「うーん、あったかい飲みものならココアでしょ。ミルクティーでしょ。
あと、カフェラテかな」
「甘いミルクベースが飲みたいんだね。……ケーキは?」
「スフレ食べたいなー。ふわふわのバニラ味! あ、ホット・アップルパイか
焼りんごも外せないね。アイスクリーム添えてね。クレープシュゼットもいい
な。フランベすると雰囲気いいでしょ。流行のフォンダンショコラも好きだな」
「作りたてでなきゃ食べられないものばっかじゃない」
「だから家にいようよ。こんな寒い日に、外、出たくないよ」
「……瀬伊くんが、そうしたいならいいけど」
「ありがと、むぎ」
「まぁ、あたしも外で困っちゃうことされるより、家の方が安心だしね」
「ふーん……そういうこと言うわけ」
「今、言ったお菓子食べたいなら邪魔は無しだよ!」
「気が変わったよ。リクエスト変更」
「あ、やんっ! 何する……っ」
「一番食べたいものは、いつだって決まってるでしょ。そろそろ覚えてよね」
何より暖かく甘いものは恋人の蜜。
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