[戻る] [異次元へ戻る]


ポポロンさんとサンタさん

ジュリ 「ねぇ、ポポロンさん、 サンタさんは何故プレゼントを配ってるのかなぁ」 ポポ 「昔、サンタさんは文無しのただのお人好しの おじさんだったんだよ。仕事もなくてね」 ジュリ 「へぇ、そうなんだ」 ポポ 「ある日、神様が見かねて、 3つだけ願い事を聞いてあげることにしたんだ。 サンタさんは億万長者にして下さいって頼んだんだ」 ジュリ 「ははーん、それでおもちゃをいっぱい買ったんだね」 ポポ 「いや、お金が入ると、今まで聞いた事もない 親戚とか友達がいっぱい来てたかるんだ。 それに、持ちつけないお金を持っちゃったから、 麻雀や花札でスッテンテンになっちゃたんだね」 ジュリ 「やなサンタだな」 ポポ 「それで、お金が無くなる頃には 周りに誰もいなくなっちゃった。 こんな悲しい事はないね。 すると、神様が現れて2つ目の願いは、って。 だから今度は権力、王様にして下さいって頼んだ。 だけど、王様はすごく忙しくて、サンタさんは疲れた。 おまけに、王様とは名ばかりで、お城の中は お妃も含めてみんなが王様の地位を狙ってるんだ。 夜もゆっくり眠れないね」 ジュリ 「そうだね、元々文無しのただのじじいだもんね」 ポポ 「ある晩、お妃と王様の側近がごはんに毒を盛ったんだ。 サンタさんは気がついたけど悲しくなって一気に食べた。 するとそこに神様が現れて、3つ目の願いは、って。」 ジュリ 「ウンウン、それで」 ポポ 「もう、お金も権力もコリゴリです。 あなたは、人々に福を授けてまわってるんですよね。 私にお手伝いをさせて下さい。 私のような人間はひとりで欲をかいてはいけないのです、 って神様にお願いしたんだ」 ジュリ 「なるほど」 ポポ 「ただ、福を授けるの人々は毎年抽選で限られちゃうから、 少しの福を子供達に配るのなら、 よかろうって神様は言ったんだ。 それで、サンタさんは神様の僕になり 働くことが出来るようになったんだよ」 ジュリ 「いい話だね。なんとなく聞いたような話だけど」 ポポ 「言わなきゃわかんないよ」 ジュリ 「ところで、少しっていうのはどれくらいなの?」 ポポ 「いちおう、税抜きで3000円くらいね。 それなら交際費でなく厚生費で落ちるからって。 税務署もうるさいらしいからね。 それに、神様との雇用関係で労働基準監督署もやかまし いし、 結構骨が折れるらしいよ、余計な事で 」 ジュリ 「サンタは1人かい?」 ポポ 「イヤ、今のは、北砂の砂町銀座にいるサンタさんの話だよ」 ジュリ 「・・・泣いた僕が馬鹿だったよ!」

[戻る] [異次元へ戻る]