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 御堂家の謎・その3 





 家政婦の仕事を終えると、同居人全員が順番に、その日の仕事ぶりを

評価しに、むぎの部屋まで来るのはなぜだろう。

 こっちは疲れて眠いし、明日の授業の下調べや、お姉ちゃんの事とか

やること山盛りなんだから、小姑よろしく、わざわざ言いにこなくたっ

ていいのに。

 百歩譲って、家主の一哉が代表してチェックじゃダメなのだろうか。

「もしかしてボーナス査定とかあるのかな。……まさかね」

 いくらなんでも、そこまで一哉は気前が良くないはずだ。


「御堂に言われたからに決まってるだろ」

 むぎの疑問に、あっさりと麻生は答えた。

「えー、一哉くんってば、なんで……」

「一人の目だけで見ると評価が偏るからじゃねぇの?」

「だからさ、何だってそんないちいち……麻生くんだって面倒でしょ」

「……別に今は、そうでもないぜ」

「今は……?」

「…………寝る前に必ず、お前の顔……見られるわけだし」


 頬が熱くなるのは、誰のせい?







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