日本きな粉愛好会

久寿餅をたずねて 「川崎大師」2

H14.5.22 神奈川県川崎市

 先の地元の人たち用の商店街とは違う方向には、屋根つきのアーケードを備えた表参道と呼ばれる通りが南下していて、土産物店が並んでいる。久寿餅店のほか、だるまを売る店、お茶を売る店が多い。やがて表参道は川崎大師の側面を通過してしまい、ぐるりと回りこんだところがお寺の正面、仲見世である。
 仲見世には、表参道以上に、飲食店や土産物店が軒を連ねている。咳止め飴を売る店からは、飴を切る包丁の音がする。平日の朝とあって、まだ人通りの少ない道を進むと、両側から声をかけられて、照れくさい。観光地ならではの心地である。


仲見世の入口を自転車で疾走する主婦

 

 さて、山門をくぐると、密教のお寺らしく、護摩を焚く読経が聞こえてくる。参詣客は少なかったが、熱心にお参りする人が多い。この川崎大師こと平間寺のほか、山内にはお稲荷さんやお不動さんがあって、全部回ると結構時間がかかった。

 

 
秀麗な池の端で草を刈るおじさん(右下)

 川崎大師の少し西側は公園が広がっていて、その一角に、「瀋秀園」という中国式庭園が設けられている。入場無料。なかなか珍しい風景だ。順路がついていて、庭内を一周できる。滝のそばの、高台になっているあずまやに入ってみたかったが、幼児の団体が占拠していて入る度胸がなかった。左の写真では、日常離れした中国世界が広がっているが、背後ではゴミ収集車が作業中で、おなじみのオルゴールが鳴っている。ここも麻生区も、同じ川崎市である。

 

 公園には芝生の広場もあって、たくさんのシロツメクサが咲いていた。子供の頃は、こういう原っぱで遊んだものだ。もっとも、その原っぱは空き地ではなく、地元特産の和傘を干す仕事場でもあった。地面には和傘の柄を差し込む穴が無数に開いていて、足をくじきそうになりながら遊んでいたことを、このシロツメクサを見て思い出した。きな粉のことは、すっかり忘れている。


遠く平間寺の楼が見える

   

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