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第66回「ノッティングヒルの恋人」

ノッティングヒルポスター 監督…ロジャー・ミッチェル 、 脚本…リチャード・カーティス
撮影…マイケル・コールター 、 音楽…トレバー・ジョーンズ
キャスト…ヒュー・グラント、 、ジュリア・ロバーツ
リス・エヴァンス、ジーナ・マッキー、ジェームズ・ドレイファス

1999年ギャガ・ヒューマックス/上映時間2時間03分
CASTジャック&ベティ
ジャックの評価 /ベティの評価

…金かえせ!! / …いまひとつ
…まあまあ/ …オススメ
…大満足!!観なきゃソンソン


J/ 『ノッティングヒルの恋人』この映画は、もう大好き。同じスタッフが結集した『フォー・ウエディング』と 較べると、完成度という点ではは落ちるんだけれど、もうそんなことはどうでもいいね。

B/ あら、今日はすごい入れ込みようじゃないの。そういう私もけっこう好きだけれど。

J/ アメリカ資本が入っているから、純粋な意味での英国映画とは違うのだけれど、それでかえって英国らしさ が出た部分もあるよね。

B/ ある意味で、ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントが、お国柄の違いを超えて、住む世界の違いを超えて 仲良くなっていく話しだから、英国らしさも鮮明に出てくるのよね。

J/ この脚本を書いたリチャード・カーティスって人は、『ミスター・ビーン』のローワン・アトキンソンの大 学時代からの親友で、ずっと彼のコメディを手がけてきた人なんだよ。その彼の色が随所に出てきてたよ。

B/ 主人公が経営する売れない本屋さんのパートナーが、ローワン・アトキンソン主演のコメディ『シン・ブル ー・ライン』のメンバーのケビン君こと、ジェームズ・ドレイファス。あのおかまっぽい演技がこの映画で も健在で。もう可笑しくて、うれしくなってしまったわ。

J/ ジュリア・ロバーツをハリウッドの有名女優の他の誰かの間違ってしまい、オロオロするところなんか、あ の番組のキャラクターそのもので。(笑)ファンには大サービスだったね。

B/ 他のキャラクターもとっても良かったわ。主人公のおかしな同居人。ネジのはずれた妹。車いすの友人夫婦、 などなど、みんなとっても運がなかったりするのだけれど、温かくて。

J/ それぞれが、個性的で面白い顔をしているね。「誰が一番不幸か」っていう告白ごっこみたいなのをするの だけれど、それが不幸にもめげずとっても明るくて、良かった。自分の不幸を笑いにしてしまうセンス自体 がとっても英国的だったしね。

B/ ジュリア・ロバーツ扮するハリウッドの映画スターが、彼だけでなくって、彼の家族や友人たちに惹かれて いくのがとってもわかるわ。彼らってとっても温かくて、包み込んでくれそうな感じだもの。

J/ リチャード・カーティスの脚本っていうのは、『フォー・ウェディング』の時もそうだったけれど、登場人 物に家族的な雰囲気があるよね。自分もあの輪の中に入ってみたいなみたいな感じになる。

B/ この映画の舞台は、まさに私たちが何度も旅行で訪れている場所で、とっても雰囲気が出ていて、懐かしくて たまらなかった。ここから、あちらに行けば、あなたが騙されて火のつかないライターを買わされた、ポート ・ベローのマーケットがあって、ちょっと駅のほうへ向かうと、外交官がたくさん住むっていう高級住宅街 があって。

J/ 庶民的な部分と、上流的な社会が混在した町なんだよね。マーケットも胡散臭いのから、高級なアンティー クまで幅があってね。映画はそんな感じがよく出ていたね。

B/ 主人公の同居人が着ていたTシャツも、まさにあそこのマーケットでよく売られている類のもの。表側に「 愛してます」って書いてあって、裏に「ファックしたい」なんて書いてあるジョークのセンスが、まさにあ の界隈のTシャツ屋さんのセンスなのね。彼がどういうところで買物してきたかまで見えてきてしまうのよ。

J/ 四季の移り変わりも鮮やかに出ていたね。

B/ 英国は、とっても四季の移り変わりが豊かな国だわね。時の流れを四季の移り変わりで表現しているのが、 とっても良かったわ。

J/ マーケットを歩いているうちに、季節が変わっていくやつね。花満開の春から始まって、雨が降り、雪が降 り。どういう風に撮影しているのかわからないけれど、ああいう風に季節の表情を捉えるのは、地元の人の 感覚なんだろうね。

B/ 夫が亡くなった妻に「愛の言葉」を彫り込んだベンチがとっても素敵だったわ。

J/ 映画ではあるお屋敷のガーデンにあったベンチだったけれど、あれは、エジンバラに行くと、公園のいたる ところにあるベンチなんだよね。「愛する母、クリスティーナの思い出に」とか「愛する妻リタの思い出に」 なんて書いたプレートが、その人が生きた年号入りでつけられているんだね。思い出を刻む代りにお金を出 して、ベンチを寄付しているんだよ。

B/ 年号を見ると、1870年から1940年なんて入ってたりしてね。それほど名もない人たちの生きた証が、 愛の証が半永久的に残っていくのね。とっても素敵よね。

J/ 英国のこの習慣、これがとっても映画の中でうまく活かされていたね。

B/ ストーリー自体は、ハリウッドの名作、『ローマの休日』みたいな雰囲気があるのだけれど、こういった細か いセンスではとっても英国のテイストが出ていて、それがこの映画の命になっているのね。

J/ ハリウッドのロマ・コメとは、また一味違うような感じがするね。けれど、有名人と恋に落ちるなんて、 とってもハリウッド的ドリームでかつ誰もが夢に見るようなことなんだけれどね。

B/ 彼女がどれだけの大スターか、主人公が、全然分かっていないのも、ポイントよね。英国にはああいう無頓 着な人が、実際多そうだし。

J/ それが彼女に心地よかったりするからね。彼ら有名人にとっても、これはドリームなのかもしれないよ。

B/ ただあまりにも非日常的な世界だから、『フォー・ウェディング』の時の良かった部分で、失われちゃった ところもあるけれど、夢物語として見ると、こちらのほうが魅力あるわね。誰にでも受け入れられそうだし。

J/ 現実と夢の狭間で揺れ動くヒュー・グラントの姿は、観客自身ととダブってきてしまうところがあるからね。 いかにも小市民的だし。部屋のアイロン台が破けているところなんかに、とっても生活感が出ていたよ。

B/ 私は、ヒュー・グラントが益々好きになってきっちゃった。彼はいい歳の取り方をしてるわよ。

J/ 昔はハンサムだったけれど、最近ちょっと崩れてきちゃったなんて身内に陰口たたかれていたけれどね(笑)

B/ この映画はロマンチックで温かい映画、それでもってちょっと英国の辛口のセンスも入ってたりして好きだな。 昔はアメリカン・ドリームだったけれど、これからはこうしたイングリッシュ・ドリームの映画の時代がく るかもしれないわよ。こちらのほうが今のハリウッド映画より、私は好きかもしれない。

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