本格的な中国現代史研究論文への取り組みとなりました。2年半余の研究会の成果です。10月上旬には研究報告、11月中旬いんは刊行を予定しています。

 台湾へ史料調査に行きます。10日間と短期ですが、ネットで目録検索ができるだけに、集中した史料収集が出来そうです。今年3度目の訪台です。年3回の里帰りは多すぎでしょうか。

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