PersonaWareについて

2004-11-07

ここでは、PersonaWare やペルソナの概要をごく簡単に紹介します。

「ペルソナって何?」という人向きです。
「ペルソナを求めて」このサイトに来た人には冗長な説明ですから、読み飛ばすのが吉でしょう。

なお、Chararina と PersonaWare は実質同じものです。 当サイトで頒布している HALCA は "PersonaWare 0.93d 対応" となっているため、当サイトでは PersonaWare 或いはペルソナの呼称を使用します。

経緯

ペルソナウェア(PersonaWare)は、自称「ネットワーク対応仮想人格処理系」のシステムです。 現在では「キャラリナ(Chararina)」と改名しています。 プラエセンス株式会社(Praesens:以下「プ社」と略記)が開発,翼システム株式会社が管理を行っている様ですが、分かり易くは述べられていません。1

PersonaWare 自体は処理系ですから、単独では何もできません。 PersonaWare が提供する機能を使って実際に仕事をする「ペルソナ(Persona)2」が必要です。 そのため、標準的な PersonaWare の配布パッケージにはペルソナが同梱3されています。

過去の主なバージョンを簡単に紹介します。

Ver.0.93dまで

Ver.0.93d までは、フリーソフトとして提供されていました。 この種のソフトが珍しかった事や独自ペルソナの開発が可能だった事が受け、ヒットしました。 無償であったと言う要素も大きかったと思われます。 ペルソナの開発キット(PDK: Persona Development Kit)や開発情報も、現在と変わらないレベルで提供されていました。 高く評価し、また敬意を払っていた人も多い様に思います。

1.00以降とは大きく性格が異なるため、「0.93系」と呼ばれます。

Ver.1.00以降

Ver.1.00 からは、シェアウェア (\2,500) としての提供に切り替わりました (2000-10-07 発売)。 0.93系に対し、「製品版」または「1.00系」と呼ばれます。 開発中は仮に Ver.0.97 と呼ばれていたので、0.97 の呼称を用いているサイトもあるようです。 製品版に切り替わった事により、Ver.0.93d までの提供は打ち切られました。

PersonaWare 1.00 では、0.93系のペルソナを Ver.1.00 用にコンバートして動作させる機能を装備していました。 ただし、ペルソナの作りによっては正常にコンバートできない様です。 基本的に、0.93→1.00 移行期の"つなぎ"に留まりました。

Ver.1.03Alpha

方針の変更があった様です。 Ver.0.93系との互換性を確保した試作版が公開されました (2001-01-20)。 Ver.0.93 用の処理エンジン搭載する事で互換性を確保し、コンバートしないで動作させるようです。 ただし、ディレクトリ構成の違い等から、100% 互換とは行かない模様。

Ver.1.03Beta1

1.03Alpha で問題だった相対パス指定の問題はこのバージョンで解決しました。 これ以降 0.93互換モードの修正はありません(改版履歴による)。

Ver.1.50

プラグイン機構を実装したのが目玉。 「デスクトップにキャラクタを立たせて何かをさせよう」という当初の目的に一歩近づいたようです。 標準のペルソナは "春菜"。

シェアウェアの頃(1.0〜1.5)をまとめて「1.x系」と呼ばれたりします。

Ver.2.0

「ペルソナウェア2002」という愛称が冠されました。 2002-07-01公開。

従来のVer.0.93,1.00,1.50との上位互換性を保ちつつさまざまな新規機能を追加したバージョン とのこと。 プラットフォームであるペルソナウェア2002 は無償提供し、キャラクターの利用に課金するビジネスモデルに変更されました。 サードベンダ製のキャラクターをプ社が販売代行するなど、新しい試みが為されています。

簡易メッセンジャーの導入,キャラクターを訪問させる「キャラデリ」,PersonaWare として情報提供を行う「インフォデリ」などが目玉。 反面、プ社のサーバにログインする手続きが必要であったり、有償キャラクターを使用しない場合は広告が表示されたりする様です。

サードベンダによるキャラクターの開発/配布/運営は、これまでどおり自由に行ってよい事になっています。 開発ドキュメントやPDKは無償提供されています。 キャラクターに課金するか否かもベンダの裁量に委ねられます。 ただし、プ社経由の販売でない場合、「有償キャラクターなし」の制約を解除できるかどうかは分かりません。

Ver.3.0

2004-07-01 より「キャラリナ(Chararina)」と名称変更されました。
現行のペルソナウェア。

RSSリーダ,キャラクターとの対話機能(春菜四姉妹のみ),Windows Media Player 9 との連携といった機能が追加されました。 ライセンスは、同じキャラクターの Chararina 対応版へ移行されます。 PWS2002 版のキャラクターがそのまま動くとは限らないようです。 サードベンダによるキャラクターの開発/配布運営は、これまでから変更ないようです。 開発ドキュメントやPDKは、引き続き無償提供されています。

Chararina 対応のサードベンダは数えるほど。 春菜4姉妹を含め、着せ替え(コスプレ?)メインであって、当初の「仮想人格」「デスクトップにキャラクターを立たせて何かさせよう」といった方向からは外れています。 面白そうだとは、とても思えない状況。

ペルソナ

プラットフォームである PersonaWare 上でスクリプトが実行されたものが「ペルソナ」です。
同じものが、Chararina では「キャラクター」と呼ばれます。

"綾織"言語や PersonaWare 自体には、「仮想人格」を定義する機能は備わっていません。 「仮想人格」らしきモノは、ペルソナ側で実現されます。 ただ、その実体は予め用意された"台本"をフキダシに表示すると言うものです。 また、スクリプトからグラフィックを差し替えることもできます。 例えるなら、小説や紙芝居の登場人物に人格を感じるような物でしょうか。 どんな時に表示するかはスクリプトで指定できるため、一応、言動のバリエーションを作る事ができます。

この様な構成になっているため、ペルソナを使用するユーザは、次の2つを用意する必要があります。

PersonaWare 本体は単体では配布されていません。 1つめのペルソナとして、なにがしかのペルソナが同梱されています。 多くのユーザは、最初に導入したペルソナに触れる事になります。4

ペルソナベンダ

PersonaWare の凄いところは、誰でも比較的簡単にペルソナ開発し、公開・運用する事が可能である点です。 スキンやゴーストなど名称は様々ですが、今でこそ同様の機能を持つプラットフォームは珍しくはありません。 その中にあって、ユーザが自由にキャラクターを開発できる物としては PersonaWare が先駆者のひとつと言えるでしょう。

"春菜"に代表されるプ社製ペルソナ以外にも、多数のペルソナが存在します。
本サイトで公開している HALCA も、そのひとつです。

独自のペルソナを開発・公開している個人/団体を、ペルソナベンダ,或いは単にベンダと呼びます。 ベンダには固有のベンダコードが割り振られ、これによりペルソナの一意性を確保します(ペルソナを納めるフォルダ名の一部に使われます)。 ベンダコードは早い者勝ちで好き勝手に名乗っていいようで、事実上の無政府状態5です。

ペルソナ・コミュニティ

世の中には、ベンダにより作成された 非プ社製のペルソナ,無償のペルソナが多数存在・公開されています。 ペルソナウェアの基本操作を覚えたら、好みのペルソナを探してみましょう。

大抵のベンダのサイトには、その為のリンク集が用意されていると思います。 最も盛り上がっていた頃には、ペルソナの展示会といった趣のイベント6も開催されていました。 また定番サイトもありましたが、閉鎖されたようです。

現在、こう言ったサードベンダ,およびサードベンダ製ペルソナのユーザを巻き込んだコミュニティは崩壊しており、新たにプ社を中心としたキャラリナユーザ同士のユーザコミュニティが形成されつつあります。 いくらかのサードベンダも存在しますが、もはや主役ではありません。 ベンダの協力なしでやって行ける体制が構築されているため、或る意味当然の帰結と言えます。 現在のコミュニティに参加するには、ある程度の金銭的な負担を強いられます。

把握している範囲で "生きている" サイトを幾つか紹介しましょう。

サイト/コンテンツ備考
ANK's WebPage の "稼動中ペルソナ一覧" 0.93系のみ
公式サイト のキャラクターライブラリ 全バージョン混在(主にPWS2002系)
  1. プ社の位置づけ
    Hira的にはプ社は翼システムの社内ベンチャーという認識ですが、どうなんでしょう?

  2. ペルソナ
    ペルソナウェア Ver.0.93〜1.5 では「ペルソナ」と呼ばれていました。 ペルソナウェア2002 および Chararina では「キャラクター」と呼びます。 本稿では、これらを特に区別する必要がない場合は「ペルソナ」と称します。

  3. ペルソナが同梱
    ペルソナウェア Ver.0.90〜1.5 では標準のペルソナとして "春菜" が同梱されており、ソフトウェアの名称も「ペルソナウェア with "春菜"」でした。 "絢夏"は綾織コードのサンプルでした。 ペルソナウェア2002 以後は、プ社サイトにて春菜四姉妹ほかのパッケージが多数用意されています。

  4. 最初に導入したペルソナ
    ペルソナウェア Ver.0.90〜1.5 では "春菜"。
    ペルソナウェア2002 では、プ社の扱う有償キャラクター。 ただしカネを払っていない場合は、別途導入したペルソナ。 まぁ、そこまで出来れば、ここで言う「多くのユーザ」の範疇ではありませんが。

  5. 無政府状態
    以前は、プ社管理の「ベンダリスト」と言う一覧があり、使用済みのベンダコードを検索する事ができました。 これにより新規参入ベンダは既存ベンダコードとの衝突を回避できましたが、現在はベンダリストが廃止されているため、希望するベンダコードが使用済みか否かを知る手立てはありません。 キャラクターライブラリに存在しないペルソナ(およびベンダコード)は「空き」と言う扱いなのでしょう。

  6. ペルソナの展示会
    ペルソナフェスタ(http://www.mikage.to/~pfesta/)など。 フェスタは永らくオフィスが置かれていましたが、現在では消滅しています。 コミュニティは小さくなる一方です。

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