北海道オフロードTouring'92 4日目




8/14/1992 ツーリング史上最悪の日(;_;)(;_;)

[霧多布〜根室〜別海]


# 6 根室まではまだよかったのだが・・・

この日は,これまでのツーリング史上最悪の日だったような気がする・・・(;_;)
いえいえ,原因はいろいろありまして・・・
ロングツーリングに慣れてなかったというか,マヌケが一気に吹き出たというか・・・
いい日もあれば悪い日もあるということで・・・

朝,目覚めて霧多布はその名のとおり霧だらけで,ほとんど視界なし(;_;)
もともと,8月の太平洋岸いうのは霧がかかることが多いのです (3年前の夏は,晴れてたんですけどね)
ぼやいても仕方ないので,宿の写真でも取ろうかとカメラの用意をすると,レンズが開かない。
“やばっ”と思ったものの時は遅く,そう,昨日の雨のせいでどこかやられてしまったようで, 霧多布市街のカメラ屋に行ったものの,復活しませんでした(;_;)
(教訓その3:雨の日は,無理やり写真を取らないこと)

霧多布から海岸沿いに東に進むと,「ムツゴロウ王国」というものがあったので, 寄ってみたんですが,中を開放してるわけでもなく,
門の右横に土産小屋がひとつあったんですが,これまたどうというものでもなし。
“とにかく海岸から遠ざかるほうがいい”という判断から,羨古丹(Urayakotan)から 姉別(Anebetsu)の方に進路を変えると,これがいい読みで,だんだん視界が開けてきて, JR姉別駅前に着いたころには薄日もさすくらいになりました(^_^)
あんまり気分のいいもので,駅前の広場(といっても,商店が1件と,通りの奥に 郵便局があるだけの静かな静かな駅前。主要道からも外れているので,すごい居心地が よかったわけです)で,イヌとじゃれながら1時間くらいぼんやりしてました(^_^;)
姉別〜厚床(Attoko)間のJRに沿ったダートは,花も綺麗で天気も良くて,だんだんいいノリに なってくる(^_^)
厚床から一度だけ R.44 に出て, すぐ初田牛(Hattaushi)方向の道々に折れるとこれが いい上にクルマも全然通らない視界抜群の道で, オフ車にして120km/h という 高速道路級のスピードで根室に向かうのでした(^_^;)
調子に乗ったからか,この間でデジタルの腕時計を落としてしまうのでした(;_;)
(教訓その4:好事魔多し。調子に乗るときは,必ず注意を)

根室市街も見えてきた花咲(Hanasaki)に着いたのがちょうど午後0時頃で, この前に根室に来たときは行かなかった花咲港の車石を見に行きました。
車石は半径 5m くらいの丸い玄武岩の塊で, 写真くらい取って置こうかと人待ちを してると, 学生風のチャリダー(自転車のり)が登場。
“撮りましょうか?”とカメラを交換すると,2人とも「写るんです」で, 彼も昨日の雨でやられたとのこと。やっぱり雨は恐いですね。



根室はいうまでもなく,日本の東の端の街で,
“ロシア人がいろんな物資を買い漁るべくウロウロしてる”いう噂もあったんですが, 市街に出ると,商店の店先には「ようこそ根室へ」いう,ロシア語並記のポスターが あったものの,ロシア人は全然いませんでした。
それどころか,ライダーはじめ旅人も駅のほうには大勢いるものの,市街のほうには 全然いなくて(根室の市街地は,R.44を挟んで駅から港に向かう坂にあります),
“観光というと,納沙布岬の方に行くからだらふか?”とか思いながら, 地図を入れるビニール袋と,それをタンクの前に着けるためのクリップと, それをハンドルに固定するための針金を買い漁ったのでした(^_^;)
あまり美味そうなものもなかったので,根室港に出て,カモメ相手にカップラーメンを 食べてたんですが,これがまたすごい寂しい港で,水産加工工場がいくつかあるだけで ほんとに何もない。礼文・利尻のある稚内とはいいコントラストなんですが, 北方領土に足を運べるようになったら,変わっていくのでしょうか?

# 7 根室〜厚床間で,ネズミ捕りにかかる(;_;)

そんなうちに,だんだん雲も多くなり,納沙布岬には行かずに,知床の東の付け根の羅臼(Rausu)の ライダーハウス「赤い屋根」まで走って行くつもりで出発しようとしたんですが,
“せっかく根室”と,JR最東端の東根室駅と,北方領土資料館と, 駅前の花咲ガニ直売所に寄ってみると,“土産でも送ろうかなあ・・・”という気分になってきて, 気前よく2匹+郵送費で 8000 円を大阪の実家に送ることになりました。
“花咲ガニってまだ食べたことない”いうと,店のおじさんも気前よく,足が2本ほど 取れたカニを一匹くれて,ラッキーだったんですが,今ひとつどうしようか迷いが 生じたんですね。
日持ちはしないし,今晩食べるいっても,宿で分け合うのも妙だし・・・
と, 半端な気分で根室を後にすると,R.44はさすがに二ケタの国道で, ライダーの数も 多ければ, クルマの数も多い。すいすい走ることに慣れてる身は, 60km/hくらいの流れ にはかったるさを感じて, トラックとかは適当にかわしながらやや急ぎ足に走ってたら 前のバスとトラックから連続してパッシング。
“あれっ, ライト点けて走ってるからかな?”いうのは愚かな勘違いで・・・
そう, 「ねずみ捕り」が待ってたんですねー。ここ4年間,無事故無違反で通ってきた こともあって,これはまったく油断としかいいようがない(;_;)
50km/hの道を76km/hということで, 26km/hオーバーの3点 15000円の青キップ(;_;)
まあ,裏の道々ではってたら,60km/h超のタイホものだけに, 運が良かったのかも・・・
(教訓その5:気をつけろ 一級国道にゃ ポリがいる)

# 8 恐怖の荷物落下事件(;_;)(その2)

・・・とはいえ, 連続して警察の世話となり, さすがに気落ちすることしきりで,
“根室警察のバカヤロー!!”といっても気は晴れず, 厚床から R.243, 別海(Bekkai)は奥行臼(Okuyukiusu) からR.244 と,曇り空の人気のない単調な道を走っていると, だんだん気が重くなり,
“「赤い屋根」で騒ぐ気分じゃないなあ・・・”と思ったところに, 海岸沿いの高台に鮮やかな黄色の屋根のピカピカのバス停。
“あそこに泊まろうかなあ・・・”いう気分で, 少し先の尾岱沼(Odaitou)まで走らせて, しばし考えて,
“バス停に泊まって, 宿代押さえて, カニをアテにひとりでゆっくり過ごしましょう”となり, 10km弱戻って, この夜は床丹(Tokotan)という小集落のバス停で過ごすことになりました。
高台のバス停のすぐ横の商店には,しっかりビールも冷えていて,バス停の後ろはすぐ海で, 向こうにはクナシリも見えそうと・・・
天気が良ければなかなかいい場所なんですが,これまた折り悪く,暮れかかりと同時に 雨になり,ここまではまだ“羅臼に走らなくてよかったね”で済んでたんですが・・・

バス停に入って荷物整理をしてると,これが昨日と連続して,3つの荷物のうちの1つ, 青のリックサックがないではないですかっ(:_:)!
間抜けなことに,昨日落としたカバンから移した現金8万強と帰りのモトトレのチケッ トも入っている。昨日と違って外はもう暗くなってる上に落ちた場所も断定しにくい。 事態は最悪(;_;)
“私は何をしに北海道くんだりまでやってきたんだらふ?”

と,ボーゼンと, さっきの商店のおばさんのところに行って,地元中標津(Nakashibetsu)警察への手配をして,その足,北海道名物の焼酎「レジェンド」のボトルを 買って・・・
“しかし, ここで焼酎など飲んでは復活不能になる”と, 改めてビールを買って・・・ と, おばさんには随分手間をかけてしまいました(_O_)
しかし, 当人のダメージは至極大きく, とにかく花咲ガニは食べたものの味わえるはず もなく, 強くなる一方の雨の中, ツーリング史上最悪の夜は更けていくのでした(;_;)

こうなると,教訓なんて気楽なことを言っていれるものではないのですが,この夜は およそこんなことでもないと思い浮かばないようなことがいっぱい頭の中をよぎりまし た。
人間なるようになったときには覚悟が必要です。



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