「第0話 予告編」  昭和46年3月18日に生まれる。  「自分の哲学を持った正しいヒトに成って欲しい」との願いから「哲」と名づけられる。   ・  ・  ・  ・  近所のヒト:「あら、今日もお姉ちゃんとおでかけ? 仲が良いわね」     自分:「あたりまえだい、オイラおねえちゃんだいすきだもの!!」  近所のヒト:「お姉ちゃんも大変ねぇ」      姉:「それほどでもないですよ(笑)」  ・  ・  ・  ・  自分:「あれ? お姉ちゃん、髪切ってコンタクトにしたの?!」  姉:「うん、もう高校生だしね、自分のしたい髪形にすることにしたの」  ・  ・  ・  ・  目の前の人間を横に突き飛ばした瞬間、急停止しかけた車に跳ねられ  標識に叩きつけられた。  ・  ・  ・  ・  医者:「左腕の痛覚はほぼ完全に麻痺状態です      力も満足にはかけられないでしょう...      左胸の状態ですが、30歳になるまでにもう一度血を吐いた時には...」  自分:「時には?」  医者:「その時は..諦めてください」  ・  ・  ・  ・  自分:「オイラが勝手に轢かれたんだ、気にするな」  ○○:「そういうわけにはいきません...」  ・  ・  ・  ・  ○○:「哲さんのこと好きです」  自分:「必要以上に近寄るな...邪魔だ」  ・  ・  ・  ・  嫌悪感を与える為だけに、乱暴に彼女を押し倒した。  少しでも嫌がればすぐに開放し、『二度と近寄るな』と言い放つつもりだった..  ・  ・  ・  ・  昼の仲間、夜の仲間が出来た。  自分の中にも別の自分が出来ていた。  ・  ・  ・  ・  自分:「オイラも、それ売るの手伝おうか」  ××:「白猫さんはこんなことをやっちゃいけないよ...      人間の毛皮なんざ、一度汚れたら取り替えることなんか出来ないんだからさ      そばにいる黒猫さんを泣かせちゃいけないぜ」    ・  ・  ・  ・  ○○:「またお父さんに殴られちゃった...もうあの家にいたくない...」  自分:「それで?」  ○○:「高校卒業したら家出して一人暮しするの      哲さん一緒に住んでくれませんか?」  ・  ・  ・  ・  ○○の父親:「貴様、娘を何だと思っている!!         家出までさせて同棲とはどこまで腐ったやつなんだ!!」     自分:「オイラは頼まれたから居ただけだ...         ...潮時らしいな、オイラは帰る」     ○○:「ありがとう...         この一ヶ月間、本当に自分らしい生活が送れたような気がする」  ・  ・  ・  ・  自分:「姉さん...結婚おめでとう」   姉:「哲はまだあの娘と結婚しないの?」  ・  ・  ・  ・  ○○:「私と美奈子さん...どっちの方が好きなの?」  自分:「オイラがお前に『好きだ』って言ったこと一度でも有るか?」  ・  ・  ・  ・  自分:「オイラ、おばあちゃんの住んでたところリフォームして一人暮しするわ」  母親:「生活できるのならば勝手になさい」  ・  ・  ・  ・  易者:「あなた、引越ししたことで『星』が変わったわね....      『集光』という『星』よ、あなたの周り..ヒトが集まるわよ      あなたが望むにしろ望まないにしろ..ね」  ・  ・  ・  ・  ββ:「石原さんは本当に楽しいねー」  自分:「そうなの? あんまり実感わかないけど」  ββ:「楽しくなかったら、こんなに毎週毎週ヒトは来ないよ」  ・  ・  ・  ・  誰にも言った事のない言葉を、キーボードに向かって静かに打った。  自分で自分の心にナイフを刺すことを知っている、顔を見たことのない女の子に向かって。  しばらくした後、同じ言葉で作られた返事が音もなくディスプレイに表示された...。  ・  ・  ・  ・  △△君の家に泊まって直接会社に行った。  会社で待っていたものは、兄からの電話だった。  『お母さんが昨日倒れた』  ・  ・  ・  ・  『ピ−ツ、ジュウサンケン、デス』  『ピーツ』 『お母さんが倒れたの、帰ってきたら家に電話して』  『ピーツ』 『哲か? お母さんが倒れた、救急車で運ばれたんだ早く戻って来い』  『ピ−ツ』 『まだ帰ってませんか、お母さん重態なの、早く連絡頂戴』  『ピーツ』 『どこに行ってるの? 家に帰ってきてないの?』  『ピーツ』 『どうして電話くれないの? 来たくないの?』  『ピーツ』  『ピーツ』  『ピーツ』  ・  ・  ・  ・  □□:「お母さんのこと、嫌いだった?」  自分:「嫌いだった...嫌いなくせに大好きだった」  ・  ・  ・  ・  ※※:「石原さんを探してるヒトが今日チャットに来てたよ」  ・  ・  ・  ・  ○○:「元気? なんとなく哲さん気配変わったね」  自分:「そうか?  オイラはオイラだけどな..」  ・  ・  ・  ・  ○○:「好きなヒト、できたの?」  自分:「ああ、多分な...」  ・  ・  ・  ・  □□:「遠いって不利?」  ・  ・  ・  ・  □□:「私はあなたを理解できたけど、救うことはできない....      あのヒトは、あなたを理解できないかもしれないけれど、      あなたを救うことが出来ると思う      だから....さよなら....」  ・  ・  ・  ・  ○○:「バレンタインのお返し、ホワイトデーじゃなくて前借りできる?」  自分:「前借り?」  ○○:「そう、前借り      明日一日、私と夫婦でいてよ、一日だけで良いから」  ・  ・  ・  ・  ☆☆:「石原さん、○○さんの件で株が急落してるよ      少なくとも硬派なイメージじゃ無くなったね      別れるにしろくっつくにしろ、どっちかに決めたほうが良いよ」  ・  ・  ・  ・  自分:「さよならだ....オイラの傍に居ない方が良い、未知にとってはな」    ・  ・  ・  ・  〒〒:「石原さん!! ○○さんが昨日の夜交通事故に巻き込まれて....」  ・  ・  ・  ・  ○○の父親:「お前が娘の人生にかかわったから...         お前さえ居なければ娘は平凡な人生を送れたんだ...         お前がすべての元凶だ...出て行け...         二度とここへは近寄るな!!!」  ・  ・  ・  ・  石原:「たぶん....『好きだった』んだと思う...お前のこと      ...この言葉で、微笑んでくれるか?」  ・  ・  ・  ・  αα:「石原さん...ここはお金と引き換えに、かりそめの安らぎを求めにくるところ      ...あなたはここに来るべきヒトじゃ無いわ....      あなたは、安息の場所を見つける事が出来るはずだから」  ・  ・  ・  ・  ヒトは流れる、ヒトは出会う、ヒトは別れる....オイラは何処へ.....