「なんで、こんなもんが廊下に落ちてるのよ! この家、ヘン過ぎる!」
家政婦むぎは、ご立腹だ。
さっき掃除しようとして見つけたのは、なんとヘビの抜けがらだ。
もう、どうにかしてほしい。
「何か文句があるのか」
主人の御堂一哉は、いつもやたら偉そうだ。
実際、偉いのだろうが、むぎはひるまない。
言うべき事は言っておかないと。
「あのさ、片づけるのはあたしの仕事だからいいけど! 捨てていいか
判断に困るもの放っておくの勘弁してほしいんだよねっ!」
「本当に大事な物なら、さすがに放置しないだろ。捨てればいい」
「誰かが文句言ってきたら?」
「言わせないから安心しろ」
「どうやって?!」
「こうやって」
ふさがれる唇の甘さは反則。
「お前が家主の恋人だって、いつでも見せつけてやるからな」
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